マンションのお部屋の収納力が大幅にアップする方法~5倍に増える子どもの荷物もこれで安心!~

子どもの成長にともない暮らし方は変化し、限られたマンションの間取りをどう活用するかは、悩ましいものです。

そこで、同じような悩みを抱え“モヨウ替えコンサルティング”をする「NPO法人tadaima」に相談したという家庭を訪れ、どのように解決していったかを取材してきました。
前回の訪問はこちら
「マンションの間取りにも活かせる模様替えのテクニックとは?」

相談内容は、「その場しのぎの収納で、広々と使っていた部屋はカオス状態!上の子が小学生になったのをきっかけに、抜本的な部屋の改革をしたい」とのこと。「昔から整理整頓は苦手」というご夫婦に、どんな方法がもたらされたのでしょう。

【取材協力者・住環境紹介】

家族構成:大槻さん(仮名)夫婦2人・息子2人(小学1年生・幼稚園年少)
マンション購入:2008年 居住年数9年
マンション情報:東京都23区内 駅から5分 築19年 12階建ての4階
東向き 広さ68.95平米 間取り2LDK+納戸

【相談先事業者紹介】*今回アドバイスを頂いた模様替えコンサルタント

「NPO法人tadaima!」代表理事・“子育てモヨウ替えのコンサルタント”の三木智有さん。「NPO法人tadaima!」の“モヨウ替えコンサルティング”は、「家族でつくる“暮らしの舞台”」をコンセプトにしています。間取りはそのままに部屋の使い方や家具の配置を見直し、居心地のいい環境づくりを提案するので、一般的な整理収納アドバイザーやインテリアコーディネーターと少し違います。
「マンションの間取りを最大限に活かす!お部屋の模様替え”3つのルール”」

1.カウンセリング ~夫婦で一緒に課題や悩みを洗い出す~

まずは夫婦そろって受けるカウンセリング(約30分)で、お互いに感じているそれぞれの課題や悩みを出し合い共有し合いました。

三木さんから「お悩みは何ですか?」と聞かれた旦那さんは、普段は家の中のことは奥さんに任せっきりですが、模様替えが”自分ごと”になり、がぜんやる気が出てきました。

出てきた大槻家の悩みは次のようなものでした。

【大槻家の悩み】

① 小学1年生の長男がリビング学習をしているが、環境が整っていない。
② 学用品が家の中で点在して、何がどこにあるのかわからずいつも探し物ばかりしている。
③ 夫婦2人で住んでいた家に家族が増えたので、この家具の配置で合っているのか不安。
④ アウトドアグッズが場所を取り、収納場所が決まっていない。
⑤ 夫の趣味のグッズが多すぎて置き場所に困っている。

ざっくばらんに話をしていくうちに「ああ、そういえばこんな悩みもあった」と、モヤモヤしていた悩み事も出てきて、夫婦間での共有ができました。

2.家の中をチェック ~第三者の視点と共にくまなくチェック~

カウンセリングの後は、全員で家の中を隅々まで見て回ります。

三木さんは、メジャーを使って部屋の壁や家具の長さを測りながら、カウンセリングで出た悩みポイントとは一見関係なさそうな箇所まで、くまなくチェックしていきます。

カウンセリングで出た「悩み」の視点にそって、三木さんと一緒に家の中を見て回ると、課題がはっきりと見え、大槻さん夫婦は改めて「“導線”がうまくいっていない」ことを実感しました。

3.先を見据えて考える ~悩みの再発防止の為、5年先をイメージする~

全員でのチェック後は、三木さんのシンキングタイム。5分ほど家の中を再び確認し、どうすれば大槻さん一家にとって「居心地の良い環境をつくることができるのか」プランを練っていきます。

大槻家の間取り図に模様替えのプランを書き込む三木さん。この後どんな提案があるのでしょうか。

大槻さんたちの悩みの一つには、上の子のリビング学習環境と学用品の置き場がありました。三木さんから「模様替えで大切なことは、優先順位を決め、3~5年くらい先の生活をイメージすること」と聞いた大槻さんたちは、悲鳴を上げました。

