マンションと地域をつなごう!京都市のコミュニティ活性化の取り組み事例

あなたのマンションは、地域コミュニティと連携していますか? マンションコミュニティが積極的に地域と関わりを持つにはどうしたらいいのでしょうか? 地域コミュニティ活性化のために、マンションをはじめとした地域住民の結びつきを応援している京都市の取り組みを参考にしてみましょう。

「京都市地域コミュニティ活性化推進条例」を制定して地域活動を応援

京都市では、地域コミュニティ活性化のためにさまざまな取り組みを行っています。平成24年4月には「京都市地域コミュニティ活性化推進条例」を施行、地域に関する情報を発信する「京都市 自治会・町内会おうえんポータルサイト」を開設するなど、自治会・町内会を中心とする地域コミュニティを応援しています。
今回は、京都市文化市民局地域自治推進室の安毛真之介担当係長と、地域コミュニティサポート担当の市原均様に、京都市でのマンションと地域との連携についてお話を伺いました。

まず、京都市地域コミュニティ活性化推進条例」の内容とはどういうものでしょうか?

安毛担当係長「平成24年4月に、 “京都市地域コミュニティ活性化推進条例”を施行し,自治会・町内会等の運営・活動への支援、地域のつながりの大切さの啓発などに取り組んでいます。これは、地域住民や事業者、京都市が協力し合って、将来にわたって、地域住民が支え合い、安心して快適に暮らせる地域コミュニティの実現を目指すものです。この条例により、“京都市 自治会・町内会&NPOおうえんポータルサイト”の開設、自治会・町内会加入促進等の取組に対して助成する制度の創設、自治会・町内会アンケートの実施、 “地域活動ハンドブック”の作成・配布、自主的なまちづくり活動の支援など、さまざまな施策を行っています」

施策のひとつである「京都市 自治会・町内会&NPOおうえんポータルサイト」は、自治会・町内会、NPO法人などの活動をサポートするサイトです。サイト内の「地域コミュニティ活性化取組事例集」では、学区やマンションコミュニティの事例も紹介されています。

京都市 自治会・町内会&NPOおうえんポータルサイト
http://www5.city.kyoto.jp/chiiki-npo/

条例では、マンションと周辺地域とのつながりも重視しており、マンションの管理組合と自治会・町内会との連携を応援しています。確かに、管理組合と自治会の2つの組織が、さまざまな面で連携して地域活動を行えば、暮らしやすい地域づくりに役立つはずですよね。

安毛担当係長「京都市でも、他都市と同様、多くのマンションが建設されています。一定規模以上のマンションを新築する建築主の皆様には、建築・販売・賃貸・管理する事業者ごとに、地域との連絡調整担当窓口を京都市に届け出ていただくことが条例によって義務づけられています。この届出内容は地域からの請求があれば開示しており、新たな入居者の皆様と地域との交流を図っていくために利用していただきます」

市原さん「また、マンションにおける町内会設立や自治会・町内会への加入促進をはじめ、マンションと地域の交流を深め、連携することでコミュニティを活性化するための取組に助成する制度もあります。地域と関わるためのクリスマス会などの交流行事の開催や、防災マニュアルの全戸配布などを通じた地域コミュニティづくりについても助成制度を利用していただけます(※)。ほかにも、自治会・町内会加入のための呼びかけポスターや地域活動ハンドブックを無料で配布して、地域との絆づくりをサポートしています」
※助成制度の対象となる事業や経費には基準があります

自治会・町内会の役割や運営方法、事例などについて説明した冊子。マンションでの自治会設立事例、地域学区とマンションとの連携事例なども紹介されていて参考になります。

地域活動ハンドブック
http://www5.city.kyoto.jp/chiiki-npo/images/jichikai/file/handbook.pdf

マンション・ラボの視点:自治体の助成金を活用しよう!

京都市のコミュニティ活性化のための助成金については、昨年度で51件の応募があったそうです。こうした各自治体の助成金制度については、情報を知らない人も多いかもしれません。自分達が住んでいるマンションのある自治体のホームページや担当窓口で、助成金制度があるかどうかを一度調べてみるのもおすすめです。また、地域活動をサポートするハンドブックなどには、マンションと地域の連携事例が紹介されていることもあります。こうした事例を参考にして、自分たちのマンションでの取り組み方を考えてみましょう。

増えるマンションと地域との摩擦を避けるためには?

