マンション住民も知らず知らずのうちに恩恵を受けている!?自治会の本当の話

皆さん、こんにちは!コラムを担当させて頂きます、東邦レオ株式会社Green×Town事業の吉田啓助です。これまで、「女性の暮らしから眺めるマンションの魅力とは?」というタイトルのコラムを書かせて頂いておりましたが、今回から、「自治会」をテーマにしていきたいと思います。

マンションの植栽とコミュニティの活動をしていると、自治会の方達と活動を共にすることが多くあります。しかし私自身、その自治会が普段何をしているのか理解していない事がたくさんありました。自治会は、身近にありながら意外なほど知られておらず、誤解されているかもしれないのです。

そこで私は、自治会情報を出来るだけオープンに発信し、住民の理解が深まることで、自治に対する興味や関心が向上し、結果的に居住者が望む自治会運営、つまり総じて「暮らしやすさ」に繋がるのではないかと思い、このテーマを選びました。座学ではなく、第一線で活躍・試行錯誤されている方へのインタビューを通じて、今ある課題や解決の糸口に迫っていきたいと思っております。

第一回目の今回は、私も住民の一人である「ハイタウン塩浜第二団地住宅」の自治会長を務められている高桑さんにお話をおうかがいしました。取材当日は、管理組合の理事長である横山さん、また高桑さんの前に自治会長をされていた上野さんのお二人にもご参加頂き、築31年の団地ならではの様々な話をお話いただきました。

今回取材にご協力いただいたみなさん。左から横山さん、上野さん、高桑さん。

加入率を増やしたい!多くの自治会共通の悩み

吉田:宜しくお願いします!

皆さん:宜しくお願いします。

吉田:まずハイタウン塩浜第二住宅自治会の主な活動について教えて下さい。

高桑さん:はい、詳しくは定期総会資料にも掲載していますが、主には夏祭り、お花見、餅つき大会、ハゼ釣り等を始めとする年間行事の企画・運営、婦人会や子ども会など地域活動の援助、暮らしやすさに繋げるための管理組合との意見交換等を行っています。

吉田 :ありがとうございます。今回のインタビュー、自治会に対する理解を深めて将来も安心できる暮らしにしようという主旨で始めたのですが、自治会への加入を促す活動はどのようにされていますか?

高桑さん:まず、市川市が配布している自治会への加入を促すパンフレットを定期的に配布しています。実際にキャンペーンみたいな事もやっているんだけど、チラシだけだと読まずに捨てられてしまう事が多く、難しいところです。

吉田:やはりどのように活動を知ってもらうかは課題なのですね?

高桑さん:そうだね。ネットでの告知や報告だけだと、高齢者が多いこの団地では見る人が限られてしまうし、かといってパンフレットだけだと、中身を見ずに捨てられてしまうからね。自治会のサイトを作って、継続的な情報発信をしたいとも思うけど、皆ボランティアでやっているし、誰にやってもらえば良いかという運営上の課題もあるからね。

上野さん:加入率にも繋がる話だから、昔からどうしたら良いか?を常に考えてきたんだよね。イベントとかも住民が喜んでくれるものは何か?を考えて試行錯誤してきた。そして、そのイベントに来てくれた人を誘ったりして、ここまで人数を増やしてきた、という歴史があるんだよ。

吉田:まさに地道な努力ですね。ちなみに現在全体の何割の方が自治会に加入しているのですか?

高桑さん:全体577世帯中約60%、300世帯以上が加入している状況かな。

横山さん:これには、団地の成り立ちも関係していると思うんだよね。戸建住宅だと、今はそこまで無いのかもしれないけど、自治会加入率はほぼ100%に近い。それは、そういった風習が昔からあるし、村八分とまでは行かないけど、加入しないと暮らしづらいといったところに直結する。

でもこういったマンションは、その隣近所の付き合いから離れた暮らしをしたいと言ってやって来た人の集りだったりもするからね。班長だったり、役を含めて色々と駆り出されるのが面倒くさいという人もいる中で、どこまで加入率を高められるかといった話も一方ではあるんだよ。

吉田:なるほど。確かにそうですね。私も子供の頃は戸建てに住んでいた時期もありましたが、当然のように自治会に入り、祭りや清掃活動を近所の方と一緒にやっていた記憶があります。戸建てであれば、何となく入らなければならないという雰囲気がありますが、マンションはそうでは無いというのは、実際に他のマンションの加入率を調べたり、話を伺っていると良く分かります。

そんな中で加入されている人は、どんな人達なのでしょうか?世代等で偏りはありますか?

