[マンション火災]高層マンションの火災に学ぶ、消火設備点検と避難行動の重要性

※写真はイメージです。

2015年3月に西神田の高層マンションで起こった火災は、マンション住民を震撼させました。高層マンションで火災が発生した際の安全行動と、消防用設備点検の重要性についてお話します。

高層マンション火災の恐怖

最近高層マンションでの火災のニュースをよく目にします。2015年3月初旬に千代田区の25階建ての高層マンション20階での火災、2月には、ドバイの79階建て高層マンションの50階付近での火災のニュースがありました。

3月初旬に起こった千代田区の高層マンション20階での火災では、消防のはしご車が届かないため、バルコニーからの消火ができず、マンションに設置された連結送水管の配管をつなげて消火にあたりました。

連結送水管とは?

地上の送水口と各階にある放水口を建物内の配管でつなぐ仕組み。消防のポンプ車を地上の送水口とつないで加圧し、各回の放水口につないだホースから放水して消火にあたります。はしご車が届かない高層マンションの消火のために設置されています。

一般的な高層建築物のスプリンクラー設置義務

高層建築物の場合、建物の11階以上はすべてスプリンクラー設備を設置する対象となります。しかし一部建築条件を果たしていれば特例措置がとられる場合もあります。

火災が起こったマンションにはスプリンクラー設備が設置されておらず、火災が激しく広がった結果となったのではないでしょうか。スプリンクラー設備は、ある一定の基準を満たしていれば各戸に設置する必要がない場合もありますが、通常の分譲高層マンションでは基本的には各戸に設置されていると思います。今一度スプリンクラー設備の有効性を知り、日々の消火設備点検の重要性について考えてみましょう。

マンション火災でのスプリンクラー設備の有効性は?

総務省消防庁では、「認知高齢社グループホーム等における防火安全対策会議」において、住宅用スプリンクラー設備消火実験結果についての報告を行っており、火災時における焼死者の未然防止の手段としてその有効性が示される結果となっています。

総務省消防庁「スプリンクラー設備の有効性」

耐火性の高いマンションでは、スプリンクラー設備が他の部屋への延焼を最小限に抑えてくれます。そのためにも、定期的な消火設備の点検に協力して、その機能の維持に努めましょう。

消火設備の定期点検時に不在にしていて点検を受けない住戸もあると聞きますが、マンションの消防用設備点検は住民の義務です。しっかり対応しましょう。もし、火災時に自分の住戸の消火設備が機能しない場合には、自分の部屋だけでなく他の住戸にも迷惑をかけてしまうことになります。この点はしっかり頭に入れて、点検への協力をお願いします。

マンション内で出火したら?安全な避難行動を

マンションで火災が起こった場合には、火災報知機のサイレンに続いて、何階で火災が起こったかを知らせる館内放送が聞こえるはずです。なるべく火元の方向とは離れた避難経路から、迅速に避難してください。これまでの記事でも、避難方法についてご説明していますので、参考にしてください。

[マンション火災]初期消火のタイミングと避難方法
火災時の高層マンション、高齢者の避難に非常用エレベーターを活用

マンション火災で怖いのは室内で発生する有毒ガスです。こちらの記事もご確認ください。

[マンション火災]怖いのは炎じゃない?室内で発生する有毒ガスの危険性

また、火災が起こった住戸からの火の粉などがバルコニーの可燃物に燃え移る可能性もあります。避難時には、バルコニーにある燃えやすい植木や洗濯物などを取り除いておきましょう。

大規模マンションでよくあるのは、発生現場が見えないために、火災報知機が鳴っても誤報なのではないかと、迅速な行動をとらないで時間が経ってしまうことです。誤報ならばいいのですが、万一火災だった場合には手遅れとなりかねません。警報器が鳴ったら、ただちに迅速に避難行動をとりましょう。

また、火災報知機やスプリンクラー設備も含め、消火設備の点検には必ず協力しましょう。日々の点検や避難訓練が、いざというときにあなたの命を助けます。

2015/04/14

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


株式会社危機管理教育研究所

一般社団法人危機管理教育研究所


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