マンション管理組合で「防災積立金」をはじめましょう

※写真はイメージです

南海トラフ巨大地震や首都直下型地震の被害想定について、ニュースや新聞で取り上げられることが多く、皆さん日頃の防災は考えていらっしゃると思います。

しかし、マンション全体での防災対策について、真剣に考えているでしょうか? マンションで「防災積立金」を設けることを考えてみませんか?

マンションは財産。災害発生時の備えやその後の復旧にかかる費用を見積もっていますか?

南海トラフ巨大地震や首都直下型地震という未曾有の大規模災害が発生した場合、その被害数は膨大なものとなり、公的資金援助はほとんど期待できないと考えておいた方がいいでしょう。いままでの災害の想像を超えたところにある災害に備えるには、自らの財産は自分たちで守るという意思をもって立ち向かう必要があります。

国土交通省が、平成24年5月に開催した「第5回マンションの新たな管理ルールに関する検討会」の資料では、数々の被災マンションからの相談事例から、修繕積立金から「不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕」の用途を認めるよう定めておく必要があるとしています。

■国土交通省:第5回マンションの新たな管理ルールに関する検討会(平成24年5月22日開催)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000030.html

■資料14:災害時のマンション管理に係る相談等から判明した課題
http://www.mlit.go.jp/common/000212189.pdf

※上記資料14では、管理規約のなかに「緊急対応に係る費用支出ルール」を定め、修繕積立金の用途を「不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕」から取り崩すことができるようアドバイスを行っています。

千葉県のマンションでは液状化対策のスコップ費用が問題に!

震災で地面が液状化した千葉県のマンションでは、泥を取り除くためにすぐにでもスコップやリヤカーが必要だったため、理事の方が個人のお金で立て替えてスコップ数十本を購入されたそうです。

しかし、その後の理事会で、購入に伴ってちゃんと組合の承認は得たのか、また災害時のスコップ購入費は管理費や修繕積立金のうちどの予算から供出するべきなのかという問題が発生。立て替えた費用をすぐに精算できず、結局他の予算の余剰金から供出して解決されたということでした。

こうしたマンションの事例を考えてみても、災害時に管理組合が防災用としてすぐに使える予算を設けておくべきでしょう。もちろんその旨の管理規約をきちんと策定しておくことも必須です。

「防災積立金」は、修繕積立金とは別枠で設けましょう。

「防災積立金」は、備蓄費や防災訓練などの日頃の防災に関わる費用、被災後の修繕費用など、日常の備えと、万一の備えに対して使えるお金として考えてください。

修繕積立金にプラスアルファとして「防災積立金」を設けるよう、管理組合で話し合ってはいかがでしょうか? 防災というひとつの目的に取り組むことで、マンションコミュニティもひとつにまとまるはずです。

2014/02/25

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


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