マンションに住むなら ~知っておきたい マンションの防災力~ vol.3

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「三菱地所のレジデンス ラウンジ」、コンシェルジュの松村保江です。
去る9月5日、マンションの防災をテーマにセミナーが開催されました。マンションならではの命を守る対策や、被災生活を乗り切るポイントを解説しています。当ブログでその模様を一部、ご紹介いたします。

大きな地震は必ずくる、という覚悟を

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講師にお迎えしたのは、防災士の資格を持つ[つなぐネットコミュニケーションズ]の岡本満子さんです。岡本さんはマンションに特化した防災マニュアル作成、防災備蓄品の選定支援などに取り組んでいます。

「大きな地震が起きたとき、マンションではどのような被害が発生するのか、どのような対策が必要になってくるのかをお話します。30年以内に70%の確率で起こると言われている首都直下地震、南海トラフ巨大地震――皆さんが生きている間に、必ず大きな地震に遭遇してしまうということを考えておかなければいけません。阪神淡路大震災のときは道路が寸断され、鉄道などの公共交通機関も止まり、ライフラインは停止しました。火災がどんどん広がり、時間が経つにつれて被害者の数が増えていく……このような状況が東京で起こるとどうなるでしょうか? 第一に、広範囲で被害が拡大すれば、自衛隊、消防、警察といった救助の手は、すぐに自分の元まで届かないことを覚悟しておかなければいけません。そういう中で、自分の命を守るためにはどうしたらいいのでしょうか」

東京消防庁が発表した資料によれば、近年発生した地震で怪我をした方の30~50%は、室内の家具の落下・転倒が原因だったそうです。

「ご自宅で落ちてくるもの、倒れてきそうなもの、移動しそうなものがないか考えてみてください。そして、それらの家具を固定する前に、まずは配置を見直すことから始めてください。たとえば就寝中に倒れてくる方向にベッドや布団を置かない、背の高い不安定な家具は置かない、ガラスを背にして大きな家具を置かないなど、今ある配置を見直します。また、ドアの近くに大きな家具を置いてしまうと、いざ逃げようと思ったとき、その先で家具が倒れてドアが開かないということが発生します。避難路にも大きな家具を置かないようにしましょう」

地震対策をしていれば、災害時でも自宅で生活を継続できる

家具の配置を見直したあとは、家具の固定です。イベントでは、何も対策をしていない家具と地震対策をしている家具の振動実験映像を見せていただきました。

「対策をしていないと、本棚はもちろん冷蔵庫はそのまま床を動き回ることがわかります。そこで冷蔵庫は天面の対策だけでなく、足元の滑り止め対策もしてください。テレビはテレビ台だけを固定するのではなく、テレビの背面を壁面と固定し、テレビ台の足元も固定して前への滑り出しを防ぎましょう。窓ガラスやガラス扉には、飛散防止フィルムを貼ります。ガラスが割れてしまうのは防げませんが、破片が飛び散るのを防げます」

こうして室内の安全を保つことが、自分の命を守る“自助”だと岡本さんはおっしゃいます。

「自分の命を守る“自助”は、他人と協力して助け合う“共助”につながります。なかでもマンションにお住いの方は、地震対策がきちんとできていれば発生後も自宅で生活を継続することが可能です。そのためには室内の安全対策、家庭内でのルール決め、各家庭での備蓄など、できることをやっておきましょう。とくにトイレ対策は重要で、マンションの場合は断水していなくても配管に損傷の恐れがあると排水ができません。そのため、簡易トイレ処理セットを備えておくと、安心ではないでしょうか。簡易トイレ処理セットは自宅のトイレに袋をかけて用を足したあと、凝固剤で固めて処理します。水が流せなくても自宅のトイレが使えるので、心強いと思います。大きな災害が起こると、水も電気もガスも止まる、ゴミの回収も止まる――それらを想定し、事前の対策にぜひ取り組んでいただければと思います」

トイレは災害時の重要なテーマ

イベントの後半では、三菱地所コミュニティの久留隼人さんからお話をうかがいました。久留さんは現在、約90棟のマンション管理の責任者をしています。岡本さんのお話にもあったように、災害時にはトイレが重要なテーマだと久留さんもおっしゃいます。

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「水や食料と同様に、トイレはとても重要なテーマです。食事をして水を飲んで排泄をする――このサイクルを確保することが、命を守りながら安心して被災生活を送ることにつながります。第一に、トイレが不衛生だと感染症の原因になります。また、トイレをきれいに使えないと、女性やご高齢の方は水を飲まなくなったり食べ物を控えたりします。体が乾燥すると病気にかかりやすくなりますから、何はともあれ清潔なトイレを保つことが重要なのです」

日本トイレ研究所によると、東日本大震災の際は上下水道が復活するまでに平均一カ月ほどかかったそうです。

「生活インフラは基本的に電気、ガス、上下水道の順番で復旧していくので、トイレと水は後回しになってしまいます。ですから日頃から準備しておくことが重要ですが、たとえばマンホールトイレのような簡易トイレを設置しても、正しい使い方をしなければすぐに汚れてしまいますので、管理をしっかりやっていただきたいと思います。三菱地所では消防・防災訓練のご提案だけでなく、マンホールトイレの組立体験なども行なっています」

イベントでは実際に非常食の試食と、トイレの凝固剤を使用するデモンストレーションが行われました。

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「凝固剤には、消臭効果と防菌効果もあります。災害時、ゴミの回収は一週間ほど停滞してゴミの山になりますから、凝固剤の有無で状態がかなり違ってきます。具体的な必要数ですが、先ほど申し上げた通り上下水道が一カ月ほど止まる計算で考えてみましょう。4人家族で1日に7個使ったとして、30日間で210袋、この凝固剤が100個で1万円ほどなので、これは備えていただいてもいいかなと思います」

9月1日は防災の日ということで、三菱地所でも丸の内地区で大規模な防災訓練を行いました。今回のイベントの話も、ご家庭やご友人と共有し、共助の気持ちを持って災害に備えていただければと思います。

「三菱地所のレジデンス ラウンジ」では今後も様々なイベントや住まいにまつわるセミナーを企画しています。ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

コンシェルジュ 松村 保江(まつむら やすえ)

三菱地所住宅販売(株)(現:三菱地所リアルエステートサービス(株))に入社後、現所属は三菱地所レジデンス(株)。新築マンションの販売を約11年担当し、2014年10月より現職。新築マンションやリノベーションマンションの販売を中心に住まいに関するご相談を承っております。

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