マンションのペットと防災2 ペットと一緒のマンション内避難生活を考える

以前の記事でご紹介した、2018年4月に環境省が策定した「人とペットの災害対策ガイドライン」を受けて、マンションでペットと暮らす飼い主さんが、いますぐできる防災行動を考えましょう。

避難所にペットと同行避難できない可能性を考える

もし首都圏で大地震が起こったら、とてつもない被災者で避難所は溢れると言われています。熊本地震でも、避難所には人が溢れていました。福祉避難所に高齢者とお子さんを預けて、ご自分たちは車中泊をされていた親御さんもいらっしゃいました。

また、ペットと同行避難してきても一緒に避難所に入れないため、ペットと車中泊をしている飼い主さんも多くいらっしゃいました。

熊本・大分地震に学ぶ!ペットと防災、意識の広がり

万一のときには、人間でさえ避難所に入れないのに、ペットのことまで気にかけてもらえる余裕はないでしょう。飼い主として、ペットのためにできることを考えておきましょう。

もしものときに備えてペットフードの備蓄、ペットの預け先を決めておく

ペットの防災は自助です。まず、ご自分のマンションの部屋の防災対策は万全ですか?
家具の固定や、地震の際に危険なガラス製品が凶器とならないためにも、ご自宅の安全対策を行うのは基本です。

ペットフード、ペットの飲料水、トイレシートや猫砂などのペット用品の備蓄は、7〜10日分あるでしょうか?

熊本の被災地で、ペットは赤ちゃんと同じだと思いました。赤ちゃんは、月齢毎に離乳食の嗜好性が変わります。ほ乳瓶の乳首の形状や素材が違うだけで、ミルクを飲まないこともあります。ペットも、自宅ではドライフードではなくウェットの缶詰しか食べていないと、救援物資のペットフードを食べないという話もありました。
家族同様に、ペットの嗜好は飼い主さんしかわかりませんから、日常食しているものを備蓄しておくことが大切です。

迷子防止対策、災害時のペットの預け先を決めておく

ペットにも、ふだんから人に慣れるように訓練し、驚いて逃げ出した場合に備えて、マイクロチップの登録や首輪、鑑札を付けておきます。

迷子になったらという前提で、ふだんから顔と全身の写真を撮影して、特徴や種別などの特定できる情報を作っておくのもオススメです。

半壊・全壊となると、ペットとのマンション内被災生活もできません。
友人・知人・実家・親戚など、ペットを一時預かりしてくれる預け先の確保も考えておきましょう。

ペットと一緒にマンション内被災生活を考える

管理組合としても、万一の際にエントランスホールなどの共用部分に、ペットと同行避難してきた方をどのように扱うか、事前に決めておきたいものです。

マンション内でペットを飼っている世帯の数・ペット数・ペットの種類などの情報の把握はできていますか?

マンションの避難者名簿に、ペットの情報の項目欄も追加しておくとよいでしょう。マンションでも、災害時要支援者や負傷者への対応と同じような取り扱いが必要となってくるはずです。

ペット委員会のある管理組合であれば、ふだんから飼い主さん同士で交流できるイベントを企画して、防災についても話し合っておくとよいでしょう。
その交流の中で、落ち着かせる、吠えさせない、噛まない、ゲージに慣れさせるなど、自分のペットに必要なしつけもわかってくるかもしれません。

「ペットは家族」と言います。
そのペットを守るための防災行動が、ご自身の防災力を高める結果にもつながります。
大切なペットを守るためにできることを、今日から考えてみませんか?

2018/07/27

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


株式会社危機管理教育研究所

一般社団法人危機管理教育研究所


↑ page top