イニシア千住曙町に聞く!マンション合意形成を成功させるための4つのポイント!

イニシア千住曙町での臨時総会決議の様子。(画像提供 イニシア千住曙町)

イニシア千住曙町での臨時総会決議の様子。(画像提供 イニシア千住曙町)

イニシア千住曙町にお話を伺うシリーズ最終回の第三回目は、「マンションの合意形成」です。皆さんのマンションでは、合意形成のためにどんなことをやっていらっしゃいますか?

イニシア千住曙町が心掛けている4つのポイントをご紹介します。

①合意形成のためには、丁寧な情報共有が必須

夏祭りスタッフの集合の様子。皆で力を合わせる場は、結束力を高めます。(写真提供 イニシア千住曙町)

イニシア千住曙町では、第4期に修繕積立金を2倍に値上げしました。通常、2倍に値上げすると言われたら反発する人も多いものです。ただ、長い目で見て納得できる正当な理由があれば、理解もしていただけるはず。

この決議を通すために、管理組合法人では事前に丁寧な情報共有を行いました。

総会までに十分な期間を設けて、住民向け説明会の実施、館内サイネージでの情報掲示のほか、広報ご担当者は異なる6種類のビラを作成して、段階的にビラのポスティングを6回実施するなど、丁寧な情報共有を積み重ねられました。

結果、515戸中90%の住民が賛成して議決。こうした地道な努力が、管理組合法人への信頼にもつながっているのでしょう。

②人材確保と理事への報酬制度

広報ご担当が制作した「理事欠員募集」のポスター。「通常2年の任期が1年半」と、お得感を打ち出しているのもユニークです。(写真提供 イニシア千住曙町)

住民の合意形成を行う上で、やる気のある理事を確保することは重要です。イニシア千住曙町の理事会の出席率は、なんと9割。仕事の都合などでどうしても出席が難しいという理事には、辞めていただき、欠員募集をすることもあります。理事の皆さんは、「理事会は出席するもの」という場の雰囲気づくりも大切だと言います。

イニシア千住曙町は、第4期から管理組合を法人化させました。通常は隣地を購入するといった不動産を購入するために、必要に迫られて管理組合を法人化する事例が多いのですが、イニシア千住曙町の場合の法人化は、理事長だけに一局集中化しがちな責任と権限を、副理事はじめ他の理事皆でシェアして分散化する仕組みを構築するためのものでした。企業でいう、代表取締役や専務取締役的な役割と責任を、全理事が担っている訳です。

また、管理組合法人では、理事の活躍に応じた報酬制度も用意しています。
「休日、理事会に参加したあとに打ち上げをしても家族に怒られない程度の報酬です(笑)」と理事のお一人は言いますが、小さな金額だとしても、やはり働きに応じた報酬という評価があると、頑張り甲斐がでそうです。

人材確保の面では、さすがに大規模マンションだけあり、企業の社長、デザイナー、テレビ局の美術担当、プロ並みのカメラ機材を持った住民など、多種多様な専門技能を持った住民が、イベントのポスターデザインや動画づくりなどで大活躍しています。住民の中から適材適所の才能をスカウトしているのは、現在の理事長。イベントの場でFace to faceで声をかけてスカウトしているそうです。マンション内の人材と出会う場づくりという意味でも、イベントという交流の場は大切ですね。

③マンション住民のニーズを知る

夏休みの「イニシア千住曙町ラジオ体操」の様子。(写真提供 イニシア千住曙町)

イニシア千住曙町に聞く!マンションの資産価値向上には、建物の管理とコミュニティ形成が必要!」でもありましたが、マンションの人口ピラミッドを掌握し、住民ニーズを知ることも合意形成に役立ちます。

アンケート実施で4割が子どものいない世帯だと判明したため、子ども向けイベントの他に、大人向けイベント企画「ワインとチーズの会」を実施し、新たな住民交流の場づくりに成功しました。新築マンションも、10年、20年経つと住民の年代や家族の形態も変わってきます。住民ニーズの変化に応じた管理組合の取り組みが望まれます。

④伝えたいことをポジティブに変換する

ポジティブなコピーが光る「防犯夜廻り」のポスター。(写真提供 イニシア千住曙町)

イニシア千住曙町の広報ご担当が、住民向けポスターやチラシ制作で特に注意しているのが、伝えたいことをポジティブに言い換えることです。

たとえば月に1回の防犯夜廻りへの参加を促すポスターでは、「防犯は重要だから一人でも多く参加してください」と上から目線で呼びかけても、人の心は動きません。そこで住民の視点に立って、ストレートな言い方を避け、「隅田川の夜風にあたって、スカイツリーを眺めながらの夜廻りは気持ちいいですよ」とポジティブに呼びかけます。

確かにそんな風に呼びかけられたら、なんだか楽しそうと興味が湧きますよね。伝えたいことの表現にこだわれば、ぐんと相手との距離が縮まる気がします。

イニシア千住曙町の広報ご担当者が行っているポジティブに言い換える手法は、以前コピーライターの佐々木圭一さんに取材して教わったメソッドと共通しています。やはり人の心を動かすためには、「ノーをイエスに変える」心のこもった伝え方が重要なのですね。

マンション管理組合の理事必見!佐々木圭一さんのベストセラー『伝え方が9割』の技術

マンションの合意形成というと理事会や総会の場だけだと考えがちですが、実はふだんからの丁寧な情報共有、イベントの場づくり、コミュニティづくり、住民の心に届く手法、マンションライフのすべてが、合意形成の大切な要素。

一長一短にたやすく合意形成ができるという魔法がある訳ではなく、住民同士で交流する日々の積み重ねが大切なのだなと感じました。

3回シリーズでお届けしてきたイニシア千住曙町の「ホームページ&SNS運用」「資産価値向上」「合意形成」のすべてが密接に関係しあって、イニシア千住曙町の現在があるのでしょう。これからのイニシア千住曙町が楽しみです。皆さんもぜひ参考になさってください。

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イニシア千住曙町

東京都足立区の隅田川リバーサイドにある、2009年竣工、総戸数515戸、地下1階・地上24階建ての大規模マンション。管理組合法人による、活発なコミュニティ形成と活動が有名。2009年度グッドデザイン賞受賞。日本分譲マンション診断機構による防災対応マンション第1号認定。
公式ホームページ(外部リンク)
公式Facebookページ イニシア千住曙町管理組合法人(外部リンク)
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2018/02/26

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