熊本地震から1年、室内の家具固定をしていないと起こりうる危険をいま一度チェック!

東日本大震災から6年、熊本地震から1年。あれほど大きな災害を体験してもなお、まだ自宅の家具固定をしていない家庭が多いようです。いま一度、家具固定の大切さを考えてみましょう。

東日本大震災から6年、自宅の家具固定を行っている人の少なさ

東日本大震災、熊本地震という大きな災害を目の辺りにし、人々の防災意識が高まって、そろそろ防災対策の重要性が根付いた頃ではないかと考えていましたが、そうではないようです。

マンション・ラボが2017年1月にマンション住民を対象にしたアンケート結果を拝見すると、大地震が発生しても約半数の人が「たぶん無事だと思う」と回答しています。

アンケート「東日本大震災から6年、マンション住民の地震対策の現状とは?」

もちろん万全な防災対策を行っていれば問題はないのですが、回答者のほとんどが「家族が被害を受けること」を怖れている一方で、実際に「自宅で行っている地震対策」の1〜2位は飲料水や食料の備蓄で、命を守るために一番大切な「家具や電化製品の固定」は6位という結果でした。防災対策の優先順位はまず命を守ることです。どれだけ備蓄が合っても、命あればこそだという意識で、いま一度室内の安全対策を考え直してみてください。

マンションの部屋で家具固定をしていないと、家具や家電が凶器になりうる!

アンケート回答者は躯体のしっかりしたマンションにお住まいの方が多いせいか、マンションの耐震性や安全性に過信し、ご自宅の安全管理を疎かにされていると感じました。

家具固定をしていない部屋でM8クラスの長周期地震動が起こった場合、どのような結果になるのかは、防災科学技術研究所のE-ディフェンスで公開されている実験動画をご覧ください。

長周期地震動に関する振動台実験(2009年9月)(外部サイト)

地震対策を施していない室内では、食器棚は転倒、食器やガラスが床に散乱し、キャスター付きの冷蔵庫やテレビが部屋中を恐ろしい速度で動き回ります。このような被害に遭ったとき、人は5分と立っていることはできません。もしこれが小さいお子さんのいる部屋で起こったら?と思うと、恐ろしいです。

また、熊本地震ではマンションの室内に閉じ込められた人が携帯電話で外部に救助を求めた事例がありました。この方はたまたま携帯電話を持っていたからよかったのですが、もし携帯を持っていなかったらと思うとぞっとします。
熊本・大分地震に学ぶ!マンションに閉じ込められた人からのSOS


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2017/04/14

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


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一般社団法人危機管理教育研究所


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