本と図書館から始めるマンションのコミュニティづくり②~リブライズ~

前回は「まちライブラリー」の取り組みをご紹介しました。今回は、マンションに図書館を開設してみたい、でも蔵書の管理はどうしたらいいの?という方々にぴったりな図書館開設のためのウェブサービス「リブライズ」をご紹介します。

「リブライズ」の野望は、「すべての本棚を図書館に」すること

リブライズ

2012年に開設された、誰でも簡単に図書館をつくることができるウェブサービス。バーコードリーダとFacebookアカウントがあれば、無料で自分の蔵書をインターネット上に公開して、各個人図書館のルールに応じた貸し出し運用ができます。現在、図書館用品メーカーの老舗キハラとのコラボレーションによる「キハライズ」ブランドの製品開発中。Facebook App AWARDS 2012受賞。

リブライズ
https://librize.com/ja

リブライズ Facebookページ
https://www.facebook.com/librize

「リブライズ」の開発者である地藏真作さんと河村奨さん。

図書館を開設してコミュニティを深めたいと考えた時に、ネックになるのが、蔵書の貸し出しや管理作業の繁雑さです。アナログ管理する方法もありますが、手間と時間がかかって後々負担になっていきそうです。

こうした問題を解決してくれるのが、「リブライズ」のウェブサービスです。しかもほとんどの作業はバーコードリーダで済んでしまうという簡易さ。パソコンに慣れていなくても、誰でも操作できます。

たとえばどうやって「リブライズ」を使うのか紹介してみましょう。

【ブックスポットの開設と本の登録】

必要なもの:Facebookアカウント、自分の図書館のFacebookページ、バーコードリーダ、パソコン、蔵書。※「リブライズ」への登録は無料

①自分の図書館のFacebookページを開設します。「リブライズ」にブックスポットとして登録するために必要となります。
②バーコードリーダをパソコンとつないで、「リブライズ」画面にサインアップ/ログインします。
③「リブライズ」画面で「ブックスポットを作成」すれば登録完了。続けて蔵書のバーコードを読み取るだけで、自分の図書館の蔵書がページに反映されます。
※FacebookアカウントやFacebookページがなくても登録できる、バーコード付きカードも別途販売されています。

【本の貸出・返却方法】

借りる人は、スマホ+Facebookアカウントまたは貸し出しカードが必要です。貸し出し作業は、借りたい本のバーコードをスキャンするだけ。貸出期間や冊数、外部の人へも貸し出し可能かどうかなどの細かな使用ルールは、自分たちで決めます。

たとえば、自分の本棚をブックスポットとしても登録できますし、実際大学の研究室や企業内図書館スペース、コワーキングスペースなどさまざまなコミュニティスペースの本棚が登録されています。こんなに簡単ならば、自分の本棚も登録して蔵書管理をしたくなるかもしれませんね。

すでに全国650ヶ所のブックスポットから合計20万冊を越す蔵書が登録されています。第1回記事で紹介した「まちライブラリー」の図書館のいくつかも「リブライズ」を活用しています。

「リブライズ」の活動の場である「下北沢オープンソースCafe」。

マンション1階の駐車場スペースを改装して、ライブラリー、カフェ&コワーキングスペース、そして3Dプリンタなどがあるラボラトリーとして使われています。秘密基地という様相。

「リブライズ」の開発者である河村奨さんと地藏真作さんに、お話をお伺いしました。河村さんは、下北沢のコワーキングスペース「下北沢オープンソースCafe」のオーナー。まさにこのスペースから、図書館ウェブサービス「リブライズ」は生まれました。

河村さん「自分で所蔵していたプログラミングやデザインの専門書を並べた本棚を設置してから、コワーキングスペースに来る人も本を置くようになり、Facebook上で本の貸し借りの交流が始まったことが、開発のきっかけでした」

スマホとFacebookアカウントが貸し出しカード替わり。どちらも持っていない人には、バーコードの付いた貸し出しカードも用意されています。

地藏さんが開発を始めると、さっそく仲間たちが使い始め、本の登録・貸し出しがウェブ上でできる図書館サービスとして2012年に「リブライズ」が正式リリース。全国のコミュニティスペース、コワーキングスペースなど、人が集まる場や本を媒介にした活動を行っている場からのブックスポット登録が増え続け、現在に至ります。

「リブライズ」のサービスを活用すれば、本と本棚さえあれば、そこはもうブックスポット=図書館となる訳です。

「オープンソースCafe」には、プログラミングとデザインの専門書800冊近くの蔵書があります。これだけの専門書が集まっている公立図書館や大学図書館はないかも。他にも、専門に特化した個性的な個人図書館が「リブライズ」に登録されていることが多いそうです。

地藏さん「『リブライズ』はオンラインのサービスですが、オフラインでいかに本を楽しむことができるかについて常に考えています。寄贈書シールや貸し出しノート、『利用者カード』や『図書館ポップ』などは、図書館で使われているアナログなグッズに近づけて徹底的に楽しみながらつくっています」

100周年を超える図書館用品メーカーであるキハラ株式会社と共同で開発したコラボブランド「キハライズ」。写真は「図書館ポップ」「バラエティシール」。遊び心にあふれています。

いやはや確かに楽しそう。まさに“図書館ごっこ”が本気でできます。「リブライズ」への登録作業は、バーコードリーダでスキャンするだけでもなんだか心がワクワクするのはなぜでしょう。

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2015/01/15

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