放火させない・狙わせない!マンションの放火防止ポイント

火災の出火原因のトップは「放火」ということをご存じですか? 秋から冬にかけては空気も乾燥しており、火災には十分注意したいもの。今回はマンションの防犯面から放火対策を考えましょう。

まず、放火火災の現状と危険度を知る

消防庁による「放火されない環境づくり」推進

消防庁のまとめによると、放火火災は、火災原因の第1位であり、都市部で起こりやすい傾向にあります。総務省消防庁でも、放火火災防止への取り組みを積極的に行い、「放火されない環境づくり」を推進しています。

総務省消防庁 平成22年(1月~12月)における火災の状況(確定値)

「マンションは放火されにくい」と思い込みがちですが、住民の防犯意識が低いマンションには、放火のスキができます。マンション全体で放火防止対策を徹底し、住民の意識を高めることが、放火されない・させない防災マンションづくりに役立ちます。

自分のマンションの放火火災に対する危険度をチェック

放火事件が起こりやすいのは、夜中から明け方にかけての時間帯です。冬は夜が長いため、犯人の活動時間も長くなります。総務省消防庁のホームページでは、「放火火災防止対策戦略プランのチェックシート」を配布しています。

総務省消防庁「放火火災防止対策戦略プランのチェックシート」

環境要因や近隣の協力体制など、5つのポイントから総合的に危険度を評価できるようになっています。上記を印刷し、ぜひお住まいのマンションの環境をチェックしてみてください。

マンションでの放火防止の取り組み

放火防止対策として、マンションで特に注意したいのは、第三者が侵入しやすい共用部分です。場所別に、危険性とその対策方法をご紹介します。

・ ゴミ集積所

ゴミに火を付けるというのが、放火犯の手口で多いもの。マンション内のゴミ置き場はもちろん、外の集積所でも、ゴミを散乱させないできれいにまとめて出すようにしましょう。散乱したゴミは、放火されやすく、人の目が行き届いていないというスキを見せることにもなります。大型ゴミなどを出しっぱなしにしておくのもいけません。

・ 駐輪場/駐車場

最近は自転車に火を付ける放火が増えています。自転車やバイク、車には、ボディカバーをかけておくと放火対策に効果的です。カバーは車上狙い防止にも役立ちます。一時的であっても、車まわりに段ボールなどの紙類を置くのも危険です。また、バイクや車のガソリン漏れなどがないか、メンテナンスも怠らないようにしましょう。

・ 集合ポスト

マンションの集合ポストの前に、投げ込まれたチラシやDMを散乱させないようにします。気付いた人が拾うようにしましょう。

・ エントランス

エントランスや通用口に、雑誌や段ボールなどの余計なものが置かれないようにします。

「放火させない!」住民の防火意識を高めることが重要

共用部分近くには、必ず消火器などの消防設備が設置されています。残念なことに、設置場所や使用方法を知らない住民の方も多いので、この機会に消防設備の場所や使用方法を確認し直しましょう。放火防止に役立つのは、放火防止に役立つのは、早期発見と素早い対処です。

マンションでは、共用部分の清掃・管理は、管理会社に委託していることがほとんどだと思います。しかし、人まかせの防犯対策でなく、「自分のマンションは自分で守るのだ」という気持ちで、住民どうし一丸となって放火させない環境を維持しましょう。

これは放火ではないのですが、集合ポスト前に設置したゴミ箱に、住民が煙草の吸い殻を捨てたことで、ゴミ箱を撤去したマンションの事例もあります。住民自身の防火意識が低いようでは、放火対策もままなりません。ぜひ敷地内の整理・整頓を心がけ、安全な防火環境づくりを心がけてください。

2011/11/04

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


株式会社危機管理教育研究所

一般社団法人危機管理教育研究所


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