熊本・大分地震に学ぶ!マンションの共用部分を避難所として活用するなら?

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避難所運営に学ぶ、マンション内被災生活

私はいま、熊本・大分大地震における益城町の防災アドバイザーとして、益城町の避難所の環境改善を行っています。長期化する避難所では、さまざまな問題に直面します。
もしこれが都市部のマンションであれば、避難民で満員の避難所へ入れなかった場合、構造がしっかりしているマンション内で被災生活を過ごすことになります。
あなたのマンションで地震が起こったら? 共用部分を避難所として活用するにはどうしたらいいのか? 今回は、そんな視点でアドバイスを行います。

被災したマンション住民がエントランスホールなどの共用部分に集まってきたら?

熊本地震の際に、熊本市内のマンションでは、度重なる揺れを恐れてエントランスホールに集まって過ごした方々もいたようです。震度7の揺れを体験すると、「天井のある室内で寝るのが怖い」と皆さんが口々におっしゃっていました。そのため、車中泊を続ける被災者の方が多かったのです。

もし、地震が起こってマンション住民全員が共用部分に集まったら、あなたのマンションではすべての住民を収容できるでしょうか?

充分なスペースがなければ、高齢者やお子さん、要支援者、室内に入れない住民を優先して収容し、必要があれば駐車場スペースや敷地を使う必要があるかもしれません。こうした運用ルールについても、防災マニュアルに明記したり、防災訓練で実際にシミュレーションしたりすることが必要となってきます。

マンションの住民全員分をまかなえる仮設トイレ、水、備蓄品はあるのか?

被災時にマンションの共用部分を避難所として運営していく場合、住民全員分をまかなえる仮設トイレを用意できるでしょうか?
特にトイレは大きな問題です。
人は、水や食糧を我慢することはできますが、排泄は我慢できません。東日本大震災でも熊本地震でも、避難所ではトイレの列に3時間くらい並ぶのはざらでした。マンション内被災生活を送る場合、いちばんに解決しなければならないのが仮設トイレの問題でしょう。
もちろん各住戸に大きな被害がなく、自分の部屋で防災トイレを使用できるならば問題はありませんが、そうでない場合は、敷地内に仮設トイレを設置する必要もできてくるでしょう。住戸数の多いマンションであればあるほど、トイレ問題についてはさまざまな面から考えておく必要があります。

徹底した災害シミュレーションを行うことが大切!

「避難所HUG」という避難所運営をシミュレーションできる防災ゲームがあります。
これは、どんなことが起こったらどんな風に行動したらいいのかを考えることができるものです。マンションの管理組合や住民全員を巻き込んで、このゲームを行うことで災害シミュレーションもできます。こうしたものを用いて、防災訓練を行うのもいいでしょう。大切なのは、徹底したシミュレーションによって、何が足りていないのかに気付くことです。

静岡県公式ホームページ 静岡県地震防災センター 知る・学ぶ 避難所HUG

http://www.pref.shizuoka.jp/bousai/e-quakes/manabu/hinanjyo-hug/index.html
※避難所HUG:平成19年に静岡県が開発した防災ゲーム。販売も行っています。詳しくは静岡県公式ホームページをご覧ください。

いままでは、“人は一生のうちに震度7を1回体験するかどうか”と言われてきましたが、熊本ではそれが2回も起こりました。
東日本大震災のときも、“想定外”という言葉がよく使われていましたが、災害はいままでの常識だけでは語れません。
これからはどんなことが起こってもおかしくないのだという意識で、一人ひとりの方々が真剣に防災に取り組んでいただければと思います。

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告知:熊本・大分地震被害支援金プロジェクト

国崎信江が理事長を務める一般社団法人危機管理教育研究所では、「熊本・大分地震被害支援金プロジェクト」を立ち上げました。皆様のご支援をよろしくお願い申し上げます。詳細につきましては以下をご覧ください。
http://kikyoken.or.jp/kikyouken_kumamoto_shien.pdf

2016/06/09

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


株式会社危機管理教育研究所

一般社団法人危機管理教育研究所


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