マンションに「本でつながる交流の場=ライブラリー」をつくろう! グループディスカッション編

マンションに「本でつながる交流の場=ライブラリー」をつくろう!プロジェクトシリーズ。今回は、マンション居住者の皆さんと、グループディスカッションの場を設けました。その様子をレポートします。

「本でつながる交流の場=ライブラリー」を自分達のマンションに!

世代を超えて親しまれる「本」を媒介にして交流できるライブラリーが、全国のマンションに広がったら、マンション・コミュニティはもっと楽しく活発になるはず! 「マンションに図書館を作ろう!プロジェクト」は、そんな気付きからスタートしました。

プロジェクトスタート以降、研究員に応募いただいた皆さんからの意見に目を通し、本を通じた交流の場づくりを各地で行っている「まちライブラリー」の礒井さん、すべての本棚を図書館にしようとしている「リブライズ」の河村さんと地藏さんと一緒に、マンションにライブラリーをつくるためのあれこれを議論してまいりました。

▼これまでのプロジェクトの記事は以下からご覧ください。
マンションに図書館を作ろう!プロジェクト

マンションの規模や居住者数によって、作りたいライブラリーのかたちはさまざまです。そこで、実際にマンションにライブラリーを作りたい!または興味がある!という方々とお会いして、お話を伺ってみることにしました。マンションにライブラリーを作りたいという人同士で知り合うことも、きっと何かの役に立つはずです。

今回は少人数で真剣に意見交換してもらいたいと考え、午前と午後の部各少数名の皆さんに参加者を限定。参加者の皆さんを交えて、礒井さん、河村さん、地藏さん、そしてマンション・ラボ編集部とで、グループディスカッションの場を設けました。

まずは、「まちライブラリー」と「リブライズ」についての説明を行っていただきました。

春に大阪ブックフェスタを開催した「まちライブラリー」礒井さん。まちライブラリーに登録した私設図書館はもちろん、書店、公立図書館、大学図書館までが参加して、本を通じたさまざまな交流イベントが30日間にわたって行われました。

すべての本棚を図書館に!「リブライズ」の河村さんによる説明。「リブライズ」のシステムは、バーコードで簡単に蔵書を登録できるだけでなく、電動ドライバーやお鍋などの「もの」などで登録して貸し借りできるのです。

参加者の自己紹介は、持参した本の紹介から。

礒井さん、河村さん、地藏さんらのプレゼンテーションの後は、参加者を交えてのディスカッションタイムです。

少人数とはいえ初めての顔合わせということもあり、まず皆さんに持参いただいた本の説明を自己紹介替わりにお話いただきました。本は、いま読んでいる本、これから読む本、大好きな本、何でもOK。スマホで紹介する人もいましたよ。

<参加者の皆さんが紹介した本>

『働く幸せ〜仕事でいちばん大切なこと〜』(大山泰弘著)を紹介した、松井つるみさん。新潟のマンションにある亡き義父の戦争に関する蔵書を、地域で有効活用する方法を模索中。

横浜市の青葉国際交流ラウンジに所属する小池由美さん。現在、町にブックポストを開設する計画を準備している。外国人と接する機会の多い小池さんは『日本人の知らない日本語3』(蛇蔵・海野凪子著)を紹介。

新築時からライブラリーが設置されていたマンションにお住まいの野村千里さん。ライブラリーをもっと有効に活用するために、自ら図書委員に立候補して活動中。『問いのない答え』(長嶋 有著)を紹介。

野村さんと同じマンションの元理事・図書委員の上田善啓さん。リボンをつけたライオンの絵が印象に残っている『エルマーの冒険』(ルース・スタイルス・ガネット著)をノートPCで紹介。

まちづくりに関わる仕事や勉強会に関わる社会人2年目の西 香菜恵さんは、初めて本に救われたという『入社1年目の教科書』(岩瀬大輔著)を紹介。

大規模マンションにお住まいの小西貴彦さんは、定年後の人生設計を考えさせられたという『坂の上の坂』(藤原和博著)。マンションの理事や自治会の会長に立候補するなど、その後の行動に大きな影響を与えた本だとか。

賃貸マンションのオーナーとして、居住者が交流できる図書コーナーを作りたいと考えている土志田祐子さんは、『稼ぐまちが地方を変える』(木下斉著)を紹介。

蔵書はすべて電子化し、自宅に本棚がなくなったという強者の塚本牧生さんは、『空飛ぶ馬』(北村薫著)をスマホで紹介。個人の立場から、マンション・コミュニティや地元とのつながりを考え直しているところだそうです。

ちなみに、礒井さん、河村さん、地藏さんの紹介本はというと…。

「手前味噌ですが、『まちライブラリーのつくりかた』と『マイクロライブラリー図鑑』です」と礒井さん。(写真左)/ 河村さんは、24時間営業の奇妙な書店の物語『ペナンブラシの24時間書店』(ロビン・スローン著)。(写真中央) /地藏さんは、発売されたばかりのP・K・ディックの新刊翻訳本『ヴァルカンの鉄鎚』。ちなみに、これから読むそう。(写真右)

本の自己紹介タイムでは、自分が知っている本について説明することで、自然と初対面同士の心と会話をほぐしてくれるのが不思議です。

礒井さん「まちライブラリーでよくやるんですが、本の自己紹介をすると、絶対に同じ本がかぶらないんですよ。それほど本は多様性があるし、選んだ人の個性の一部を代弁してくれるものなんです」

確かにその通り。人前で話すのが苦手なタイプでも、自分の好きな本の説明だと、するする言葉が出てくるような気がしました。

本の自己紹介で仲間づくり

挨拶くらいしかしたことがない居住者同士でも、好きな本を自己紹介すると、話が弾みます。ライブラリーづくりの仲間を集めるためにも、好きな本を持ち寄ってお喋りするミニイベントを開催してみてはどうでしょう?

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2015/08/04

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