災害が起こったら避難開始の判断を!まず誰に連絡をとるのか決めていますか?

2018年夏の西日本豪雨(平成30年7月豪雨)からの気付きをお伝えしています。
今回は、災害が起こる前の避難開始の判断や、避難時に誰と連絡をとるのか?です。

西日本豪雨では、家族に連絡をとっていた人が多かった

岡山県倉敷市真備町では、倉敷市の洪水・土砂災害ハザードマップで予測されていたエリアと実際に水没したエリアはほぼ重なっていました。

岡山県倉敷市ハザードマップ(外部リンク)

河川の氾濫が迫っているときにいつ避難するかどうかの判断は、その後の被害を大きく変えます。被害に遭われた方々のお話を伺っていると、自分が置かれた状況についてどれほど離れていてもまず家族や友人などの親しい人に、電話・SNS・メールで連絡をとっています。 しかも、怖いから助けに来てという緊急情報を伝えている方が少なくないことから、命の危険を感じているときに最も頼りにするのは家族や親しい友人であるということがわかりました。
しかし、家族が職場や遠く離れたところにいる場合、助けに来るにも時間がかかります。 渋滞や大雨による道路の冠水などで迂回する必要もありさらに時間がかかる状況で、川が破堤した場合には瞬く間に水位が上がることから、時間的に間に合わないだけでなく助けに来た家族も危険にさらされることになります。 

実際、家族とメールで交わした言葉が最後になったという方もいらっしゃいました。
車で1時間以上もかかる、遠く離れた家族に迎えに来てもらうのを待つのではなく、すぐさま近隣の人に助けを求めていたら、救われた命もあったかもしれません。

助けを求める優先順位は、1に隣の家、2に近くを歩いている人

家族全員が持っている「国崎家の防災マニュアル」。

我が家では、「国崎家の防災マニュアル」を作成して、家族全員が肌身離さず持っているようにしています。

「国崎家の防災マニュアル」には、家族の誰かが家具や家の下敷きになったら助けを求めに行く順番を以下のように決めてあります。

1.隣の家
2.近くを歩いている人
3.消防団
4.小学校にいる人
5.119番
6.110番

119番や110番は、大規模災害時にはつながらない可能性や到着までに時間がかかることを予測して優先順位は低いです。
身近にいて駆け付けられる人から順番に書いておけば、子どもたちでもその通りに行動できます。これは、避難時や浸水で助けを求める際でも同じです。

「国崎家の防災マニュアル」の詳しい記載項目は、以下記事でもご紹介していますので参考になさってください。

万が一の時に役立つ「サバイバル・カード」と「貴重品リスト」

もしマンションならば? お隣の部屋の人と協力し合う

もしマンションであれば、大勢の住民が助け合って、避難行動や救助活動をとれます。
しかしどれほどの人が、同じフロアのお隣さんや管理組合の役員の連絡先を知っているのでしょうか? いざというとき誰に助けを求めるか、を意識して連絡先を確認しておくことや、家族に介助の必要な方がいるときは積極的に「要支援者リスト」の作成・運営に関わりましょう。

「遠くの親戚より近くの他人/遠親は近隣に如かず/遠水近火を救わず/手遠い者はまさかの用に立たぬ/遠き親子より近き隣/遠くの親類より近くの他人」など多くのことわざがあるように、家族であっても離れていれば力になれず、近くにいる他人の方が頼りになります。
マンションの集住のメリットを生かし、助けになってくれるマンション居住者とのつながりを大切にしましょう。

2018/10/05

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


株式会社危機管理教育研究所

一般社団法人危機管理教育研究所


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