マンション防災の基本:水害への備え

西日本豪雨(平成30年7月豪雨)の被害はいまだ爪痕深く、水害の恐ろしさを感じた方々も多いことでしょう。
これからの季節は、雷雨やゲリラ豪雨、台風の懸念もあります。マンションだから、水害や豪雨に強いと過信することなく、マンションの水害への備えをもう一度見直してみませんか?

想定外の被害の可能性を考える

6月から7月に起こった西日本豪雨の被災地へ何度も足を運んでいますが、土砂災害や水害は復旧までの道のりも容易ではありません。

中には「マンションだから水害は大丈夫」という誤った思い込みをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、本当に大丈夫でしょうか?

これまでの自然災害の被害は「想定外」のことが多く、常に想定以上の被害の可能性を考えておく必要があると痛感しています。

たとえば、皆さんのマンションでは、水害への備えはできているでしょうか?

豪雨や雷雨に備えて、排水管の掃除やベランダに飛ぶ物を置かないといった基本から、もし飛来物でマンションの窓が割れたりした場合まで、「うちのマンションは大丈夫」という思い込みを外して、「もしうちのマンションに水害が起こったらどうなるか?」という視点で、マンション全体の防災を住民同士や理事会で話し合ってみるのもよいでしょう。

台風・ゲリラ豪雨や浸水、マンションの水害への備えはできていますか?

ハザードマップは確認していますか?

迫る土砂災害の危険、ハザードマップと防災センター活用で土地の危険度チェック

ハザードマップは、地震への備えだけではありません。さまざまな災害リスクを確認できます。
お住まいの地域のハザードマップを確認してみてください。

国土交通省では、想定最大規模降雨による洪水、土砂災害、津波などの災害リスク情報を重ねて閲覧できる「重ねるハザードマップ」の情報を、以下のポータルサイトで公開しています。

国土交通省ハザードマップポータルサイト ※外部サイト

豪雨や台風に備えて、身近な河川がどれくらい浸水するか、スマートフォンでも簡単に確認できますので、この記事を読んだらすぐにでも、お住まいの地域のハザードマップを確認していただければと思います。

浸水や土砂災害の場合、感電や発火、衛生面で注意を

水害の場合、水が引いても、後片付けには注意が必要です。

水没した車や機械式駐車場は、感電や発火の恐れもあります。すぐに動かそうとせずに、専門業者に対応を任せましょう。

室内が浸水した場合には、漏電の可能性もあります。ブレーカーなどに触れないように、マンション住民全体で注意喚起しあいましょう。

汚泥には、ガソリン、トイレの汚水、農業水などを含んでいて、作業中にケガをすると感染症にかかる可能性もあります。マスク、手袋、肌が露出しない服装で、後片付けを行わないといけません。

災害時には、感染症だけでなく、炊き出しや救援物資による食中毒の防止にも気を付ける必要があります。今回の西日本豪雨のように、真夏に起こった災害には、特に衛生管理が重要です。

災害時だからこそ気をつけたい!食中毒対策

東日本大震災以降、地震対策の防災マニュアルをお持ちのマンションは増えつつありますが、豪雨・浸水災害に備えた防災マニュアルはお持ちでしょうか?

水害の多い地域にあるマンションだけでなく、ぜひ皆さんのマンション理事会でも、水害への備えについて話してあってみてください。

2018/08/03

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


株式会社危機管理教育研究所

一般社団法人危機管理教育研究所


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