新たなエネルギー時代を見据えた「スマートマンション」とは?

身近な取り組みになりつつある「省エネ対策」。みなさんの中でも、冷蔵庫の開け閉め時間の短縮、電源コンセントからプラグを抜く、電気の使用時間をピーク時からずらす、など、身近な節電アクションを行っている方も多いと思います。とはいえ、常に節電を心がけるというのも、少々疲れてしまいますよね。

いま、そんな節電をはじめとする省エネを、効率的に無理なく実現するためのさまざまなサービスや取り組みが広がりつつあります。

今回は、そんな取り組みを推進するために経済産業省が行っているスマートマンション導入加速化推進事業、そしてスマートマンション評価制度についてみなさんに知っていただくため、先日行われた「スマートマンションシンポジウム」で紹介された内容をレポートします。エネルギー対策に関心のあるかた、マンションの省エネ対策を検討中の方は、ぜひご覧ください。

スマートマンションシンポジウムについて

新しい安定した電力の需給を目的に、経済産業省が推進しているスマートマンション導入加速化推進事業、そしてスマートマンション評価制度について認知を広めるために行われたシンポジウムです。

当日は、経済産業省 商務情報政策局 情報経済課の岡本氏による「スマートマンション導入促進の取り組み」と題したセミナーと、岡本氏を交え各分野での有識者によるパネルディスカッションが行われました。

経済産業省 商務情報政策局 情報経済課の岡本氏。パネルトークではスマートマンション化を推進する立場としてメッセージを発していました。

そもそもスマート化を進める理由

もともと温室効果ガスの削減を目的に、ITなどを活用してエネルギーを管理するシステムの開発などがすすめられていましたが、東日本大震災での東京電力福島原子力発電所事故の影響から、安定した電力の供給には、これまでの供給側の対策だけでなく、需要側(利用者)も参加した新しいエネルギー需給の仕組みが必要だという考えが生まれました。

その需要側の対策として検討されたのが、「家電機器などの省エネ化(ハード)×ピークカットやピークシフトなどのエネルギーマネジメント(ソフト)」の取り組みです。

スマートマンションってなに?

スマートマンションとは、先ほど述べた需要側の対策として、マンション全体でエネルギーの管理や節電、ピークカットを行うマンションのことです。以前マンション・ラボのエココラムでもご紹介したMEMS(マンションエネルギーマネジメントシステム)や太陽光発電、一括受電設備などが導入され、より効率的に節電などが行える設備が整っているマンションが「スマートマンション」というわけです。

スマートマンション導入促進の取り組み

具体的にすすめている取り組みが2つあります。ひとつは「スマートマンション導入加速化推進事業」そしてもうひとつが「スマートマンション評価制度」です。

スマートマンション導入加速化推進事業とは?

スマートマンション導入加速化推進事業とは、震災以降の安定したエネルギー需給の仕組みづくりを推進するためにはマンションも欠かせない、ということから、「アグリゲータ」と呼ばれる、スマートマンション化に必要な設備やサービスを提供する企業からMEMSの設備を導入すれば、一部の費用を補助する、という事業です。

震災以降の安定したエネルギー需給の仕組みを進めるため、MEMSを広く普及してMEMSの価格を低減する、省エネを促進する、という目的があります。

現時点で、新築マンション12物件で補助金の交付が決定しており、現在も新築・既存マンションから多数の申請が行われているとのことです。なお、この事業は2014年3月31日の交付決定までと期間が定められており、かつ申請から交付まで2週間程度かかることから、早めに申請されることをお勧めします。

パネルトークでは、各有識者の立場からスマートマンション化への意見が発表されました。

スマートマンション評価制度について

スマートマンション評価制度のロゴマーク(資料:経済産業省)

経済産業省が、「スマートマンション導入加速化推進事業」で認定されたスマートマンションに対して、エネルギーの効率的な利用や節電につながる設備・サービスを評価し、その性能をロゴマークなどで識別できるようにする、といった制度です。

各項目の星の数で、スマートな性能が一目でわかるようになっているので、消費者側も評価しやすいですね。

気になる既存マンションの「スマート化」は?

現在スマートマンション導入加速化推進事業に申請している既存マンションは新築マンションよりも多いそうです。しかし、導入には費用がかかることから、管理組合と住民の合意形成が難しく、導入までなかなか進まないのが現状です。

そのような課題を解決案としてシンポジウム内で提案されていたのが、「高圧一括受電」との同時導入です。

高圧一括受電とは、各世帯が電力会社と個別に受電契約をせず、マンション全体で高圧の電力を一括で受電し各世帯に分配することで、電気料金を引き下げられるというメリットがあります。つまり、住民にとって電気料金が下がるメリットのわかりやすい高圧一括受電とあわせて、補助金の対象となるMEMSを導入することで、合意形成のハードルを下げる、という作戦ですね。

確かにわかりにくいMEMSよりも、電気料金が下がるというわかりやすいメリットのある高圧一括受電をきっかけに、スマートマンション化の第一歩をすすめるのは効果的かもしれません。


スマートマンション化への取り組み、いかがでしたか。仕組みや取り組みについては、まだまだ認知されていない状況ではあるものの、新しいエネルギー需給の取り組みとして、今後浸透・普及していくことが期待されています。そのためには、既存マンションでの導入がしやすいコスト、あるいは支援が継続的に行われていく必要があるように思えます。

マンション・ラボでは、今後もこのようなエネルギー対策に関する情報を紹介していきますので、ぜひお楽しみに。

2013/12/09

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