[知っておきたいマンション防災知識]避難ハッチの使い方

現在多くのマンションでは、バルコニーからの避難器具として「避難ハッチ」が採用されています。ただし、全ての住戸バルコニーに設置されているとは限りません。実物をじっくり見たことがない方もいるでしょう。そこで今回は、避難ハッチ(避難はしご)の使い方についてお話します。

設置場所は知っていても使い方まで知っている人は少ない?

先日、マンション・ラボにて実施した「マンションの防災意識アンケート」では、以下のような結果となりました。避難ハッチ(避難はしご)の場所を知っている方と比べると、やはり実際の使い方をご存知の方は多くないようです。

【Q】避難ハッチ(避難はしご)が設置されている場所を知っていますか?

避難はしごが設置されている場所を知っている。

【Q】避難ハッチ(避難はしご)の使い方を知っていますか?

避難はしごの使い方を知っている。

なお、ご自宅のバルコニーに避難ハッチがない場合でも、いざという時は蹴破り戸(隔て板)を破って避難ハッチのある場所へ逃げなくてはなりません。前回の記事「バルコニーからの避難経路」でもお話しましたが、もし、避難ハッチの設置場所が分からない方は、まずお住まいのフロアの避難ハッチの位置を事前に確認しましょう。

「マンションの防災意識アンケート」調査結果はこちら

避難ハッチと避難はしごの使用方法と注意点

松本機工株式会社 避難ハッチ例

松本機工株式会社 避難ハッチ例

非常時や定期点検、訓練などを除いて、避難ハッチを勝手に開けたり、使ったりすることはできません。ですが、やり方をあらかじめ知っておけば、万一の時に慌てずにすみます。

バルコニーに設置されている一般的な避難ハッチは写真のタイプで、使用方法は通常ハッチ上部に記載されています。具体的な使い方はメーカーや種類によって異なりますが、基本は以下の4ステップです。

1.安全装置を外して蓋を開ける

2.真下に人がいないかを確認する

3.避難はしごを下ろす

4.はしごが下りきったら、階下へ降りる

※注意
避難はしごを下ろす際には、真下に人がいないか、物が置かれていて塞がっていないか、倒壊物や火災の危険がないかなど、必ず安全確認を行ってからにしてください。

参考:ORIRO 松本機工株式会社 避難ハッチの使用方法

下記メーカーのサイトに、避難ハッチの使用方法の詳細が説明されています。メーカーによって操作方法は異なりますが、基本的な操作方法の参考としてください。

避難ハッチの使用方法(ORIRO 松本機工株式会社ホームページへ)

松本機工株式会社 避難ハッチUSD-66N例

松本機工株式会社 避難ハッチUSD-66N例

お子さんにはロープやカラビナを用いて安全に下ろす

小さいお子さんを連れて、避難はしごを使うのは不安ですね。より安全に避難するためには、命綱としてロープをお子さんの体につけるなどの安全対策を。登山用のカラビナを用いてもいいでしょう。カラビナは登山グッズを扱うアウトドアショップなどで販売しています。

ロープがない場合には、家庭にあるビニール紐でも代用できます。できれば、上と下の両方に大人がいて、避難はしごを下りるお子さんを支えてあげてください。

高層フロアで避難ハシゴを使うときには落ち着いて

高層マンションでは、バルコニーから避難はしごを使う際にはかなり不安になるかと思います。お子さんの命綱も、不安があれば大人でも使用してください。避難はしごを下りるときは落ち着いて確実に。

日頃から避難ハッチの状態をチェックする

消防法によって、避難ハッチの点検は義務付けられていますが、もし自分のバルコニーにある避難ハッチの表面が腐食していたり、使用方法の説明が汚れて見えなくなっていたりしたら、管理組合に相談してください。消防法では平成4年(1992年)以降の避難ハッチはステンレス製に限定されていますが、それ以前の避難ハッチは使用素材によって腐食する可能性もあります。

ただし、繰り返しになりますが、避難ハッチは普段絶対に使用してはいけません。その点に留意して、日頃から避難ハッチのチェックを怠らないようにしましょう。

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2011/09/08

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


株式会社危機管理教育研究所

一般社団法人危機管理教育研究所


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