意識を高めることからはじめよう、バルコニーの安全対策

近年、乳幼児がマンションのバルコニーから転落する不慮の事故が後を絶ちません。東京消防庁によると、平成23年~27年までの5年間に、5歳以下の子どもの114人がバルコニーの転落事故で救急搬送されています。そして、その半数近くが重症(生命の危険が強いと認められた診断)でした。今回のアンケートでは、マンション住民のバルコニーの危機管理意識と安全対策についてリサーチしました。

アンケート概要
実施期間 2016年11月25日(金) ~ 2016年12月1日(木)
調査方法 インターネットリサーチ
対象者 マンション・ラボリサーチ研究員
回答数 2,562

引用の際は、こちらからマンション・ラボまでご連絡ください

たったの7.5%!あまりにも低かった危機管理の意識

このアンケートでは首都圏を中心に2,562人の方にご協力いただきました。まず、住んでいるマンションの階層を聞いたところ、2~5階が34.9%、6~9階が25.6%、10~15階が22.5%でした。よって回答者の大多数が2~15階にお住まいの方です。

Q.現在お住まいのマンションの階数を教えてください。
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さて、そんなマンション住人の危機意識はどうなっているでしょうか。「バルコニーでの転落事故を身近に感じたことがある」と答えた人は、なんと7.5%にとどまり、「いいえ」の回答が92.5%に上りました。事故が絶えない現実を考えると、この意識の低さは深刻な問題ではないでしょうか。

Q.バルコニーでの転落事故を、身近に感じたことはありますか?
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“教育”と“対策”で念には念をいれましょう

ご自宅のバルコニーで、安全対策をしているか尋ねたところ「行っていない」の回答が83.8%、「行っている」人はわずか7.3%でした。対策をしている方は実際何をしているかというと、

tetsuさんベランダによじのぼれるようなものを置かない(移動できるものを含め)。
下をのぞくしぐさを子どもの前でしない。

あ~たんさん子どもだけではベランダに出てはいけないルールにしている。

georgiaさんバルコニーのほか、外部に面している窓やドアは親だけが開けるルールを作っている。

nogumaさん子どもではなく飼い犬だが、バルコニーの柵の下の隙間を突っ張り棒で塞いでいる。

子どもがいる方は注意喚起やルール決めなどの“教育”という対策をとっている方が多く、それに加えて物を置かない、柵を乗り越えないような物質的な対策をしているという回答が多くみられました。

バルコニーの足元部分に網を使ってDIY。柵の隙間をふさいで物の落下を防いだり、子どもがのぞき込んだり手を伸ばしたりすることを避けるため、工夫をされている方もいます。

Q.置いてあるものを教えてください。(複数選択可)
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次に、バルコニーの使い方について、「物が置いてありますか?」という質問に対しては71.7%の方が「はい」と回答しました。具体的には、79.1%が室外機を置いており、69.3%が物干し竿、61.8%が植木鉢と回答しています。約2割ですが物置(18.2%)も。少数派ですが、中にはテーブル(11%)、チェア(13.7%)の回答もありました。

物を置いている人が感じたことのある危険について尋ねると、

ごんごんさん室外機を踏み台にして手すりにのぼれる。

sousouさんゴミボックスに娘が上がり、バルコニーから外をのぞいていた。

るえさん強風でバルコニーに置いていた鉢植えが落ちそうになった。

ライフさん台風の時に三輪車が転がっていた。

バルコニーには、子どもがよじのぼってしまうという危険だけでなく、風による危険もあるようです。危険を感じている方は、どんな安全対策をとっているでしょうか?

はるるんさん強風の時は、飛んでいきそうなものを室内に片づけるようにしている。

あんこかあさんさん強風の時はベランダに干さない。

マンション管理組合としての取り組みは?

個人としての意識や安全対策以外に、マンションとして対策をとっているところはあるのでしょうか。「お住まいのマンションの管理組合で転落防止対策が話し合われていますか?」という質問に「はい」の回答はわずか1.6%、「いいえ」が50.6%という結果でした。「はい」の回答の方は具体的にどんな話し合いがあったか、実施している対策について尋ねたところ、次のような回答がありました。

ちーちゃんさん洗濯物をベランダの手すりに干すと落下の危険があるので、一切禁止です。でも不便を感じている。

zen248ロビーの掲示板に注意事項として書き出した。

kg.o-1937さん手すりを越える事が出来るような踏み台、もしくはのぼれる台になる様な物をベランダには置かないという管理組合からの指導がある。

「ルール制定」までは難しいかもしれませんが、マンションの組合として、注意喚起をし続けることは危機管理の意識を高める効果がありそうですね。

まずは意識改革からはじめましょう!

バルコニーの安全対策について、マンション・ラボではこれまでも記事を書いてまいりました。

マンションのバルコニーや屋上からの転落事故を防ぐために

マンションバルコニーや窓からの子供の転落事故ゼロを目指して

アンケートを通して、バルコニーの安全対策、危機管理は、実はあまり意識されていないという現状が見えましたが、事故は“思いがけないところ”で起こるもの。「これくらいなら大丈夫だろう」と、物を置いたり、「少しくらい平気だろう」と目を離した瞬間に起こってしまうこともあります。子どもの転落事故以外でも、植木鉢などが台風で飛ばされ、近隣のベランダに落ちたという事故もあります。下手をすれば人的被害にもつながり、良からぬトラブルにもなりかねませんね。
――今日から“安全対策の意識”変えてみませんか?

(文:Loco共感編集部 コバヤシ ミズキ)

2017/03/21

アンケート調査レポート

マンション・ラボ リサーチ研究員の皆様にご協力いただいたアンケート調査結果を公開中。マンションに住む方の最新事情が見えてきます。

掲載のアンケートデータを転載・引用する場合は、こちらからご連絡ください。

リサーチ研究員

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