高齢者のためにコミュニティでできること Part.5

高齢者が参加しているビジネスモデルを考察してみよう!

前回の研究室「マンション研究室 高齢者のためにコミュニティができること Part.1〜4」で導き出された結論は、

「高齢者という人材が、報酬を得て活躍できる仕組みづくり」がマンションにあれば、高齢者ももっといきいきと暮らせるのでは?

ということでした。今回の研究室では、こうした仕組みをすでに実践している企業やマンションを取り上げ、これら実例をもとに、将来どんなことやサービスが提案できるのか、その可能性について話し合います。

高齢者という人材が、報酬を得て活躍できる仕組みづくりを!

佐藤 前回までの研究室では、マンションの高齢者がいきいきと暮らすためにコミュニティができることとして、以下の結論が導き出されました。

前回の結論

1.高齢者が元気に過ごすためには、「高齢者は人材的に資産であり、有償で活躍できる場を設ける」ことが望ましい!

2.マンション内で、有償で助け合う仕組みをどのように作るかがポイント。集住のマンションだからこそ可能性を秘めていると思うので、実現が可能か検証したい!

佐藤 マンション・ラボ編集部では、上記のような仕組みを実践している企業やマンションを取材してお話を伺ってきました。今回は、3つの企業やマンションの取材記事をご紹介しながら、率直に感じたことや意見を交わしたいと思います。

高齢者の食、雇用、交流の場カフェを経営するサンフォーレの事例

事例1:株式会社サンフォーレ

「マンションにも取り入れたい!サンフォーレに学ぶ高齢者を元気にするコミュニティ術」
詳しくはこちら
http://www.mlab.ne.jp/community/community03/community03_20121002/

佐藤 一番目は株式会社サンフォーレが運営する「りせっとcafe」です。こちらの会社は、あえて目の行き届く小規模なシニアホームを神奈川で展開されています。サンフォーレでは、今後は介護がなるべく必要ない元気な高齢者を増やさなければいけないという意識のもと、高齢者の食と健康を守るための薬膳スープの開発と提供を街中のカフェで展開しています。今後は、このカフェでの高齢者雇用も積極的に行っていくそうです。

藤本 「りせっとcafe」は、東京や神奈川だけでなく、高齢者の比率の多い、地方の自治体でも注目されているとのことですよね。カフェでスープを温めて提供するだけなら、高齢者でも簡単に働けそうですし。

平生 高齢者の食と健康に注目した、まったく新しい視点と場の仕組みですね。高齢化社会になって、リアルに、新しいモノやコトやサービスが始まろうとしているんだという気がします。

働きたい元気な高齢者が働く場を提供する高齢者専用人材派遣会社

事例2:株式会社高齢社

「高齢者専門人材派遣会社の取り組みにマンションの人材潜在力を探る!」
詳しくはこちら
http://www.mlab.ne.jp/community/community03/community03_20121108/

佐藤 株式会社高齢社は、この名前の文字通り(笑)に、採用資格が60歳以上の人材派遣会社です。社員の最高年齢が79歳の方だそうです。

平生 これは、まったく高齢者が働くためのビジネスモデルですね。主にどんな仕事内容ですか?

藤本 ガス関連事業や経理といった専門技術や経験の必要な分野の他、さまざまですね男性の方だけでなく、中高年から高齢の女性までが働く家事代行サービスもやってらっしゃるそうです。

佐藤 やはり高齢者の就労は、やりがいといきがいが一番のモチベーションだそうです。この会社ではワークライフバランスとワークシェアリングを導入して、2人1組のチームで働いているそうです。年金受給もあるため、週に何時間働くという設定でスケジューリングされています。

平生 高齢者の就労と年金受給の関係も、報酬が得られる仕組みづくりには大きい要素ですよね。こちらでは1ヶ月の収入は時間設定で抑えてらっしゃるんでしょうけど、そこまで働く場があるということも凄いですね。

「助け合いの会」で、住民同士が助け合うマンション

事例3:コープ南砂の「助け合いの会」

「居住者同士“お互いさま”で助け合う!コープ南砂の”江戸長屋”的コミュニティ力 〜助け合いの会編〜」
詳しくはこちら
http://www.mlab.ne.jp/community/community03/community03_20121126/

佐藤 コープ南砂にある「助け合いの会」というのはまさに我々が話していた仕組みに近いかと思います。居住者は、任意入会制で入会金と年会費を支払って「助け合いの会」の利用会員かつ支援会員となります。会員は、買い物や水道のパッキンの取り替え、室内の修繕・補修など暮らしのあらゆることを350円/30分で依頼します。

平生 利用する人も支援する人も、利用料の他に入会金・年会費を払うという仕組みが凄いですね。しかもこれは管理組合とは関係なく、自主的な会ということですね?

佐藤 最初は会費や利用料金の設定はなかったそうですが、お礼の有り無しなどのばらつきもあって不公平感が出ないようにするために、金額を設定したそうです。ある種の互助会ですよね。「助け合いの会」という名の互助会。

平生 頼む・頼まないは別として、お互い様だということですね。支援会員の方は、わずかな利用料金をいただくとしても、それで納得されているのでしょうか?

佐藤 コープ南砂の「助け合いの会」の会則には、「会員は相互に、できることとで手を貸しあいます。困ったときは“お互いさま”、声を掛け合いましょう」とあります。お互い様なので、頼むこと自体も頼まれる人のためになるっていうことじゃないでしょうか。会費を払うことで、この会の支援をしているっていうことにもなりますし。

平生 なるほどね。助けたいし、助けられたい。そこが共通目的になっているということですね。

2013/03/14

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