熊本・大分地震に学ぶ!マンションに閉じ込められた人からのSOS

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熊本・大分地震の際に、熊本市内のマンションで部屋に閉じ込められていた住民が、自分で消防署に救助依頼!管理組合は安否確認を行っていたのに気付くことができませんでした。

安否確認後、マンションに閉じ込められてしまった住民からの救助要請が!

熊本市内のマンション被害について、こんな話を伺いました。
地震後に管理組合で居住者の安否確認を行ったのに、実は一戸だけ閉じ込められていた方が気づいてもらえず、ご自分の携帯から消防署へ連絡して救助を求めたそうです。

最近のマンションは、戸境壁も厚く、防音対策がしっかり行われているので、室内のどこか一室に閉じ込められていたら、救助の声を出していても外からは聞こえないかもしれません。

この方の場合は、閉じ込められた室内で携帯を持っていたからよかったものの、携帯のない部屋での閉じ込めだったらどうなっていたことでしょうか。無事に救助されてよかったです。

管理組合が安否確認をする場合の行動ルール

この事件は、管理組合による安否確認作業の問題点を提議しています。

管理組合の方々は、たぶん手分けして各戸の安否確認を行われたはずです。とはいえ、部屋をノックして回って声がけしても、部屋の一室に閉じ込められていた場合には玄関まで声は届きません。

安否確認がとれなかった住戸があったら、どう行動するのか?
その次の行動ルールを定めている管理組合はどのくらいいらっしゃるでしょうか?

<居住者の住戸に行っても、安否確認がとれない場合の次の行動>

・安否確認リストに、携帯番号、親戚などの緊急連絡先があればかけて確認する。
・玄関に、安否確認の避難完了ステッカーを貼ることを徹底する。
・万一の際にはバールで玄関を開けてもいいのか、居住者への事前確認と了承をとっておく。

今回は、ほとんどの居住者が在宅している夜に起こった地震でしたが、日中に起こった地震だったらどうでしょう? 共働き家庭も多く、子どもや高齢者が一人で留守番している可能性も多くあります。安否確認リストは、居住者の家族構成を知ることはできても、個々人の日中の居場所などについては、なかなかわかりかねます。

いかに日頃からご近所の方とコミュニケーションがとれているかが、閉じ込めに気付くかどうかの分かれ目になりそうです。

まずは、管理組合で、安否確認リストを用意しているか?
用意している場合は、確認が取れない住戸については、どのような対処を行うか?
について話し合ってみましょう。

災害時に使う名簿についての記事も参考にしてください。
マンションの「災害時支援名簿」は、個人情報に該当する?しない?

管理組合で、東京大学の目黒公郎教授が考案した「目黒巻」を実施してみるのもおすすめです。災害が発生したあとの自分の行動を時間軸毎にイメージするツールです。
「目黒巻」による、マンション内での災害時行動イメージトレーニングを!

2016/08/30

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


株式会社危機管理教育研究所

一般社団法人危機管理教育研究所


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