未来のスマートホームは、住むだけで健康にキレイになることを目指す?IoTやAIが切り開く未来の可能性

スマートスピーカーの登場と共に、自宅をスマートホーム化する未来が着実に迫ってきました。今回は、横浜市と10者の企業が推進するIoTスマートホームⓇ「未来の家プロジェクト」の第2回実証実験の様子をお伝えします。

住むだけで健康に?10者集結でさらにパワーアップした「未来の家プロジェクト」実験

横浜市、株式会社NTTドコモ、and factory株式会社などが推進する、IoT機器やセンサーを実装したIoTスマートホームⓇ「未来の家プロジェクト」。横浜市が立ち上げた「I・TOP横浜」(外部サイト)のプロジェクトのひとつとして2017年6月に発足しました。

未来の家プロジェクト ※外部サイト

「未来の家プロジェクト」は、IoT機器やセンサーなどを実装したIoTスマートホーム®を用いて実証実験を行い、将来的にAIを通じて、居住者にとって快適な室内環境の自動調節と健康管理まで行う「未来の家」の実現を目指すものです。

第1回実証実験の様子はこちらの記事をご覧ください。

未来のマンションって、こんなにスゴいの!? IoTを活用したスマートホームの取り組みを紹介

第2回実証実験でのプロジェクトメンバーの役割(順不同)。

2018年第2回実証実験は、参画企業が合計10者に増えてさらにパワーアップ。快適性の追求に加えて、健康・安心・安全・美容といった面まで網羅されているのが、今回の実験の新しい点です。

横浜市泉区内に設置されたIoTスマートホーム®の外観と内観

IoTスマートホームⓇの外観。約20平米のコンパクトな生活の場が設けられたコンテナハウスとなっています。

今回の第2回実証実験は、2018年6月中旬〜9月下旬の約3カ月実施されます。横浜市泉区に設置されたIoTスマートホームⓇは、約20平米のコンパクトな生活の場。

被験者の方には、ここから仕事に通うなど、ふだん通りの生活で1週間を過ごしていただきます。実験では、前後の被験者の状態変化、意識変化、行動変容について評価・検証します。

内部は、1ルーム+ロフトベッド、バス・トイレ・キッチン付き。一見ごく普通のロフト付きワンルームマンションに見えますが、見えないところでスマートホーム化されています!

では、細部のIoT機器やセンサリングのシステムについて見ていきましょう。これがもし未来のマンションにあったら、どんなことが可能になるか、マンション・ラボ編集部の視点でもチェックしてみました。

居住者の動きを「見える化」できる!——位置検出床(IoT建材)

位置検出床(IoT建材)による動線センシング。居住者が床を踏む圧力を感知すると、スマホやタブレット上で居場所が「見える化」できます。

浴槽以外の室内は、床を踏む圧力を信号に変えて居住者の動きを検出する、位置検出床(IoT建材)による動線センシングが可能となっています。ドアの開閉センシングや人感センシングなどもあり、これら動線センシングによる、高齢者のゆるやかな見守りや不在時の侵入者を検知するセキュリティなど、今後さまざまな活用方法が考えられます。

生活動線にあわせたマンション設計が可能になる?(マンション・ラボの視点)

将来、位置検出床による生活動線情報が集積されれば、生活動線に合わせた機能的で使いやすい間取り設計が、今よりもっと可能になるはず。センシングデータを元に、AIが設計したマンションが企画されたら面白いかもしれません!

住んでいるだけで、健康にキレイになれる?——健康&美容アドバイス

洗面所に立つだけで、スマートミラーが消費カロリー、体重、睡眠時間などを表示。スマートフォンのカメラで食事を撮影すると、その日食べたカロリー計算ができます。

ベッドのマットレスと敷き布団の間に設置されたセンサーにより睡眠時間が計測され、洗面所のスマートミラーに表示されます。被験者は何の操作をすることもなく、寝るだけで自然に計測されるのがスゴイ!

