モンベルに聞く!アウトドアの知識をマンション防災に活かすためのヒント

アストロドーム画像

熊本地震で、避難所支援としてテントが寄贈されたニュースを見た人も多いと思います。テントだけでなく、アウトドアの知識や体験は、実は災害時にとても役立ちます。そこで、総合アウトドアブランドのモンベルさんに、アウトドアの知識をマンション防災に活かすためのアドバイスについて伺ってきました。

アウトドアの魅力は、自然の中で人間の五感が研ぎ澄まされていくこと

今回お話を伺った、株式会社モンベル広報部の課長代理 金森 智さん(写真向かって左)と広報部 主任 黒瀬美保さん(写真右)。もちろん、お二人ともアウトドアが趣味。社員の皆さんは、イベントのインストラクターやガイドができるスキルをお持ちです。

今回お話を伺った、株式会社モンベル広報部の課長代理 金森 智さん(写真向かって左)と広報部 主任 黒瀬美保さん(写真右)。もちろん、お二人ともアウトドアが趣味。社員の皆さんは、イベントのインストラクターやガイドができるスキルをお持ちです。

—モンベルの社員の皆さんは、やはりアウトドアがご趣味でしょうか?

金森さん「そうですね。皆、休みごとに出かけるくらい大好きですね。僕は山ですが、黒瀬はカヌーやキャンプをやっていますからさらに凄いですよ。アウトドア用具を置くために、1階・庭付きのマンションを選びましたからね(笑)」

黒瀬さん「家族でカヌーやキャンプをやるものですから、1階・庭付きじゃなければマンション自体、購入しなかったですね。庭にカヌー専用ラックを置いています」

金森さん「僕は庭付きではないですが、駐車場に近い1階に住んでいます。荷物の運び出しが多いので、エレベーターを頻繁に使うと他の方に迷惑がかかるし、車に近い方がラクですから」

—それは凄いです。アウトドアが趣味の人は、マンション選びの基準からして違うのですね。皆さんアウトドアがふだんの暮らしの中にも溶け込んでいるようですが、その魅力は、どこにあるのでしょうか?

金森さん「自然の美しさに触れることですね。スマホを見ないで、空や緑、水を眺める楽しさは格別です。それに、山や海へ行くと、雨・風・炎天下など、予想外の天候に遭うことも多い。雲の流れを読んで天候の変化を知る。その場の高低差や風向き、日当たりを読んで、安全な場所を確保する。水の流れを読んで、カヌーを漕ぐ。自然の中で五感をフルに活用することも魅力のひとつです」

都会の日常では、雲を眺めることすらあまりないもの。アウトドアの魅力は、自然の中で人間の五感が研ぎ澄まされていくことなのかもしれません。

都会の日常では、雲を眺めることすらあまりないもの。アウトドアの魅力は、自然の中で人間の五感が研ぎ澄まされていくことなのかもしれません。

ふだんからアウトドアの知識を使っていれば、災害時にも「使える」ものになる!

モンベルの特設サイト「暮らしの中の防災 ~アウトドアの知識をいかす~」では、毎日の暮らしやアウトドアでの遊びを通して、ふだんから防災に役立つ経験や知識を積み重ねるアドバイスを行っています。

—アウトドアの知識を、マンション防災にも役立てるためには具体的にどうしたらいいのでしょうか? たとえば、マンションの管理組合としてテントや寝袋を備えておくのはどうでしょう?

金森さん「テントや寝袋を買ったら終わりではなく、アウトドアの知識を防災に役立てようと考えるならば、まずふだんから使うことをおすすめします。キャンプでも登山でも、必要となるのは、臨機応変な応用力です。雨、風、炎天下、さまざまな状況下で、限られた装備だけでどうやってやり繰りするか。その方法を知っていると、次にどんな行動をすればいいかという判断もできますし、余裕も生まれます」

—知ることで、余裕が生まれる、判断ができる、というのは防災訓練と同じですね。実際に何もない状況に身を置いて数日間生活するキャンプは、より災害時の体験に近いものになりそうです。

