[アメリカ合衆国・サンフランシスコのマンションライフ] IT企業の社員にも人気のコンドミニアムに潜入

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サンフランシスコってどんな街?

サンフランシスコ湾岸地域の南部といえば、通称“シリコンバレー”ともよばれ、GoogleやFacebook、Apple、Yahoo!といったIT企業が集結していることで知られています。こうした会社に勤めている人たちのほとんどは、ここサンフランシスコに住んでいます。じつは私も、シリコンバレーに本社を構える某IT企業に転職し、数年前にロサンゼルスからサンフランシスコに越してきたのです。

この街のランドマークとして一番知られているのは、サンフランシスコ湾と太平洋にかかる「ゴールデンゲートブリッジ」(1937年建設)でしょう。全長2,737mでニューヨークのヴェラザノ・ナローズ橋(1964年建設)の完成まで世界一の長さを誇っていました。かつて、ゴールデンゲートブリッジができる前、人々の足はフェリーでした。当時、フェリーの発着所だった「フェリービルディング」は、橋の完成によって役目を終え、今では人気の商業施設になりました。

まさにサンフランシスコのシンボルとなっている「ゴールデンゲートブリッジ」。(C) Shutterstock

マーケットプレイスに生まれ変わった「フェリービルディング」。オーガニック食品をはじめ、シーフード、お肉、ワインなどの食材が豊富にそろう。(C) Shutterstock

市の政治・行政・文化・芸術の中心地は「シビックセンター」と呼ばれる一角。第二次世界大戦後のサンフランシスコ講和条約が調印された「オペラハウス」もここにあります。市内の移動には、1873年から運行している世界最古のケーブルカーが今も活躍しています。窓口でチケットを購入し、停留所で到着を待てば次々とやってくる優れものです。このケーブルカーのおかげもあって、市内ではほとんどクルマを使う必要がありません。

アメリカ3大オペラのひとつ「サンフランシスコ・オペラ」の本拠地になっているオペラハウス。

そんなサンフランシスコは1年を通して温暖な気候ですし、さほど大きな都市でもないので、住みやすいと思います。ただひとつ大変なのは坂道が多いこと! この街の典型的な風景は、アパートやマンションが斜面に階段状に連なっているところ。実際ここに住んでいると、運動不足にならないといわれているほどです。

街中はどこも坂だらけ。しかも、かなり急な坂も多い。クルマも斜めに停まっているのがわかる。(C) Shutterstock

マンション、お宅拝見!

それでは、私の部屋をご紹介しましょう。間取りはいたってシンプルで、リビングルームと小さなベッドルーム、それからバスルームにキッチンです。こじんまりとした間取りですが、単身者には十分。窓が多く、日当たりは良好です。インテリアはすっきりとしたシンプルなものが私の好み。部屋自体もそんなに広くないので、あまりモノをごちゃごちゃと置かないようにしています。仕事中は電子機器に囲まれていますから、家に帰ったらゆっくりとくつろげるよう、アートや緑を置いて和んでいます。

間取りの特徴は縦長であること。アート作品を飾っておしゃれな部屋にしている。

ベッドルームは本棚やディスプレイ棚を活用することで“見せる収納”にこだわっています。棚には好きな本や趣味の音楽CDを並べてみました。眺めているだけでもいい気分転換になりますよ。サンフランシスコにはおしゃれなインテリアショップが多いですし、とくに私が住んでいるミッション地区はアーティストが多いため、奇抜に飾った部屋もみかけます。うちはまだシンプルなほうでしょう(笑)。

明るいベッドルームはシンプルなウエストコースト風に。

私のマンションは小さな建物ですから、共用スペースはガレージくらいですね。2台分の駐車スペースがあります。私はクルマを持っていませんから、駐車スペースは別の居住者が使っています。

この家の良さはコンパクトな建物で所有者が3世帯しかいないところです。ほかの家族もルームメイトのような感覚ですね。マンション内のことはちょっとした話し合いで決まるので、たいへん暮らしやすいと感じています。困ったときは助け合いますし、互いにひとりの休日には、昼から一緒に飲みはじめることもありますよ。ちなみに、私はお酒が好きなのでカウンターキッチンをバーに見立てて楽しむんです。ここはこだわりのスペースですね。

カウンターキッチンで友人とお酒を楽しめるようにしたいというのが密かな希望。

1階はガレージ、3世帯が入居するつくり。サンフランシスコの典型的なコンドミニアム。

そうそう、この街の特徴は、洗濯機のない家が多いことかもしれません。我が家も例外ではなく、洗濯機や乾燥機は置かず、近くのコインランドリーで済ませています。

サンフランシスコのマンション事情

私たちのような若手のエンジニアは「Cond(コンドミニアム)」と呼ばれる分譲集合住宅に住んでいることがほとんどです。Condの多くは2階建てで、1世帯の部屋がワンフロアに収まっています。価格は20~30万ドルと手軽です。なかには、階段のある2フロアの部屋もあります。これは家族連れやカップルが購入することが多いですね。

そもそも19世紀の後半、サンフランシスコでは「ヴィクトリアンハウス」という家屋が流行しました。これは2~3階建てで横幅の狭いこじんまりとした、パステルカラーの可愛らしい家なんです。ハウスが横に並んでいるのもサンフランシスコらしい風景です。ヴィクトリア様式で細部が装飾されたハウスの1階には、たいていガレージがついています。Condのなかには、このヴィクトリアンハウスを数ユニットに分けて、売り出したり、貸したりしているものが多いんです。新築の物件でもヴィクトリアンハウスのようなコンパクトなマンションが増えています。

ヴィクトリアンハウスの風景で有名なアラモ・スクエア。高級住宅街の一角で、ハウスの後ろにはダウンタウンに建ち並ぶビルがみえる。(C) Shutterstock

私は家を買うにあたって界隈の雰囲気を重視しました。私が住んでいるミッション地区は、ラテン系のアーティストが多いことから、街のそこかしこに壁画アートが描かれています。さらに学生や、私と同じようなシリコンバレー務めのIT企業の若手社員、エンジニアも大勢住んでいます。さまざまなライフスタイルの人が住んでいるところが私のお気に入りなんです。

テクノロジー産業の盛んな街ですから、自宅でもWi-Fiでインターネットを利用している人がほとんど。街中も同様で、人の集まるところはたいていフリーのWi-Fiスポットになっています。シリコンバレーの会社の多くは通勤用のシャトルバスを出していて、このシャトルバス内もWi-Fiフリー。みんな通勤しながらスマートフォンやタブレット、ノートパソコンで仕事をしています。カフェもほとんどがWi-Fiフリーですね。プロのバリスタがいれてくれるおいしいコーヒーと共にネットをして過ごす――これが私たちのライフスタイルの一部になっています。

また、私の住宅街の近くには大きな公園があり、ペットのイヌを遊ばせている人が多いですね。コンパクトな住宅が多いですから、大型犬よりは小型犬が人気。Condを1棟まるまる購入して住んでいるリッチ層は問題ありませんが、ユニットごとに所有者の異なる場合は、ペット不可のところも多いんです。でも、2~3世帯での共同生活ですから、そこらへんは仕方がありませんね。

【ライター】ジェームズ・ホワイト
数年前に某IT企業にエンジニアとして転職、現在の住まいを購入した。

※掲載情報は原稿作製時のものです。
※ライターの自宅マンションというプライベート空間を撮影する関係上、ライター自身で撮影を行っています。一部、見にくい写真もあるかと存じますが、ご理解・ご了承のほどお願いいたします。

2014/09/10

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