「化粧品吐出マシン」は、スマホアプリと連動してその日の肌状態や気分に合わせて必要なケアを決定し、内蔵のスキンケアカートリッジを自動的に調合してベストなケアを提案してくれます。スキンケアまでおまかせできるスマートホームなのです。

今回の実証実験では、バイタルデータ(体重、血圧、睡眠時間など)のセンシングから、食事や美容のアドバイスまでの機能を搭載。未来のスマートホームは、住んでいるだけで健康にキレイになれそうです。

また、居住者が意識することなくシームレスに健康管理ができるのがスマートホームの利点。つい忘れがちな血圧や睡眠時間の測定も、まるでスマートホームが見えないコンシェルジュとなってサポートしているようです。

人生100年時代には健康寿命を伸ばすことが重要課題(マンション・ラボの視点)

バリアフリー設計なマンションは、シニアの暮らしに最適です。さらにバイタルデータのセンシング機能や、健康&美容アドバイスが搭載されれば、もっと最強になるではないでしょうか? IoTやAIを搭載した「健康寿命を伸ばすマンション」づくりを考えてみるのも面白そうです。

被験者の感想「睡眠時間が可視化できたので、健康面での気付きになった」

部屋のドアロック、エアコン、照明、カーテン、TVなどはすべてスマホから操作できます。「あれ、鍵を閉めたかな?」というときは「おやすみモード」が便利。これはすぐにでもマンションに搭載して欲しい機能ですね。

今回の実証実験には、多様な年代の被験者が参加されています。その中のお一人に感想を伺ってみました。

被験者様(男性)
「ふだんの生活と比較しても、とても快適でした。スマホひとつで明かりを操作できるので、夜はリラックスできる暗さにするなど、気分で使い分けして、十数種類ある照明色を楽しみました。睡眠時間が可視化されたことで、今日はもう少し寝た方がいいなとか、健康面での気付きにもなりましたね。最初は床のセンシングがあることにまったく気付かず、後で知ったのですが、あまりに自然でまったく違和感はありませんでした」

もしマンションがスマートホーム化したら?自己検診型や課題解決型マンションがほしい!

IoTスマートホームⓇでは、センシングしたヘルススコアや部屋の環境情報がスマホのアプリに表示できます。

第2回目の実証実験でさらにパワーアップしたIoTスマートホームⓇの数々の機能を拝見していると、「もしマンション一棟まるごとが、IoTやAIを搭載したスマートホーム化して、マンションのハード面の健康管理までしてくれたら?」という妄想がムクムクと湧いてきました。

居住者や部屋まわりの環境をセンシングできるように、もしマンションの構造や建築物全体の劣化や故障まで検知できるようになったら、大規模修繕の概念も変わってきそうですよね。
たとえば、ヒビやサビまでをセンシングして管理組合へ知らせ、建物へのダメージが大きくなる前にこまめな修繕を行うなど、建物の寿命を延ばすために活用できないでしょうか。

また、IoTスマートホームⓇのユーザー体験設計・UI設計・アプリ開発を担当しているand factory株式会社は、共同生活の課題解決を図る「IoT学生寮プロジェクト」にも取り組んでいます。

「IoT学生寮プロジェクト」の内容はこちらから。

IoTで共同生活のトラブルが予防できるってホント!? 未来のマンションにも役立つ実験についてきいてみた!

ハード面だけでなく、騒音問題、共用部分の使い方、居住者同士のコミュニケーションといったソフト面にもIoTを活用しようというこの取り組みは、マンションという集合住宅の場にも活用できるのではないでしょうか?

未来の家プロジェクトの実証実験は、収集した住環境データの分析・評価が行われ、公表を目指していくと発表されています。今後の分析結果の発表を楽しみに待ちたいですね。


IoTやAIが切り開く未来は、住民の高齢化問題の解決、健康管理、時短など、多岐にわたります。そう遠くない未来、私たちのマンションライフも劇的に変わっていきそうな予感がする「未来の家プロジェクト」でした。

and factory株式会社 ※外部サイト

Smartphone Idea Companyとして、スマートフォンが持つ事業可能性に対して取り組む。最先端のIoT空間を楽しめる体験型宿泊施設スマートホステル「&AND HOSTEL」を全国で展開。「未来の家プロジェクト」、「IoT学生寮プロジェクト」など、未来を見据えた協業プロジェクトを推進中。オフィスには、国内外30以上のIoTデバイスを常時展示した、近未来のIoT空間を体験できる「スマートショールーム」を開設している。

2018/10/05

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