イベントで、マンションコミュニティを活発にしよう! ~プレイシアのクリスマスイベントを訪ねて~

「ご近所づきあいは面倒だから敬遠している」「プライバシー重視だから交流には興味がない」といった、これまであまり必要性が問われなかったマンションコミュニティ。しかし、あの3.11を経験して、あらためてご近所づきあいの大切さ、コミュニティの重要さに気づき、取り組みをはじめているマンションも多いことでしょう。それでも、すぐにコミュニティができるわけではありませんし、時間をかけて少しずつ作り上げていこうにも、なかなかうまくいかないマンションも多いと聞きます。
そこで今回は、コミュニティづくりのひとつとして、イベントを定期的に行なっているマンションの方に、イベントを行なう際のポイントや、大切なことなどをうかがいました。

コミュニティは、マンションライフを快適にする「魔法」

今回おうかがいしたのは、東京都の昭島市にある「プレイシア」。2002年に分譲された、総戸数527戸を誇る大型マンションです。当日は、毎年恒例の「ウインターフェスティバル」が行なわれることもあり、マンションの中はなんとなく賑やかな雰囲気。そんな忙しいさなか、取材に集まってくださったのは、理事長の島崎さん、ウインターフェスティバルでカフェを開く中山さんをはじめとする5名の方。まず、そもそもマンションのイベントがはじまったきっかけはなんだったのでしょうか?

今回取材にご協力いただいた皆さん。左から、小野自治会長、横坂さん、島崎理事長、中山さん、西村さん。みなさん、ご協力ありがとうございました。

中山さん:このマンションでは、入居した当初から、居住者全員が月500円を支払って、フレンドリークラブの会員になっています。最初はイベント会社にイベントの企画や運営をお願いしていて、今振り返るとコミュニティづくりのうえで大いに助かっていたんですけど、費用がとてもかかることもあって、開始から3年でやめてしまいました。それでも、それまで行なっていたイベントを有志で続けていきたいと思い、今はボランティアで運営しています。

–ボランティアでイベントを続けていこうとされた、その大きな理由はなんでしょうか?

中山さん:それまでのイベントで、顔も名前も知らない住民の方同士がお友達になったりと、少しずつですがマンションの中の交流が生まれていました。その流れを壊したくはなかったですし、コミュニティは集団生活するうえでとっても大切なことですから。それに、なんだか楽しそうでしたし。

島崎さん:知っている人か知らない人かで、何か起こったときの印象や対応は大きく違うものですから、トラブルを防ぐ面でも普段からのご近所づきあいやコミュニティへの参加は大切だと思いますね。また最近では防災面でも、コミュニティは重要だといわれていますから、継続してきたのは大きいと思います。

–こちらでは、主にどのようなイベントが行なわれているのでしょう?

中山さん:大きなものでしたら、夏はサマーフェスティバル、冬は今日行なわれるウインターフェスティバル、あとはお餅つきでしょうか。サマーフェスティバルでは、敷地内のガーデンを利用して格安でビールが飲めるビアガーデンを開いたり、共用施設でハワイアンのフラダンスショーなどを行なったりしています。ウインターフェスティバルでは、子ども会が中心になって、サンタがお菓子を配るイベントをしたり、私たちがオープンするカフェラウンジや、子ども・大人向けのクリスマスコンサートを行ないます。大きなマンションで色々な人が住んでいますから、とにかくたくさんの人にきて、楽しんでもらえるように工夫していますよ。

キッズルームでは、未就学児を対象に、サンタさんからお菓子を配るイベントが。それにしてもサンタ役の方、似合っています!

共用施設には、こんなに立派なツリーが飾ってありました!クリスマスを演出する、素敵な空間が広がっています。

敷地では、スマートなサンタさんが風船をもってなにやらアピール。 子どもたちもサンタの登場にとっても楽しそうです。

当日はマンション専用ホームページサービスの登録会も行なわれていました。クリスマスの演出で、ウインターフェスティバルの盛り上げに一役買っています。

–「イベントをやっても人がきてくれない」という声は、いろんなマンションでうかがいますが、その点について、こちらのマンションでは、どのような工夫をされていますか?

島崎さん:たくさんの人が住んでいるわけですから、世代や性別、あるいは家族構成によって趣味・嗜好もそれぞれですよね。ですから、例えば小さいお子さんのいる家庭向けのイベントや、あるいは子ども向け、大人向けといった、それぞれの方が楽しめるプログラムを用意するようにしています。「来たい」と思う機会を増やすことで、参加する人は増えると思いますので。

横坂さん:あと、告知については、マンション居住者専用のホームページを使って案内もしています。もちろん楽しい企画が参加者を増やすために一番大切ですが、知ってもらわなければ参加してくれませんから。掲示板やポスティングのほかにも、このようなツールを使うことで、少しでも参加率が高まればいいと思っています。

–ちなみに中山さん、西村さんのカフェラウンジはどのようなことをされるのでしょう?

