パリのバカンス中の防犯対策とは?

9月に入ってフランスはバカンス・シーズンが終わり、学校も新学期を迎えました。

3週間~1カ月の夏のバカンス※は、パリジャンにとってとても楽しみな時期であると同時に、心配な時期でもありました。長期間留守にする人が増えるわけですから、空き巣にとっては格好の季節。12月のクリスマス・シーズンと並んで、アパルトマンのセキュリティーが問題となるのです。

※フランスのバカンス(有給休暇):労働法や契約内容などによっても変わりますが、原則的には、1年を通して同じ雇用主の下で働いた場合、週末を除いた30日間、つまり5週間の有給休暇が与えられることになっています。一般的には、夏に4週間、クリスマス時期に1週間とる人が多いようです。

リュクセンブール公園でくつろぐ人たち。

空き巣被害の件数を調べると、2016年が24万3,500で、前年に比べると4%減少したそうです。もちろん地方によって差があり、もっとも被害が多いのは、パリを含むイル・ドゥ・フランス地方で1000の家庭のうち9.2件。続いてトゥールーズやモンペリエのある南部のオクシタニ地方が9.1件、ニースやアルルなどがあるプロヴァンス・アルプス・コート・ダジュール地方の9件と続きます。

さまざまな統計や調査をみると、フランスの空き巣被害には一定の“法則”があり、専門家たちは、アラームなどの防犯グッズをそろえるだけでなく、自分たちの行動を見直したり、より注意を促したりするだけでも対策になるといいます。

たとえば、侵入口のほとんどが玄関で、被害の多くが平日の日中という点。

なかでも地上階から2階に位置するアパルトマンの場合、侵入口は圧倒的に玄関。壁を伝ってバルコニーから入る場合もあります。一方、3階以上は屋根や天井窓から侵入する場合もあります。ですからフランスでは、被害を避けるためにまず行うことは、単純なことですが、玄関に厳重なカギを設置することなのです。

もっとも多い錠のタイプは、落とし錠と呼ばれるもの。床や天井に穴があり棒が設置されていて、カギを回すとドア全体がガチャっとロックされます。

写真では分かりにくいですが、カギを回すとドアの右側の棒が下がり施錠されます。

窓から侵入されることも。

クーラーのないパリでは、暑くなると窓を開けたまま外出したり寝てしまったりすることもあります。知り合いの家では、朝起きたら床に足跡があったそうで、想像するだけでも恐ろしいです。

このように、窓が閉まっていなかったり玄関にカギをかけるのを忘れてしまったり、多少なりとも被害者側に不注意があれば、保険が適用されない場合もあります。

私の自宅の玄関はオートロックですが、外からカギを2度回すとドアが完全にロックされるシステムです。外からカギを回さなかった場合はもちろん、1度しか回さなかった場合も保険適用外になることがあると聞き、出かけるときは必ず、短時間であっても、2度回しています。

空き巣と言えば、周辺を下見し、不在時を狙って窓や玄関を壊して侵入するイメージがありますが、玄関のベルを鳴らして堂々と入るケースもあるといいます。営業や警察官、電気やガス会社の社員などを装って、家に入り、物色するのです。

電気やガス、水道の使用量の計測や、定期的な点検などで企業が訪問する場合は、住宅の入り口に、事前に日付を記した貼り紙が掲示されます。不用意に玄関を開けない、知らない訪問者には身分証明書の提示を求めるなど、当たり前に思われることを行って、身を守りたいものです。

バカンス中に心配になるのは、郵便物がたまることで留守であることが分かってしまうこと。隣人や友人に頼む人もいますし、郵便局の保管や転送の有料サービスに申し込む人もいます。

また警察が行っている「オペラシィオン・トランキリテ・ヴァカンス」(静かなバカンス・キャンペーン)に、バカンスに出る5日前までに申し込むと、留守中の家や店舗の周辺のパトロールを強化してくれるのです。

「オペラシィオン・トランキリテ・ヴァカンス」のポスター。

「うちには貴重なものはないから」「我が家に限って」などと考えず、そして夏にかぎらず、普段から意識を高めておかなければいけませんね。

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2017/09/11

プロフィール

三富 千秋

パリ在住のフリーライター。パンや菓子、料理など食の話題を中心に雑誌や食専門誌に発信しているほか、フランス人のライフスタイルについてのコラムも執筆。フランス人の日常生活をさらに知るべく、フランス各地で取材中。


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