マンションの防災イベントのコツは「楽しく学べる」こと。 マンション内の体験型イベント「防災クッキング」をレポート

今回は神奈川県にあるマンション『ミソラシア横浜桜ヶ丘』にて開催された「防災」と「食」を絡めた体験型イベントの様子をレポートいたします。

防災訓練や防災セミナーなど、マンション内での防災イベント開催は、居住者の防災意識向上にはもちろんのこと、コミュニティ形成という点においても有効な手段のひとつ。内容を子供向けにしたり、体験型にしたりするなど、イベントそのものに「楽しさ」をプラスすることで、より多くの方に「防災」を考えるきっかけを広めることにもつながります。
ぜひ、参考になさってください。

「防災クッキング」とは

災害が起きた時、物資の支給がすぐに始まるわけではありせん。まず食べられるのは自宅にある「いつもの食材」。ただし、ライフラインが停止してしまうと「いつもどおりの調理」ができなくなってしまいます。今回は防災クッキングアドバイザーの鈴木佳代子さんを講師にお招きし、いつもの食材のいざという時の使い方を学ぶ「防災クッキング」をレクチャーいただきました。

講師 鈴木 佳世子
(一般社団法人危機管理研究所 防災クッキングアドバイザー)
1995 年に起きた阪神淡路大震災の被災経験から、災害時における食の大切さを知る。家庭に常備されている食材を使い、最小限の火や水を使った料理のレシピを広める活動を行っている。また、料理研究家・野菜ソムリエとしても活躍中。

「実体験」と「経験談」で心をつかむ

同イベントを実施したのはマンション内のラウンジスペース。エントランスへの動線上に位置し、たくさんの居住者が通りかかる場所です。入口もオープンで参加しやすい雰囲気。子どもたちの姿も多くみられる中、クッキング講座がはじまりました。

参加者による「だし巻きたまご」作り体験

開始早々さっそくクッキング体験。参加者全員にポリ袋が1枚ずつ配られ、油性マジックで各自名前を書きます。その中に生卵をわり入れ、調味料を入れてモミモミ。空気を抜いて袋をしばります。作業はこれで完了、人数分の卵はポリ袋ごと湯煎にかけられます。作業はとても簡単なので、子どもたちも楽しく安全に参加できていたようです。

配られたポリ袋に、油性マジックで使って名前とお部屋番号を。湯煎で消えてしまわないよう大きくはっきり書きます。

名前を書いたポリ袋に、卵、調味料を全て入れてモミモミ。生卵を袋ごしに握る感触に、子どもたちはとても楽しそう。

講師による「サバ缶カレーライス」デモンストレーション

続いて今度は講師による「サバ缶とトマトのカレーライス」作りの実演です。炊飯とカレーを、こちらもポリ袋を活用して調理し、キッチン用具等はなるべく使いません。災害時、水道が使えない場面を想定すると、洗い物をなるべく出さない工夫が肝心になるから、ということでした。

ポリ袋は調理に使えるほか、そのまま直接食べることもでき、食器としての役割も果たすそう。

どのメニューも基本は食材をポリ袋に入れて湯煎にかけるだけ。熱源さえ確保できれば、いざという時に温かい食事ができます。

料理完成までの間、リアルな被災体験に耳を傾けて

講師の鈴木先生は、実際に阪神淡路大震災を被災され、また、熊本地震をはじめとした被災地で数多くの支援活動をされてきました。現場での実体験に基づいたエピソードはどれも説得力があり、今すぐすべきことはどんなことか、そして、いざという場面で本当に必要な備えはどういうものなのか、ひとつひとつのアドバイスが心に響きました。

小さなお子様を連れたご家族の参加も多数。家族構成によって変わる備えのカタチについてのお話もありました。

そんなお話を聞いている間に部屋の中は良い香りが漂い始め、本日のメニューが完成。いよいよ全員で試食です。「サバカレーおいしい!」「ご飯がちゃんと炊けていてびっくり!」

自分たちで作っただし巻き卵の優しい味とサバカレーの相性も◎。栄養バランスもばっちりです。

参加者の声

【H様親子(ご両親と子供2人の4人家族)】
地震対策は家庭内でも取り組んでいます。家具の固定や水・食料などの備蓄は進めていますが、もし水道が止まってしまったら、炊事などはどうすればいいのかなど知りたくて、今回は参加しました。ビニール袋を活用した調理法がある事は知っていましたが、実際どのようなポリ袋を買えばよいのか、湯煎にかける際に注意すべきことなど、具体的なところまで学ぶことができ、大変参考になりました。

【Wさん、Yさん、Yさん(ともに小学3年生)】
ビニール袋に入れるだけでお料理ができ、ごはんもちゃんと炊けることにびっくりしました。これなら普段、自分たちでもできそうです。おうちで試してみたいです。地震の時にこわいと思うのはテレビです。とても大きいので倒れてこないか心配。今日家に帰ったら、テレビが固定できないかを、家族に相談してみようと思います。

主催者の声

ミソラシア横浜桜ヶ丘 自治会副会長 根岸様のコメント

「さらに多くの方にご参加いただくために」
竣工から3年と少し、築浅マンションではありますが、地域防災訓練などの参加率などを考えても、住民の防災意識は比較的高い方だと思います。ただ、参加いただく方が徐々に固定化されつつあること、また、各家庭内での防災の取り組みについてはまだまだ認知が足りないという思いから、今回新たな企画を実施しました。

内容としては、参加者自らが手を動かし体験するという形式は「楽しい」企画ですし、また、講師の方の実体験に基づくトークも印象深く、説得力をもって対策の重要性を知っていただけたのではないかと思います。参加人数については少し期待値を下回る結果となってしまったので、次回企画の際には、告知手段など工夫を重ね、より多くの方に防災対策を知ってもらえるように努めたいと思います。

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2018/01/25

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