西村さん:ケーキとドリンク類をお出しすることにしています。各世帯に一枚、ケーキとジュースのサービス券がついたチラシを配布しました。昨年は200個用意したのですが、あっという間になくなってしまったので、今年は思い切って500個用意しました!たくさん来てくれるかハラハラドキドキですが、今から楽しみです。

中山さん:ちなみにお出しするケーキ類は、必ずカフェで召し上がってもらうことにしているんです。

–というと?

中山さん:カフェを開いている目的は、いろんな住民の方とおしゃべりをしたりして、知り合うきっかけにしてもらいたいからです。お家に持って帰ってしまっては、ただケーキを配るだけの場になってしまいますからね。カフェは住民同士をつなぐ場所として、利用してほしいんです。

中山さん・西村さんの担当する「カフェ・アクア」

ボランティアのお母さんたちが、ケーキとジュースを振舞います。

「カフェ・アクア」には、たくさんの住民が訪れて、賑やかに盛り上がっていました。こういう場が用意されるだけでも、交流が育まれるんですよね。

こちらはテラス席。当日は天気もよくて暖かかったので満席です。それにしても広い庭。うらやましい!

–なるほど。確かにイベントが目的ではなく、住民同士の交流をうながすことが目的ですものね。ところで、これだけのイベントをボランティアで行なうには相当のご苦労もあると思いますが…。

中山・西村さん:それはもちろん大変です(笑)!
毎回、準備も必要ですし、イベントごとに課題もみつかるわけですから。
それでもみなさんの喜んでくれる顔をみると、「やりがい」を感じますし、続けることで、自主的にお手伝いしてくれる方も出てくるんですよ。最初は様子をうかがい、次は参加して雰囲気を感じて、3回目くらいでようやく「これなら私もお手伝いしてみようかしら」となる。そんな風に自然に参加してみたいという人が増えてくれると、うれしいですね。

中山さん:やはり、強制ではなく、気軽に楽しみながら、というのが大切だと思いますよ。おしゃべりのついでにちょっと、みたいな感じで参加するのが、長続きする秘訣かもしれません(笑)。

–ちなみにボランティアに協力を募ったことはないのですか?

島崎さん:何度かポスティングや掲示、あとは子どもたちにポスターをつくってもらうなどして募集はしてみましたが、ほとんど集まりませんでした。やはりイベントなどの取り組みを継続することで、住民に知ってもらい、ゆっくりでも参加してみたいと思える土壌をつくることが大切だと思います。また、どうしてもシニアの方ばかりになりがちですから、若い方たちにも参加しやすい環境をつくったりしていくことは、今後の課題だと思っています。

–なるほど。では最後に、今後もコミュニティづくりを行なっていくうえで必要だと考えていることがあれば教えてください。

島崎さん:そもそもコミュニティ活動は自治会の重要な役割ですので、イベントや防災訓練などを自治会が中心となって運営し、管理組合がそれを支援するように役割分担しつつあります。もうひとつは共用施設の利用を活発にすることでしょうか。年数がたてば家族構成や世帯の年代も変わり、ライフスタイルも変わります。分譲時の施設や設備のままでは、住民のニーズに対応できず、結果的に利用されなくなってしまいます。そもそも共用施設とは、住民の交流を図る場として機能するためにあるのですから、少しずつでもニーズの変化に対応できるような準備をしていくことが大切だと思います。また立派な施設を利用しやすくするインフラの整備や、住民で情報共有できる仕組み(インターネットや広報、掲示)などを構築していこうと考えています。
あとは、イベントなどの運営側の人員、特に若い人を増やすことでしょうか。こちらは「慰労会」の数を増やせばなんとかなるかもしれない(笑)。

小野さん:わたしは「防災」がテーマだと思いますね。現にこのマンションでも、3.11以降、防災対策への住民からの意見が多くなりました。あの時の体験は、住民をつなぐ共通のものであり、だからこそコミュニティづくりのきっかけになると思います。ちなみに今、このマンションでは、「防災隣組」という取り組みを行なっています。昔の「向こう三軒両隣(自分の家の向かい側の三軒と左右二軒の家を指し、親しく交際する近くの家を意味します)」という言葉のように、顔の見えるご近所との関係をつくっています。また、マンションの外でも、地域の自治会と協力して、合同の防災訓練なども行なっています。マンション内のコミュニティに留まらず、近隣マンションとも交流し、コミュニティを広げていくことも大切だと思います。


今回うかがってみて、コミュニティづくりの大変さ、難しさをあらためて感じたのですが、一方で、マンションライフを暮らすために、なくてはならないものだということもわかりました。一朝一夕にはいかないコミュニティづくりですが、大切なのは、継続することと、継続しようとする人や気持ちを育てることなのでしょう。今回ご紹介したようなイベントだけに限らず、さまざまな取り組みを通じて、継続性をもって実践し続けてほしいと思います。

2012/12/21

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