新築マンションの3つのトレンドとは?~マンションマニアさんの住まい談義vol.1~

これから6回シリーズで、人気のマンション評論家マンションマニアさんをお迎えして、マンションにまつわるアレコレを、マンション・ラボ編集長の伊藤 鳴が伺ってまいります。

今回は、通算800件以上のモデルルームを見ているマンションマニアさんに、最近の新築分譲マンションのトレンドについて伺いました。最近のマンションって進化しているみたいですよ。

マンションマニアさんに新築マンションのトレンドを聞く伊藤編集長。

マンションマニアさんに新築マンションのトレンドを聞く伊藤編集長。

生活者の視点に立った3つのトレンド、シェア・可変性・時短

伊藤
マンション・ラボ読者もそうだと思いますが、一度マンションを購入すると最新情報を知る機会がなかなかありません。

マンションマニアさんは、膨大な数の新築分譲マンションやモデルルームをチェックしていらっしゃいます。最近の新築分譲マンションの提供サービスやトレンドはどんなものが目立ちますか?さらに便利になっているのではないでしょうか?

マンションマニアさん
そうですね。トレンドといえば、大きく分けて「シェア・可変性・時短」の3つでしょうか。

伊藤
シェア・可変性・時短とはどういうことでしょうか?

マンションマニアさん
分譲マンション本体はここ数年で進化するところまで行き着いた感があり、最新設備やサービスの導入、間取りなどの面で、生活者の視点に立ったきめ細かな配慮がされています。微細なことから大きなことまで、築5〜15年位のマンション居住者の方ならびっくりする便利な設備やサービスがあると思います。

トレンド(1)シェア

伊藤
「シェア」というのは、マンション・ラボでもこれまで取り上げてきた興味深いテーマです。畑、ライブラリー、畑、子育て、いろいろなシェアがありますよね?

荒川 あゆみ『シェア』でつくる新しいマンションライフ

マンションマニアさん
2016〜2017年竣工の新築マンションの付帯サービスでは、カーシェアが鉄板です。今後もどんどん増えていくと思います。最初からカーシェアサービスが入っていなくても、後からカーシェアを始める都心部のマンションも徐々に増えているようです。

カーシェアサービス導入が決定している新築マンションでは、マンション居住者以外も使用できるように、最初から外部に面した開放型駐車場にしてセキュリティ面で配慮されています。

徐々に人気が高まりつつあるカーシェア。

徐々に人気が高まりつつあるカーシェア。

伊藤
2011年のマンション・ラボのアンケートでは、マンションでのカーシェアリングの利用経験は1%程度でした。2015年のアンケートでも、マンションの駐車場の空きスペースを有効利用する試みについて「特に何も行っていない」という回答が過半数。既存マンションでは、まだまだカーシェア導入が活性化していないようですが、一方でマンション駐車場の空きが増えているという話も聞きます。

マンションマニアさん
後から導入すると、セキュリティ面などでハードルが高いですからね。
最初からサービスが入っている新築マンションの場合、カーシェアサービスは外部のカーシェア専門会社に委託しているので、管理組合は置き場所を提供するだけで良いですから。カーシェアの予約や決済も、スマホから簡単に行えますし、委託会社の全国的なカーシェアネットワークが活用できるのも、居住者にはメリットです。

伊藤
なるほど。そういえば、駐輪場の数が不足しているマンションでは、自転車シェアリングを導入する事例も増えているようです。シェアはこれからのマンションライフのキーワードですね。

マンションの駐輪場不足を解消できる!?気になるマンション設備「電動シェアサイクル」とは?

トレンド(2)可変性

伊藤
可変性とはどういうことですか?

マンションマニアさん
間取りや仕様の至るところで、きめ細かく可変性が考えられているなと思います。
たとえば子どもの成長に合わせて間取りを変えられるように、引き戸タイプのリビングが増えています。子どもが小さいうちは、引き戸は開けたままで広くリビングを使い、成長したら子ども部屋にするなど、いろいろな使い方ができます。

上部吊り下げ式の引き戸は、レイアウトを変更しやすい。

上部吊り下げ式の引き戸は、レイアウトを変更しやすい。

伊藤
独立した子ども部屋が欲しいといっても、4LDKが必要な時代は長い人生の中でわずか数年ほどですよね。フレキシブルな間取りって大切です。

マンションマニアさん
可変性は、細かな部分で至る所に見られます。玄関脇のシュークローゼットでも、扉の開き方が廊下側から開けられるようになっていたり、下の底板を外したらベビーカーがそのまましまえるようになっていたり。収納力も、もの凄く進化しています。

