アンケート結果から見えてくる、マンション内の落とし物の問題点

マンション内落とし物BEST1の鍵をなくさないためには、鈴!

前回の記事「マンション内で落とし物を拾ったらどうするべき?」で、マンション内での落とし物事情についてお話ししました。

マンション・ラボで実施された「落とし物アンケート」で、マンション内での落とし物のリアルな声が寄せられています。アンケート結果についてみていきましょう。

落とし物の多い場所は「エントランス」「共用廊下」が圧倒的

マンション内のよく行き来するところで落としていることが多いですね。

落とし物を見つけた場合、届ける場所は管理事務所が62.5%

やはりマンション内では管理員さんが頼りにされているのがわかります。

落とし物のBEST1は鍵!

落とした物がきちんと戻ってきたという人が多かったのはよかったですね。特に「鍵は大変だから早く届けてあげなければ」という思いやりが反映されている気がします。

鍵を落とさないためには?

鍵を落とさないためには、キーホルダーや鍵本体に、鈴などの音が鳴るものを付けておくといいですね。特によく落とす人は、リードを付けるなど、防止対策をしておく方がいいでしょう。

アンケートから見えてくる、マンション内の落とし物の問題点

お財布を拾ったら、警察に届けた人が取得者になります

高価な貴金属や現金などは、警察に届けた人が取得者になります。持ち主が名乗り出てこない場合には、取得者に戻ってきますので、その点のいざこざが起こらないように配慮する必要がありますね。やはり現金や貴金属は、拾った人が警察に届けることです。管理員さんと管理組合とでルール化しておくことがよいでしょう。

【マンションの事例:落とした現金が交番に届いていなかった!?】

落とし物に関しては、現金などの貴重品は基本的に交番に届けてもらう、財布などで居住者の所有物だとわかれば預かって連絡する、などのルールを設けているマンションもあります。

ある管理員さんから伺った話では、「ある日5千円札が落ちていたと連絡を受け、拾った方に警察へ届けていただきましたところ、その日のうちに落とし主が届け出てこられました。しかし警察に行ったところ、その取得物が届いていない!という話になったことが。結局、拾った方が違う交番に届け出てらしたとことが判明。無事落とし主の元へ現金が戻りました。」とのこと。現金や貴重品はやはり注意して取り扱いたいですね。

お子さんとも落とし物ルールを話し合いましょう

アンケートの中には、「お子さんがゲーム機を拾って、盗られたと勘違いされた」というコメントもありました。前回の記事でもお話ししましたが、落とし物を見つけたとき・落としたとき、どちらの対応方法も、家庭内で話し合うことが大切ですね。

マンション内に落とし物ポストを設置したい!

アンケートから、管理員室が落とし物係として一極集中しているのがわかります。24時間管理体制ではないマンションの場合、管理人さんがいない際には、どうするかのルールづくりも必要でしょう。たとえば、マンション内に落とし物ポストを用意しておき、拾った日時や場所などの詳細情報もメモをつけて預けておけるといいですね。

落とし物ポストには、ビニール袋とメモを設置しておき、メモには、拾った場所と時間などの詳細情報、そして任意で「拾った人の名前」を書くようにします。

一方、落とした人は、自分は落としていないと思い込んでいることが多いため、落とし物をしたことに気付かない場合があります。特に、鍵やおサイフなどの緊急を要するものではなく、マンション内落とし物でよくある洗濯物などの日用品は、落とし物としてそのままになりがちです。落とし物ボックスの回収状況を、マンション内に公示することが必要です。

「今週の落とし物情報」などを掲示板に公開し、2週間預かって破棄するなどのルールを制定しましょう。保管期間は、マンションの規模に応じて検討してください。

また、洗濯物を落とした人は、それが下着などであっても恥ずかしがらずに名乗り出てください。庭付きの一階に住んでいる方が一番お困りなのが、階上からの洗濯物などの落下物だそうです。

落とし物を拾ってくれた方へのお礼はどうしたら?

マンションで落とし物を拾っていただいた際に、お礼はどうすべきか?という問題に悩む方も多くいらっしゃるようです。

管理員さんに、拾ってくださった方の名前を訊く方もいらっしゃるでしょう。おしえなくてもいいのにと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、この点については、管理員さんの裁量でいいのではないでしょうか。落とした物の大切さによっても、お礼をしたい気持ちも変わってきます。そのときの状況によって、自己判断でお礼をするべきかどうか、お決めになればいいと思います。

マンションなのですから、みんなが見ている掲示板でお礼のメッセージを載せるのもいいことです。「先日拾って下さった方、誠にありがとうございました」のような短いメッセージを匿名で出すのでもいいと思います。マンション居住者全員でお礼のメッセージを共有することで、「誰かが拾ってもらって助かったんだな」ということが伝わり、自然とコミュニティの雰囲気づくりにもつながります。

落とし物アンケートを拝見して、案外トラブルが少なく、落とし物が戻ってきているというお話が多くてホッとしました。マンション内のセキュリティや安全は守られている所が多いですね。

おそらく、落とし物は改善されないものですし、みなさんそれほど重要性を認識していないと思っていらっしゃるでしょうが、今後はトラブルが起こりうるということを前提にして、きちんとしたルールづくりをマンション全体で考えてみませんか。何かにつけ危機管理を万全にしておくことが、安心できる暮らしにつながるはずです。

※写真はイメージです

2014/04/08

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


株式会社危機管理教育研究所

一般社団法人危機管理教育研究所


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