金森さん「冬山登山だと、テントから出られないことがあります。水を大切に使わないといけないので、食器の汚れもペーパーで拭き取って水を節約しますし、携帯トイレを使っても、排泄物を山に残しません。臭いを完全に閉じ込められる防臭袋に入れて持ち帰ります。アウトドアでは、いかにコンパクトな装備で必要最小限なことができるかが基本です。これは災害時の避難所でも同じことでしょうね」

—「初めて遭遇する不安な場面では、『経験済みのこと』がひとつでもふたつでもあると、大きな助けになります」と、モンベルの防災特設サイトでもアドバイスされていますが、まさにその通りだと思います。
マンションで携帯トイレを備蓄している人は多いですが、アウトドアでふだんから携帯トイレを使い慣れていると、いざというときにも躊躇なく使えそうな気がします。アウトドア用品には、首からぶら下げるロールペーパーや気密性の高いガベージバッグなど、使うために配慮された物が多くありますので、このまますぐマンション防災に取り入れられそうです。

(写真左)「O.D.トイレキット セット」軽量コンパクトな携帯トイレ。防臭袋付きです。
(写真中央)「O.D.ロールペーパーキット」ロールペーパーを首からぶら下げて持ち歩けるキット。
(写真右)「O.D.ガベッジバッグ4L」使用済みの携帯トイレや生ゴミを持ち帰るためのバッグ。

金森さん「キャンプが無理でも、一日トレッキングやハイキングもおすすめです。一日外を歩くだけでも、朝から夕方までの気温の変化、雨や雲の天気の変化を肌で感じ、随分いろいろなことに気づきます」

【アウトドア×マンション防災のポイント】臨機応変な応用力を身に付ける

金森さんは、たとえばキャンプ場で、火も電気もない状態で過ごす体験をするだけでも、応用力がつくと言います。限られた少ない水でいかに過ごせるか、いかに物を代用して使うか、そうしたスキルを身に付けることで、災害時に役立つ応用力となるにちがいありません。

3.11の帰宅困難時には、ヘッドランプが役立った

アウトドアの知識が防災に役立ったということでいえば、黒瀬さんは2011年の東日本大震災の際に、当時勤務していた恵比寿の事務所からご自宅まで約4時間かけて歩いて帰られたそうです。そのときは、どんな装備だったのでしょうか?

黒瀬さん「会社を出る前に、ヘッドランプと電池、水、防寒着、食べ物を準備しました。ヘッドランプもふだんから使っているものなので、電池がどのくらいの時間持つかということもわかっていましたし、交換用の電池も用意しました。だから割と冷静に帰宅することができました」

モンベル「コンパクト ヘッドランプ」(https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1124587) LEDヘッドランプは、首からぶら下げても視線の先を照らせます。帰宅困難時の備えにも、自宅での防災備蓄にも、ヘッドライトの方が懐中電灯よりかなり使えそうですね。この商品は、単3電池1本で最大60時間(※LOWモード時)まで使用できます。

モンベル「コンパクト ヘッドランプ」
LEDヘッドランプは、首からぶら下げても視線の先を照らせます。帰宅困難時の備えにも、自宅での防災備蓄にも、ヘッドライトの方が懐中電灯よりかなり使えそうですね。この商品は、単3電池1本で最大60時間(※LOWモード時)まで使用できます。

モンベル「エマージェンシー ポータブルセット」(https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1124300) 水筒として使用できるクリアボトルに、エマージェンシーシートや救急セットなど、緊急避難時の最低限のセットが入っています。自宅にも勤務先にも、備えておきたいセットです。

モンベル「エマージェンシー ポータブルセット」
水筒として使用できるクリアボトルに、エマージェンシーシートや救急セットなど、緊急避難時の最低限のセットが入っています。自宅にも勤務先にも、備えておきたいセットです。

お二人が口を揃えておっしゃるのが、電池でも何でも、使い終わったらすぐ補充する習慣を身につけること。ふだんから使う、使い終わったら補充する、これは、食べながら少し多めに備蓄するローリングストック方式の防災備蓄と同じですね。

アウトドアの側面から防災支援「アウトドア義援隊」の活動

モンベルは、アウトドアの側面から防災支援活動を行う専門家集団として「アウトドア義援隊」を組織。熊本地震では、無料でテント・寝袋の貸し出し・設営を行うなどの被災地支援も行いました。

