「シェア」という集住スタイルに学ぶ、マンションコミュニティのつくりかた

シェアハウスやソーシャルアパートメントというコンセプトが、日本にも浸透してきました。今回は、“子育て”や “食”をシェアするマンションをご紹介します。共通のテーマをシェアしてコミュニティを構築していくという方法論は、集住の場であるマンションでのコミュニティづくりにも学ぶべき点がありそうです。

シェアハウスに学ぶコミュニティづくり〜皆が集う共有の場

シェアハウスやソーシャルアパートメントは、一軒家やマンションのような一つ屋根の下に大勢で一緒に暮らします。皆で共有するリビングやキッチンに広いスペースがとられており、コミュニケーションの場が共有部分に用意されているのも特長のひとつです。

集住の場であるマンションでも、さまざまな共有部分が用意されています。こうした場を、共通の目的で活用することがコミュニティづくりの鍵となりそうです。

今回は、東急電鉄が提供する“子育て”と“食”、2つのタイプのシェア住居のコミュニケーションプランについて伺いました。

シングルペアレントを応援!“子育て”をテーマにしたシェアハウス

スタイリオ ウィズ 代官山

東急東横線「代官山駅」から徒歩2分、JR山手線・東京メトロ日比谷線「恵比寿駅」から徒歩11分の好立地にできた、“みんなで子育て”をテーマにしたシェアマンション。
http://stylio.jp/with/daikanyama/

スタイリオ ウィズ 代官山
http://stylio.jp/with/daikanyama/

2014年3月にオープンした東急電鉄の「スタイリオ ウィズ 代官山」は、元々は渋谷区の所有する職員住宅でした。その地上4階建ての建物を、耐震まで含んだリノベーションを行い、しかもシングルペアレントの子育て支援という社会的意義まで含んだシェア物件として再生させました。

その特長は、住んでいる人みんなで子育てすること。シェア住宅に住んでいる居住者同士が、シングルペアレントの子育てを手助けします。

東京急行電鉄株式会社の住みかえ事業推進部 賃貸住宅担当の近藤美穂さんにお話を伺いました。ご自身も小さいお子さんを育てつつ働くお母さまです。

「いま日本の世帯構成は、4,580万所帯中、約140万所帯がシングルペアレントです。たった一人で仕事をしながら子育てをする親が多い中で、子育てをみんなでシェアする賃貸物件を提供しようというのが今回のスタイリオ ウィズ 代官山です」と、近藤さん。

シングルペアレントとお子さんだけでなく、もちろん単身者も部屋を借りることができます(入居時には審査があります)。代官山から徒歩2分の立地の良さというのも魅力ですが、共有部分には、複数の機能的なシステムキッチンや業務用冷蔵庫を完備した充実のキッチン、大画面やプロジェクタが設置された大勢で過ごせるリビング&ダイニングがあり、皆で料理をつくり過ごせる場が快適に整っています。

個々のお部屋は、約7〜8畳の1Rのバリエーション。親子での入居でご希望の方には引き出して使えるタイプの親子ベッドが用意されています。

近隣の情報共有や子どもの遊びに、ホワイトボードを効果的に活用

玄関を入ってすぐ、廊下の壁面に近隣の地図が印刷された大きなホワイトボードには、おいしいケーキ屋さん情報など、居住者のお役立ち情報をかき込んでシェアできます。

ホワイトボードで近隣のお役立ち情報を共有するというアイデアは、マンションでもすぐ取り入れられそうです。

みんなで集えるリビング&ダイニングの壁面一面がホワイトボードになっています。子どもたちが自由にお絵かきできるのが嬉しいですね。

左側の目盛りでは背比べも!マンションのキッズルームにもこんな壁があったら楽しいに違いありません。

顔見知りのママ同士が頼り合える「AsMama」の子育てサービス

「AsMama」代表の甲田恵子さん(写真右)も子育て真っ最中。ご自分が住むマンション内のママ友たちにもAsMamaの「子育てシェア」を積極的に紹介して、子育てを助けてもらっているそうです。

スタイリオ ウィズ 代官山では、顔見知りの親同士が子育てを安心して気兼ねなく頼り合えるAsMamaの子育てシェアを導入しています。

スタイリオ ウィズ 代官山の居住者同志は、登録情報をもとに同一グループメンバーとして形成され「今日保育園のお迎えをお願いします」「何時まで預かりお願いします」などの依頼を書き込んでグループに投稿すると、都合のつく知人がメンバーが立候補する仕組みになっています。

入居者同士が親睦を図ったり、子育てシェアを活用促進できるようになるためには、「ママサポーター」と呼ばれるAsMamaが本人確認を行った後、託児に関する研修・訓練を受けた人たちが入居者の親睦を図るコーディネートを行います。

「AsMama」の子育てシェアは、携帯やパソコンを使って顔見知り仲間で、子育てを頼り合います。

また、ママサポーターに限らず、万一支援者が事故を起こした場合でも自動的に保険が適用されているのが心強く、サポートしてくれた人には依頼者が1時間500円を支払うという気軽に利用しやすいルールなどがあり、互いの負担にならない仕組みが構築されています。

キッチンで準備をしながら子どもを見守るリビング&ダイニング

みんなで同時に食事の準備ができる共同キッチン。炊飯器やポット、トースター、食器などは共有できます。

キッチンからリビング&ダイニングを見たところ。こんな風に車座になって話ができるのもいいですね。

スタイリオ ウィズ 代官山のシェアキッチンとリビング&ダイニングは、入居者の会話が弾みそうです。たとえばマンションによっては、キッチン付きスタジオの共有部分があります。マンション内の入居者同士で一緒に食事の準備をしながら顔合わせしてみるのもよいかもしれません。まずは、シェアできる場を活用して、顔見知りをつくることから始めたいものです。

フロアのサインも遊び心満点。デザインへのこだわりが細部に息づいています

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2014/05/16

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