マンションと地域との関わりについては、たとえば町内会費の問題、新築マンションの建設でそれまであった町内会の倍以上の人口が増えることによる摩擦、さまざまな問題点があるはずです。こうした問題については、どう対処したらいいのでしょうか?

安毛担当係長「もちろんそうした問題は従来からありました。京都市内の中心地のマンションは、セカンドハウス的に購入されている方もおられ、地域に定住されていないことによるさまざまな課題もあります。ただ、マンションと地域とが連携することで、たとえば伝統的なお祭りを一緒に支える、少子化・子育ての環境を整えるといった、みんなで力を合わせないとできない問題が解決できることもあります。町内会自体も住民が高齢化しており、マンションの若い世代と交流できることが地域コミュニティ活性化のひとつにもなります。互いが協力しあうという意識が大切ですね」

マンションと町内会、同じ地域に住む者同士で、まずは挨拶から顔見知りをつくるなど、ふだんの関わりからスタートすることが大切なのではないでしょうか? こうした普段からのつながりが、安心して快適にくらすことができるまちを築いていくことにつながっていきます。という安毛担当係長。確かに、顔見知りができると、少しずつ関係が深まっていきます。小さなことの積み重ねに、問題解決の糸口があるのかもしれません。

啓発マンガ本「『地域』って…?」

京都市では、子どもたちにも人と人とのつながりや地域活動を理解して行動してもらうために、啓発マンガ本「『地域』って…?」を、小学校3年生を対象として配布しています。

「まずは、きちんと挨拶をして、顔を覚えてもらうことから始めよう」と語りかけるマンガの主人公たちの視点は、すべての地域の人々共通の思いです。ちなみに、マンガ学部のある京都精華大学と京都国際マンガミュージアムが、啓発マンガ本の編集・制作に関わっている点も京都ならではですね!

啓発マンガ本「『地域』って…?」
http://www5.city.kyoto.jp/chiiki-npo/news/jichikai/31/1369619636.pdf

マンション・ラボの視点:子どものパワーを借りる

啓発マンガ本にもありますが、マンションと自治会・町内会をつなぐきっかけとなるのは、子どもかもしれません。マンションに住む子どもたちが、挨拶や声かけ、お祭りなどの地域行事の参加で、地域とつながっていくことが、マンションと地域との良好なコミュニティの形成に一役買ってくれるのではないでしょうか。たとえばまず、子ども連れで地域のお祭りに参加してみるのもいいかもしれません。お互いに知り合うことから始めてみましょう。

京都の「学区制度」に見習う、地域ぐるみの子育て術

京都では多くの地域活動が「学区(元学区)」という単位で行われています。これは古くからある小学校の学区が基本となっているようです。各町内会も、それぞれどこかの「学区(元学区)」に属しています。

安毛担当係長「人口減と少子化による小学校の統廃合が進んでいますが、明治の頃にできた“番組小学校”64校のあった地域が、“学区(元学区)”の起源です。明治二年に、京都の町衆が、まちづくりは人づくりから始まるのだと奮起して、“竈金(かまどきん)”というお金を出し合って開校させたのが“番組小学校”です。激動の時代に、将来に向けて子どもの教育の必要性を痛感していたのでしょう。各“番組小学校”ごとに子どもたちの教育に携わって、それこそ地域ぐるみで子どもたち達を育てる役割を担っていたそうです」

“番組小学校”がなくなった現在でも、小学校を単位とした学区(元学区)が、基本的には地域の交流の単位となっているそうです。たとえば嵯峨野学区では、大学とコラボレーションして高齢者と若者が交流する場づくりを行っているなど、学区ごとに特色ある地域活動を展開されています。

地域に住む人にとっては、昔通った小学校の思い出と共にある愛着のある場所。学区(元学区)を単位として、多世代の方々が地域交流を行っていることは、子どもたちにとっても、地域の歴史を知るよい機会となることでしょう。

マンション・ラボの視点:地域ぐるみで子どもを育てる

昔から京都では、住み慣れた町への愛着がベースになり、地域ぐるみでそこに住む子どもたちの教育を応援し安全を守っています。地域ぐるみで子育てサポートや通学の見守りを行えば、マンションと地域がひとつの町として結びつくのではないでしょうか。地域で子どもを共に育む、そんな意識を共有すれば、マンションと地域の垣根をなくしてくれそうです。

マンションと地域とがつながりを強めれば、防災や高齢者対策、防犯、子どもの見守り、さまざまな面で連携することができます。マンションも地域の一部という意識を持って、地域コミュニティ活性化の一助となりたいものですね。

2014/10/30

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