モンベル南阿蘇店を拠点に活動中の「アウトドア義援隊」の様子。店舗前にテントを設営しました。

モンベル南阿蘇店を拠点に活動中の「アウトドア義援隊」の様子。店舗前にテントを設営しました。

震度7の揺れを2度も引き起こした熊本地震では、度重なる余震に「天井のある室内で寝るのが怖い」と、車中泊や公園で眠っていた避難者が多くいらっしゃいました。倒壊しなかった室内や避難所でも落ちついて眠ることができず、長期間野外生活を過ごすことになった被災者には、テントや寝袋の支援がとても助かったようです。

金森さん「大阪が本社ですので、阪神・淡路大震災の時には、六甲店を拠点にして、被災した方々のためにテントや寝袋を無料配付するなどの支援活動を行っていました。熊本地震でも、南阿蘇店を中心に、被災者の方々に無料でテントや寝袋を提供しました。もちろんテントの設営ができない方もいらっしゃるので、我々スタッフが設営のお手伝いをしました」

アウトドア用のテントや寝袋が、こんなにも被災地支援に活用されていたとは驚きです。知らなかった人も多いのではないでしょうか。

(画像左)「エマージェンシーセット グループ5」二次避難時(ライフライン復旧までの避難生活用)に、屋外での生活を強いられる場面で活躍するテントやガス式調理器具などが入ったセット。(画像右)「ブラインド シェルター」避難所生活などにおいて、プライバシーを確保するための屋内用・緊急シェルター。簡単に設営でき、大人4人が余裕を持って体を休めることができる大空間です。

(写真左)「エマージェンシーセット グループ5」二次避難時(ライフライン復旧までの避難生活用)に、屋外での生活を強いられる場面で活躍するテントやガス式調理器具などが入ったセット。
(写真右)「ブラインド シェルター」避難所生活などにおいて、プライバシーを確保するための屋内用・緊急シェルター。簡単に設営でき、大人4人が余裕を持って体を休めることができる大空間です。

【アウトドア×マンション防災のポイント】マンションでプチ防災キャンプ体験!

災害時の水・火・電気がない生活がどんなものなのか、実際に体験してみないとわからないものです。マンションの共用部分に広い芝生があれば、管理組合や自治会などが主催して、テントや寝袋を使った親子プチキャンプを開催してみるのもいいかもしれません。広い共用部分がなければ、レンタルグッズなどが充実したキャンプ場でのイベントに、みんなで参加してみてもいいですね。

アウトドアも、防災も、「考えて行動することが一番の備え」

金森さん「アウトドアの知識を防災に役立てるということでいえば、“考える”ことが一番の備えになるのではないでしょうか? アウトドアでは、どんなことが起こりうるか、常に考えて行動します。防災でも、地震が起きたら最初にどんなことが起こるのか? それを想定した準備さえしていれば、あとは、自分で考える力や対応力で乗り切れると思います。
大切なのは、防災のためにアウトドアがあるのではない、とわかっていること。楽しいからアウトドアで遊び、それが引いては防災に役立つ、というのが理想的ですね。楽しくないと続きませんから」

確かに、防災にためにアウトドアのグッズや技術を役立てようというのでは、本末転倒で長続きしません。防災訓練も楽しくなければ参加する人が少ないように、アウトドアを楽しみながら、防災力にも応用していこうという視点が、いま必要なことなのでしょう。

いままでアウトドアの趣味がなかった方は、モンベルが主催している「モンベル・アウトドア・チャレンジ」アウトドアツアーやイベントに参加してみてはどうでしょう。専門家に教わりながら、体験してみるのが一番役立ちそうです。

モンベル・アウトドア・チャレンジ

マンション・ラボ編集部でも、今後「アウトドア×マンション防災」をテーマに、アウトドアを楽しみながら、防災に結びつく“考える力”や“応用力”について考えていきたいと思います。ぜひお楽しみに!

top_left_11975年の創業以来、“Function is Beauty(機能美)”と“Light & Fast(軽量と迅速)”をコンセプトに商品開発を行っている、アウトドア用品の総合ブランド。
阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震では、「アウトドア義援隊」を組織し、アウトドアでの経験をいかした災害支援活動を行う。

2016/08/23

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