高桑さん:いや、特にこの世代が多いとかは無いかな。でも団地全体に若い人が今は少ないので、どうしても高齢者が多いというのはありますね。独居の人も多くいたりして、自治会としてもフォローしていかなければとは思っています。

意外と多い!自治会の存在によって受けている、『生活の恩恵』とは?

吉田:では、特定の人だけ自治会を理解して加入しているというわけでは無いんですね。私もこのような仕事をしていると、自治会に関わる取り組みをすることがあり、加入していない人に話を伺うこともあるのですが、「自治会に入るメリットが分からない」ということを良く聞きます。

実際にはそんな事は無いと思っているのですが、わかりづらいのも事実なので、今日はこの辺りを詳しく伺っても宜しいでしょうか?

横山さん:まず、ここは市川市になるんだけど、災害になったら自治会に加入していないと、自治体との連絡手段が無くなるという事が実際にあるんだよね。

例えば、災害時に必要な食料品や簡易トイレなどの防災備品の準備・配達は、自治体は「自治会加入者数」を対象に行っているんだ。だから自治会加入者は住んでいる現地で必要資材が受け取れるけど、自治会に加入していない人は、本来は市役所までその備品などを取りに行かなければならないんだよね。実際に発生した時は、そんな事言っていられないから柔軟に対応しているけど。

吉田:そうなんですね。知りませんでした。市役所等の自治体からすると自治会を地域の連絡組織としているから、そこの人数を見て判断しているというわけなんですね。

横山さん:だから自治会に入ることを「保険」と同じような考え方で考えてくれたら良いのにな、とは思いますよ。何かあった時に、それによって受けられる恩恵があるわけですから。

高桑さん:あわせて、基本的な事だけど、ゴミ出しは全て自治会で管理しているんだよね。市や自治会の要請でごみ収集を行うから、本来は自治会員でなければゴミ出しは出来ない事になっている。これも同じ団地内でそんな事を言っても生活できなくなるから、きっちり運営していないんだけどね。

吉田:ゴミについてもそうなのですね。ありえない事なのかもしれないですが、もしもみんなが人とのつながりが嫌だという事で自治会に加入しなくなり、自治会そのものが無くなってしまったら、非常に困るのでしょうね。

上野さん:そうだと思うよ。実は敷地内にある防犯灯(外灯)も、自治会が市に依頼して助成金をもらいながら整備して、今もお金を払って管理しているんだよ。

吉田:防犯灯もですか?それは全く知らなかったです。

上野さん:道路側を向いている外灯は市が管理しているのだけど、敷地内を向いている外灯は自治会が管理している。そういった意味では、誰もが恩恵を受けていることにはなるよね。だって明かりがなければ、安心して夜道を歩けないしね。

吉田:確かにそうですね。そういった意味では、防災やゴミ、防犯に繋がる外灯と言った生活のベースになる部分を自治会が支えているという見方も出来るわけですね。仮に、会員がゼロになって自治会費が無くなってしまったら、こういったサービスが受けられなくなる訳ですから、安全に暮らす事もできなくなってしまう。それだけでも自治会に加入するメリットは十分あるように思えます。

横山さん:でも負担になると思っている人がいるのも事実で、なかなか加入数が増えないのが実態です。

吉田:その負担についてですが、実際に自治会に入るとすぐに役員になったりとか実際の負担はあるのですか?

高桑さん:自治会によって運営が異なるけど、ハイタウン塩浜第二住宅自治会では役員が17名、班長が31人だから全体の約14%の人が何らかの役をやることになります。自治会員の会費は月額300円、年会費として一括で支払ってもらうと3,000円と、600円割安にしているのだけど、班長は年度更新時の集金と、夏祭りと餅つき大会のイベント運営手伝いの年3回が主な活動だから、正直大きな負担にはならないと思うんだよね。他の自治会では毎月班長会があったりするところもあるから、その自治会によって異なるというのが正直なところかな。

夏の風物詩・お祭り。住民にとってもなくてはならない、楽しみなイベントです。

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2014/02/27

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