マンション管理組合の方必見!個人情報保護法改正に対応!「災害時のマンションの安否確認名簿」作成のための書面サンプル

個人情報保護法改正に対応したかたちで、災害時に活用する「マンションの安否確認名簿」を作成するにはどうしたらいいのでしょう? 具体的な書面サンプルを用いて考えてみましょう。

個人情報保護法の5つのルールを知っていますか?

マンションの防災力を高める情報を提供するWebサイト「マンション防災支援」では、岡本正弁護士による、個人情報保護法の5つのルールを始め、マンション内で個人情報保護法への理解を深めて運用していくための注意点をご紹介しています。ぜひ、こちらの記事も参考にしてください。→「個人情報保護法改正とマンション内での災害時名簿の作成」※外部サイト

個人情報法護法の改正前は5,000人分以下の個人情報を取り扱う事業者は対象外とされていましたが、改正後は取り扱っている個人情報の数にかかわりなく個人情報保護法が適用され、新たにマンション管理組合や自治会なども、「個人情報取扱事業者」となりました。
上記サイトでは、岡本弁護士が、マンション内で個人情報を取り扱う場合のルールづくりについてわかりやすく説明されています。

こちらの内容をご確認いただいた上で、「マンションの安否確認名簿」を作成するためにはどのようにしたらよいのかについて考えてみましょう。

「マンションの安否確認名簿」を作成するためには、まず居住者にアンケートを実施するなどして、居住者の意向を知る必要があります。その上で、臨時総会決議で名簿作成の可否をはかって名簿を作成するのがよいでしょう。もちろん最終的に名簿作成に協力するかどうかは居住者各人の判断ですが、決議されたものであればそれなりの実行力はあります。

5つの基本ルールに沿って「マンションの安否確認名簿」作成を行う

個人情報保護法の5つの基本ルール

その1:個人情報を取得する際のルール
その2:個人情報を利用する時のルール
その3:個人情報を保管する時のルール
その4:個人情報を他人に渡す時のルール
その5:本人から個人情報の開示を求められた時のルール
(個人情報保護委員会 「中小企業、小規模事業者のみなさまへ」より抜粋)※外部サイト

ここでは「マンションの安否確認名簿」を作成する場合に限って、5つのルールを適用して具体的に考えてみましょう。総会決議にはかるにしても、どのように個人情報を取り扱うのかを明示していなくては居住者も不安を覚えます。

【「災害時の安否確認のための居住者名簿」作成について】の依頼書サンプル

個人情報を取得・利用・保管する時のルールの他、他人に渡す時のルール本人から個人情報の開示を求められた時のルールについてもすべて明記した上で、居住者へ説明しましょう。

※画像クリックで拡大表示(PDF:343KB)

国崎が考える、マンション内での個人情報の取り扱いのポイント

私が考えるマンション内での個人情報の取り扱いのポイントは以下の5つとなります。

①個人情報を含む書類を作成する際の、作成目的の明確化

自然災害などの有事が発生した際に、住民の安否を確認することを目的に作成するなど、何のために作成するのかを明確にします。

②個人情報を含む書類の運用

災害時には災害対応に関わる者に情報を伝えて迅速に住民の安否を確認するなど、実際にどのような状況で使用されるのかを明確にします。

③個人情報を含む書類の保管

書類はどのように作成、保管されるのかを明確にします。
例)管理室内のパソコンで作成し、作成したデータにはセキュリティをかけます。3部コピーを取り、通し番号を付けて、施錠できる金庫に保管します。書類を改定したときは、古い書類は必ずシュレッダーにかけて処分します。

④個人情報を含む書類の閲覧制限

個人情報は管理者を明確にして閲覧できる範囲を決めます。閲覧記録を作成し、いつ、誰がどのような目的で使用したかが、わかるようにしておきます。
また、役員の改正が行われた際には、個人情報を含む書類の取り扱いを引継ぎし、管理者の名前を変更します。

⑤個人情報を含む書類の取り扱い

個人情報を含む書類を訓練や会議で使用する際には、第三者の目に触れる場所に放置しない、紛失しないように取り扱いに留意します。

個人情報保護法改正によって、マンション内で居住者名簿作成などの作成がますます困難になるとお考えの管理組合もいらっしゃるかもしれませんが、きちんと法律に則って運用すればよいことです。災害時に安否確認で救える命があるかもしれません。マンション内で助け合うためにも、安否確認名簿はさらに重大な役割を持っているといえます。

ぜひこの機会に、その重要性を問うと共に、個人情報保護に対する知識を学んでください。

個人情報保護委員会のウェブサイトでは、FAQや資料を提供していますので、疑問点などは問い合わせてみるとよいでしょう。

「マンション防災支援」サイトでは、PDFで以下の情報をダウンロードできますのであわせてお役立てください。
防災パスポート「マンションの安否確認名簿」【いのち】●安否確認の考え方(PDF:359KB)※外部サイト

個人情報保護法についての詳細は、以下サイトで確認できます。
個人情報保護委員会ウェブサイト※外部サイト

2017/08/09

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


株式会社危機管理教育研究所

一般社団法人危機管理教育研究所


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