マンションの防災対策 意識調査アンケート ~多くの住民が抱える防災対策の矛盾と改善すべき点とは~

今回は、マンション居住者の方に対し、頻発する地震への防災対策について調査をしました。

まずは、2013年、2014年、2016年、2017年との比較をご覧ください。

マンションの地震防災に関する実態調査結果

●防災訓練への参加率

●マンションで防災備蓄品が準備されている割合

●自宅での備え

●自宅家具の固定

上記は、過去にマンション・ラボで行った防災アンケートの結果を比較したものです。

マンション全体での取り組みである防災訓練への参加や防災備蓄品の用意は年々高まっているようですが、個人での取り組みについては横ばい、家具の固定に限っては低くなっています。

マンション全体で準備が進められているとはいえ、まずは自分の身は自分で守る、いわゆる「自助」が防災では最も大切です。ここからは、2017年度に行った結果を詳しくレポートしていきます。

飲料水の確保の意識は高いが、衛生面での意識は低い?

マンション居住者の方は、現状どのような防災対策を行っているのでしょうか。まずはグラフをご覧ください。

2017年版防災アンケート結果
アンケート概要
実施期間 2017年06月23日(金) ~ 2017年06月30日(金)
調査方法 インターネット(マンション・ラボ)
対象者 マンション・ラボリサーチ研究員
回答数 2,681

引用の際は、こちらからマンション・ラボまでご連絡ください

Q.大規模地震が起きた後も、マンション内のご自宅で生活することを想定していますか?
グラフ読み込み中...
Q.自宅内で実施している防災対策をお選びください。(複数選択可)
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「大規模な地震が起きた後も自宅で生活することを想定しているかの問いには、64.1%の方が「はい」と答えました。そのためには、被災後もマンションで暮らすための備えが必要ですが、「飲料水の備蓄」「食料の備蓄」をしている方は多いものの、マンション・ラボでも必要性を説いている簡易トイレの備蓄は30%と、配管の破損によりトイレが使えなくなる可能性がまだまだ認識されていない状況です。

また、地震でライフラインが止まると、毎日当たり前のように使用しているお風呂やシャワーも使えなくなり、歯磨きや洗顔もできなくなります。飲食のことだけでなく、「普段の生活ができなくなる」ことを想像し、必要な備えが大切だと、今後も啓蒙していく必要があると感じます。

災害時のトイレに関しての情報はこちらの記事もご覧ください。

災害用トイレはどれが使いやすい? 災害用簡易トイレの使用テスト
マンション防災対策、災害用トイレとして代用できる「大人用おむつ」徹底検証!【試験編】

「家族の安否確認が重要!」それなのに6割が確認方法を決めていない!

次に、地震への不安について聞いてみました。

Q.今後、大地震が発生した場合、どのような点に不安を感じますか?(複数選択可)
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Q.家族や身近な人との安否確認方法を決めていますか?
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心配事として、約70%もの方が「家族の安否がわからなくなること」と回答しています。それにもかかわらず、なんと60%を超える方が安否確認方法を決めてないと答えました。これが、多くの住民の方が抱えている矛盾でした。では、どのように備えれば良いのでしょうか?

下記の「災害用伝言ダイヤル」や「緊急連絡カード」などを活用して、すぐにでも被災時にスムーズに安否確認ができるよう準備をしてほしいと思います。家族の安否がわかれば、落ち着いて行動もできます。

「災害用伝言ダイヤル」
災害用伝言ダイヤル(171)とは?
防災週間期間中(8月30日9時~9月5日17時まで)は災害用伝言ダイヤル(171)が体験可能に!災害用伝言ダイヤル(171)体験利用のご案内

「緊急連絡カード」
以下でも配布しておりますので参考にしてみてください。
災害時に家族を守る『サバイバルカード』をご利用ください!

C:このような緊急連絡カードを参考に家族の連絡方法を確認しておくといいですね。

マンションの防災マニュアル、「内容を知らない」が38.4%!

最後にマンションの防災対策について聞いてみました。

Q.お住まいのマンションに防災マニュアルはありますか?
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Q.防災マニュアルの内容をご存知ですか?
※あると答えた方のみ回答
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Q.お住まいのマンションに防災備蓄品(救助用品、発電機、食料、医療品、災害用トイレなど)はありますか?
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Q.内容や保管場所をご存知ですか?
※防災備蓄品があると答えた方のみ回答
グラフ読み込み中...

マニュアルの有無を知らない人が半数以上の51.6%で、ある場合でも約3割の方が内容については知らないと答えました。また、防災備蓄品についても40%以上の方が知らないと答えていることから、マンション全体で行っている防災対策にもさらに関心を寄せ、もしもの時にしっかりと活用できるよう、取り組んでいく必要があると思います。

ちなみに以前取材したマンションの中には、理事長が備蓄品保管場所のカギを一括で管理していたものの、外出先で被災したため戻ることができず、保管庫の中身を取り出せなかった、というと事態もあったそうです。このような状況も踏まえて、マニュアルや備蓄品の整備を行うことも大切です。以下の記事も参考にしてください。

3.11被災マンションの防災対策に学ぶ、事前準備の大切さとコミュニティ力
マンションの防災訓練にすぐ使える!防災マニュアル「防災パスポート」作りを学んでみた!

大切な家族や自分自身を守るため、防災対策の再確認をしましょう!

最後に、マンション居住者の方「今地震について不安に思うこと」を尋ねたコメントをいくつかご紹介します。

カレンデュラさん怪我など身体的なこともだが、一人暮らしなので、不安な気持ちを支え合う相手がいないので、メンタルが保てるか不安。

ParticQさん停電になった時が不安。現在のマンションでは電気がなければ相当暮らしにくい。戸建てとは比較にならないと思われる。

goさんあまり準備が出来ていない。収納スペースが余っているわけではないので、備蓄も大変。

hisahisaさんペットがいるのでマンションに留まると思うのでどうなるか心配。

kichikichiさん自分の安全より家族の安否が何より気にかかるし、その状況下でどう行動しているのか分らないことで、こちらがどう行動すべきなのかわからないこと。

たかさん赤ちゃんが産まれたばかりなので、乳幼児がいる場合の避難の仕方や過ごし方に不安がある。

ともままさん夫が単身赴任中、子供は公務員なので非常時はいないので、ひとりでいるときが心配。
備蓄はしているが、非常袋に入れるものに迷う。

皆さん、やはりさまざまな不安を抱えている事が伝わってきます。

マンションにマニュアルや備蓄品があるのなら一度目を通し、保管場所や供給の段取りなどを確認したりしておくだけで安心につながり、有事の際の対応が大きく変わる可能性があります。また、マンション全体としての備蓄品を知っておけば、頼れなさそうなものに目星をつけて自分で補強することもできます。

――いつおこるかわからない自然災害、もう一度防災対策を見直してみませんか?

文:Loco共感編集部 渡辺瑞季

2017/08/30

リサーチ研究員

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