地域住民“みんな”でつくるコミュニティの一環、マンション・マルシェとは?

マンションの1室で開かれる、手作り品を売るマルシェ――“Hinode Sunday Market”。マンション内で開くことでどんな良さがあるの? 居住空間との兼ね合いはどうしているの? 主催者と出店者、住居者に聞いてみました。

マンション内のシェアスペースで人と人をつなぐ「マルシェ」を開催

“Hinode Sunday Market”が開かれたのは、豊島区東池袋にある賃貸マンションの一室「日の出ファクトリー」。そこはものづくりができる場所として、マンション内でつくられた、まちに開かれたシェアスペースです。
マンションのコミュニティ事例!ものづくりでつながるマンションのシェアスペース~日の出ファクトリー~

今回で3回目となり、マンションの住居者や地域の人たちが多く集っていました。運営会社の「合同会社日出家守舎」代表の中島明さんは、Hinode Sunday Marketが出店者同士や出店者とお客さん、お客さん同士がつながる場になればと思い開催しています。軽やかに人と人の間を動き回る中島さんの姿に、その思いを強く感じました。
「大きくなくてもいいから、あたたかくて顔の見えるマルシェにしたい」と話す中島さん。明るい室内に寄り添う笑顔と楽しそうに話す声……、まさにそこには居心地の良い空間がつくり出されていました。

出店者やお客さんも地域の人が多いので、買い物を通した新たなつながりも生まれています。

このマルシェで得られるものとは?

今回出店していたのは、「@craft」「mwezi」「studio pepe」「Fig&Arts」「happah」「FOOD unit GOCHISO」「オートルコーヒー」「のあそびっこプロジェクト」。どの店もていねいに手作りされたものや、心をほっとさせてくれるものを並べていました。マンション内マルシェの良さを出店者に聞いてみました。

①屋内なので天候を気にすることなく実施できる

主催者の中島さんの声掛けもあって、出店者同士のコラボやお客様との交流が楽しめるのが、出店者の面々を把握できない大規模なマルシェとの大きな違いです。

@craft(輸入壁紙を使った雑貨を制作):名刺入れの材料となる輸入壁紙は、地域の業者で余ったものを利用しています。エンジョイボタニカルライフ推進室のとコラボレーションで観葉植物も販売。

②室内なのでとどまってじっくり見てもらえる

屋外だとお客様が通り過ぎてしまいがちですが、室内なのでとどまってじっくり見てもらえます。同じ空間を共有している他の出店者から刺激を受け、創作のヒントにもなっています。

mwezi(タッセルと巻き玉のアクセサリー、雑貨制作):じっくり見てもらえる空間なので、長さを調節するなどのカスタマイズもできます。

③地域の人と関わることができる

Studio pepeは、東京都豊島区内で精神障がい者を支援する、地域活動支援センターフレンド内にある工房で作業をしています。地域の人が集まるこの場で販売し人と関わることで、障がい者に対しての理解を広げる機会にもなっています。

Studio pepe(オリジナルのレザー・ファブリック・ニットを制作):看板商品は、地元の米屋の米袋を活用して作ったオリジナルトートバッグです。

人間関係が気薄になりがちなマンションですが、1室を地域に開いたことで狭い空間が生かされ、人とのつながりを厚くさせているようです。

マンション内の「気軽に立ち寄れる場」がコミュニティを活性化させる

外からHinode Sunday Marketの会場に入るには、住居用のオートロックのエントランスとは別の階段を上がります。地域に向けて開いている場所ですが、居住エリアと上手く分けることで、住居者がセキュリティ面を心配することがないようになっています。
「子どもとアイスを買いに行くついでに寄りました」と笑顔で語る住居者Aさん。休日は子どもと一緒に過ごしたいAさんにとって、遠出せず時間も気にせず階下に降りるだけで行ける気楽さは魅力のようです。

Marketは第3日曜日に実施しています。その日は、近所のカフェ・KAKULULUに出張パン屋(ベーカリーミウラ)が来るので、お客さんがMarketだけでなくカフェやパン屋も回遊でき、より楽しんでもらっています。こういった工夫が、近隣住民の行き交う機会を増やすことになるのでしょう。

外階段でつながる、Hinode Sunday Marketが開かれる時の日の出ファクトリー。
日の出ファクトリーの記事についてはこちら

出店者の「顔が見える」安心感と、住む場所からふらっと立ち寄れ、人と人、人とものが出合っていく楽しさのあるHinode Sunday Market。他のマンションにもこのような場があれば、コミュニティも自然と広がっていくのかもしれません。

文:前田加奈(Loco共感編集部)

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