伊藤
日本のマンションは、きめ細かな部分に生活者視点のこだわりがありますね。

マンションマニアさん
実際に暮らしていないと、この便利さには気付かない(笑)。
ここ10数年の間に、デベロッパーさんがお客様の声を丁寧にすくいあげて、生活者視点の知見が具現化されてきているのでしょうね。先日も、リビング側からも使えるキッチン吊り戸棚を見て驚いたところです(笑)。至る所に収納あり!でした。

トレンド(3)時短

伊藤
時短ってどういうことですか? 最近のキッチン—洗面所(洗濯機)—浴室が行き来しやすい間取りは、生活動線が考えられていて時短だなと感じますが。

マンションマニアさん
その間取りも一例ですね。とにかく皆さん忙しいので、なるべく効率よく暮らしたいじゃないですか。その最たる例が、「時短=掃除のしやすさ」ですね。掃除のしやすい設備機器が数多く導入されています。

たとえばキッチンのガスコンロまわりでは、汚れがすぐ落とせるホーロー素材を採用しているマンションが増えています。汚れないレンジフード、自動洗浄機能付き浴槽、汚れが溜まりやすいフチがなくなった便器など、設備の進化は凄いですよ。

汚れやすいキッチンや水まわりのお掃除のしやすさは欠かせない!

汚れやすいキッチンや水まわりのお掃除のしやすさは欠かせない!

伊藤
水まわり・キッチンまわりは、まるで最新設備の展示場のようになっているんですね。羨ましい!の一言しかありません。

マンションマニアさん
最近驚いたのは、浴槽エプロン固定型の浴室です。いままでの浴槽は、エプロン部分を開いて内部に溜まった水垢や匂いの原因となるカビを定期的に洗浄する必要がありましたけど、最新の浴槽はそもそもエプロンが開かないので内部を洗浄する必要がない。いままでの浴槽は何だったのかと思って衝撃でした(笑)。

三面鏡の下部にあるのがチャイルドミラー。

三面鏡の下部にあるのがチャイルドミラー。

マンションマニアさん
そういえば、新築マンションの洗面所では三面鏡の下にチャイルドミラーが付いている仕様が一時主流だったのですが、いまはモザイクタイルになっていますね。

伊藤
そういえば、三面鏡の下の水洗付近にも狭い鏡がついているところがありますね。あれは洗面所を広く見せる効果かと思っていました。

マンションマニアさん
チャイルドミラーは、小さいお子さんが足台に乗って洗面所を使う時に、鏡が見えるように配慮して作られたものです。実はこの部分、水がはねて一番汚れやすい場所なんです(笑)。地味に問題だったんでしょうね。いまはモザイクタイルやホーローになっているものが多いです。こういう些細だけど確実に時短になる進化って、チェックしているとおもしろいですよ。

伊藤
さすがにマニアックな視点ですね(笑)。地味すぎてチャイルドミラーってことにも気付いていませんでした!

共用部に宅配食材置きスペースの設置も!

伊藤
最近のマンションって本当に便利になっているんだなと痛感しました。他にも特筆すべきことはありますか?

マンションマニアさん
新築マンションには、宅配ロッカーはほぼすべて導入されていますが、最近は宅配食材の留め置きスペースや食品宅配専用の宅配ロッカーを共用部に設けているマンションがあります。

便利な宅配食材ですが、受け取り方法が悩みの種。

便利な宅配食材ですが、受け取り方法が悩みの種。

伊藤
宅配食材の留め置き場は、既存マンションでも課題になっています。部屋の前に宅配食材を置いていかれると、美観的にも衛生的にも問題が発生しますからね。

マンションマニアさん
新築マンションでは、共用部に最初から専用の宅配食材の留め置きステーションを設置したり、食品宅配受け取り専用の宅配ロッカーを設置したりしています。温度管理もされているので、これなら安心ですね。

伊藤
至れり尽くせりじゃないですか。いやあ、新築マンションは居住者のライフスタイルに合わせて驚くほど進化していますね。引っ越したくなってきました(笑)。本日はありがとうございました。

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次回は、マンションマニアさんに「購入後のビフォアー&アフターの違い」について伺います。これから新規購入や住み替えを考えている方は必見です!

また、今後はマンションマニアさんとの対談でうかがうマンションの魅力をふまえ、

マンション評論家 マンションマニアさん

mannmani
年間約80件、通算800件以上のマンションのモデルルームを訪問してきたマンション評論家・マンション購入アドバイザー。18歳からモデルルームに通い始め、20歳に初めてマンションを購入して以来、6回のマンション購入経験がある自身の体験を活かし、2011年のブログ開設以来、公平な立場で分譲マンション探しのアドバイスを行う。不動産関連メディアの記事寄稿、コンテンツ協力など多数。

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2017/09/27

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