――「3年後」には下の子も小学生になり、また同じ悩みを抱えることになるからです。マンションの限られたスペースでの模様替えは限界があるのではないかと考えられます。

しかし、三木さんからは「今のタイミングでしっかり対策をしておけば、お子さんが小学生の間は大丈夫ですよ」と力強い言葉をいただき、具体的にどう模様替えをしたらいいかの提案(=ゾーニングプラン)を5つ出してもらいました。

4.プロが提案する5つのゾーニングプラン

Ⅰ 夫婦の寝室にワードローブを作る

納戸に置いてある夫婦の衣類を寝室に移動し、点在していたアウトドアグッズを納戸に一括収納。なんとなく置けるスペースに置いてしまっていた衣類やアウトドアグッズを、一つの場所に収納することで「導線」も良くなります。

Ⅱ 納戸の棚と棚の間に板を通して収納力アップ

2つの収納棚の高さを合わせ、その上に板を置きます。収納力がぐんと上がるので、置き場所に困っていた趣味のグッズを収納できるようになります。

Ⅲ ダイニングテーブルを、大きく四角いものに変更

現在、食事と学習スペースと兼用しているダイニングテーブルは丸い形(伸縮型)ですが、学習しづらいので四角いものに替えます。

Ⅳ 子ども部屋に子ども仕様の収納を作る

アウトドアグッズが納戸に移動し、空いたスペースに子どもが身の回りの衣類をしまえる収納を作ります。子どもの手が届く高さに収納をつけることが大事。「出す・しまう」というのは訓練なので、全てを届く高さにすることはなく、まずは制服や学校の準備など、少しずつ子どもたちでできるように、環境を整えることが大切です。

Ⅴ リビングに大型の壁面収納を導入

大型の壁面収納で家の中に点在する学習用品を一箇所にまとめます。高さがあると圧迫感を心配するかもしれませんが、実は奥行きが問題になります。奥行きを30cm程度にすれば、圧迫感を感じることなく過ごせます。
奥行きがありすぎると奥の物が取り出しづらいので、本が入る程度にすることで、圧迫感も抑えられ効率的にもなります。

Before:現在の間取り

After:ご提案間取り

5.大槻さん夫婦が実践してみた模様替え

三木さんからのアドバイスを受け、「まずはできることから」と大槻さん夫婦は、伸縮式のダイニングテーブルを最大限まで広くし、直線の部分でリビング学習ができるようにしました。

(左:模様替え前)リビングの広さを確保するため、以前は折り畳みテーブルを伸ばさず、カーブのある箇所で勉強をしていました。確かに肘をすぼめてやりづらそうです。(右:模様替え後)カーブが無いので肘をゆったりと構えることができ、視野も開けます。以前よりも床に鉛筆を落とす回数が減りました。

収納を改善することで新たな空間が生まれる

間取り相談を終え「小学生の間に増える荷物は5倍以上と言われ、整理整頓くらいではどうにもならないんだなと、ある意味覚悟が決まりました」と笑顔で話す奥さん。大槻さん家族は、これから教科書・本・漫画など、書籍類が1番多く増えるので、リビングの壁面収納は必須になりそうです。

アドバイスを受けるまで大槻さん夫婦にあった思い込み――「壁面収納は圧迫感がある」「家具は低い方がくつろげる」「テーブルは小さい方がリビングに空間が生まれて暮らしやすい」といったことが、アドバイスを受けることにより、ガラッと変わりました。また、棚の取り付けや大きな物の移動は、旦那さんが休みの週末に夫婦で協力して行うなど、夫婦そろってやる気に満てきました。

収納を改善する、という提案をいただけたのは大きな収穫でした。

子どもの成長にともない、同じ間取りと空間を使い続けるのが難しいというのは、みなさん共通のお悩みかもしれません。しかし、間取りは変えずに収納力をアップする方法なら、手軽にお悩みを解消できそうです。

みんなが居心地よく過ごすせるためにまずは家族で協力し合う――それが、心地よく使い勝手の良い空間を生み出し・家族の絆をつくることにもつながっていくのでしょう。

▼模様替え・収納に関連した記事も参考にしてみてください。
「人間関係運アップのプチ模様替え 仕事編」

「生活導線から考える、マンション収納解決法!」

「整理収納Q&A]部屋のどこに何をしまうのがベストなのか、収納の基本を教えてほしい」

文:藤田伸江(Loco共感編集部)

2017/08/31

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