相続対策の落とし穴とは!?「事例から学ぶ相続のこと。税理士先生に聞いてみよう!」

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「三菱地所のレジデンス ラウンジ」、コンシェルジュの古川 浩一です。
相続税における基礎控除の金額等が変更になってから1年半が経ち、メディアでも様々な対策が講じられています。そこで今回、レジデンス ラウンジでは“相続税の落とし穴”をテーマにセミナーを開催しました。当ブログでその模様を一部、ご紹介いたします。

まずは遺産分割対策を

講師にお招きしたのは、税理士法人タクトコンサルティングの梅田篤志さんと高橋大貴さんです。タクトコンサルティングは資産税業務に特化した税理士法人で、お二人は生前の相続対策や資産税に関する業務全般、事業承継対策などに携わっています。

梅田「平成21年から27年の課税割合の変遷を見ると、26年が4.4%だったのに対し、27年が8.0%となっています。27年以降の相続については基礎控除が4割ほど下げられたため、二倍近く課税対象者が増えているわけですね。これは全国的な割合ですが、東京に限って見ると15.7%となっており、たとえば100人が亡くなると16人ほど相続税がかかってくるという状況です。土地の路線価が上がっていることから、以降もこの状況は続くと見られていますので、対策が必要かと思います」

高橋「実務上感じることは、たとえば都内にご自宅を持つサラリーマンの方が退職まで勤め、退職金があり、死亡保険金が入るとする――そのような一般的によくある家族形態の方々も相続税の計算対象になる、そういうケースが多くなっています」

梅田「最近は様々なメディアで、相続対策が取り上げられていますね。具体的に相続対策には①遺産分割対策②納税資金対策③財産の評価減対策の3つがありますが、メディアで取り上げられがちな対策は③です。しかし、いくら財産を圧縮できても、遺産の分割協議がうまくいかなければどうにもなりませんので、まずは①の遺産分割対策をしっかりと考えてほしいです。たとえば生前に遺言書を書いておく、贈与をしておく、相続しやすい財産に組み替えておく――そうして円満に相続を解決させることが必要になってきます」

遺言書を書くことはメリットこそあれ、デメリットはない

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今回のセミナーではマイナンバーと相続財産について、相続税の計算の仕組み、相続税申告スケジュール、相続対策、財産の評価減対策の概要について等を解説していただきました。このレポートでは遺産分割の際、遺言書がいかに重要かという話をご紹介します。

相続時に遺言書があると何が違うのか? ~7つのパターン~

①財産………遺言書ありの場合は【名義変更可能】 → なしの場合は【財産凍結】
②金融資産…遺言書ありの場合は【名義変更可能】 → なしの場合は【財産凍結】
③家族………遺言書ありの場合は【協議不要】 → なしの場合は【協議が必要】
④ストレス…遺言書ありの場合は【なし(もめない)】 → なしの場合は【あり(もめる)】
⑤生活………遺言書ありの場合は【困らない】 → なしの場合は【困る】
⑥税金………遺言書ありの場合は【節税可能】 → なしの場合は【?】
⑦納税………遺言書ありの場合は納税がスムーズ → なしの場合は【?】

高橋「①②の財産と金融資産は、遺言書があると相続人同士で分け方についての決め事をしなくて済みますので、遺言書を使うだけで名義変更がスムーズに行えます。一方、遺言書がないと、遺産分割協議を経なければ金融機関等が動かせなくなります。③④の家族とストレスについては、残されたご家族同士でお金の話をするのは、どれだけ仲が良くてもやはりストレスになります。遺言書があれば、財産を遺す人にお金の分け方を決めてもらえるわけです。次に⑤の生活についてです。ご主人の収入で生活するご家庭でご主人が先に亡くなった場合、遺言書がなければ奥さまとお子さんで財産の分け方を決めることになります。そこでうまくいかないと、莫大な財産があっても生活資金を引き落とせなくなるので、困窮する場合があります。⑥の税金については、誰がその財産を承継するかによって使える特例と使えない特例があります。遺言書を書く段階で何の特例を使うか考えられていれば、将来の節税に繋がる分け方ができます。一方で、遺言書がない場合も節税ができないわけではないですが、亡くなってから10カ月という限られた期間内で、財産の分け方を話し合いつつ節税まで考えようとすると、なかなか難しいと思います。⑦の納税については、名義変更が可能ですからスムーズに行えます。一方で遺言書がなく、遺産分割が申告期限までに整わないと、ご自身の財産から税金を一時的に負担することになります。遺言書を書くことはメリットこそあれ、デメリットはない――それが私の意見です」

贈与の落とし穴と、税務調査の着眼点

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セミナーの後半では主に贈与(暦年課税制度と相続時精算課税制度)について、また贈与の活用方法などを解説していただきました。このレポートでは、贈与の落とし穴と税務調査の着眼点についてご紹介します。

そもそも税務調査では、どのようなことを指摘されるのでしょうか。

高橋「相続税調査における申告漏れ財産の金額構成比を見ると、1位が現金預貯金、2位が土地、3位が有価証券となっています。ポイントはやはり1位の現金預貯金で、ここで言う現金預貯金とはタンス預金と名義預金のことです。まずタンス預金ですが、たとえば銀行預金からまとまった金額が出ているのに、それが不動産といった財産や旅行で使用した等、引き出した使途が明らかでない場合には、何らかの形で手元に残っていると税務調査官は考えます。よってそこを指摘されるでしょう」

また、名義預金は贈与の落とし穴になることがあるそうです。

高橋「名義預金とは、たとえばご主人が預金をしていて、名義だけが配偶者やお子さんになっている預金のことです。大抵の場合は①誰が出したのか②管理者は誰か③誰が契約したのか――これらをもって名義預金と認定されます。税務では形式(名義)ではなく、実質の所有者の財産として相続税の計算対象になると考えますから、名義預金に認定されてしまうと相続財産に入ることになります。また、せっかく計画的な贈与をしたにも関わらず、名義預金と言われてしまう可能性もなくはありません。名義預金と言われずに、贈与として認められるためにどのような方法があるかというと、

①贈与契約書を作る
②贈与の履行(お金を渡す)
③受贈者がカード・通帳を管理する
④受贈者が贈与を受けた預貯金を使う
⑤贈与税の申告をする

です。贈与は110万円の非課税範囲内を超えたら申告をしなければいけませんが、お客様の中にはあえて110万円を超える贈与をし、贈与の事実を申告と納税により税務署に対して明らかにしている方もいます。皆さんも、将来ご自身にかかってくる相続と相続税を把握しましょう。そしてご自身に合った対策を取ってほしいと思います」

今回、セミナーの終了後には個別の相談会も行われました。
「三菱地所のレジデンス ラウンジ」では今後も住まいにまつわるセミナーや様々なイベントを企画しています。ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

コンシェルジュ 古川 浩一(ふるかわ こういち)

注文住宅営業と法人営業を担当し2017年4月より現職へ着任。住まいに関する色々な相談にご対応させて頂きます。レジデンス ラウンジに来て良かったと思って頂けるよう頑張ります。

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