マンションの長期修繕、積立金や修繕計画って?気になるときが関わりどき!

分譲マンションに住んでいるといつかは必ず直面する、マンションの長期修繕。
「果たして今の積立金で修繕費用は足りているのか?修繕計画はどうなっているのか?」気になるところではありますが、マンション理事会に出ない限り意外と知るタイミングがわからないものです。
今回は、NPO法人かわさきマンション管理組合ネットワーク(以下、川管ネット)にお伺いして、「長期修繕計画」の基本とマンション住人としての心構えについて聞いてきました。

長期修繕計画とは?

「長期修繕計画」は、分譲事業者から提示される将来見込まれる修繕工事の内容と、おおよその時期や費用の概算などを盛り込んだもので、これによって修繕積立金の額が決まります。分譲マンションの場合、毎月支払っている積立金の金額はこれを元に設定されています。

では、修繕積立金の額はどうやって算出されているのでしょうか?
国土交通省策定の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(以下、「修繕積立金ガイドライン」)(2011年4月策定)によると、一般に長期修繕計画は、修繕積立金とともに分譲事業者から提示されます。
長期修繕計画の作成方法や、そこに盛り込むべき内容については、国土交通省が作成・公表した「長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメント」(2008年6月)で説明されています。
「修繕積立金ガイドライン」は全21ページありますが、PDFデータとなっていて、修繕積立金に関する基本的な知識から額の目安まで示され、読みやすい内容です。

マンション購入時は頭金の準備や住宅ローン、新居用のインテリアなど検討するものが多く、分譲事業者からの長期修繕計画について、精査する余力がないものです。しかし、長く住むマイホームのこと、まずは「修繕積立金ガイドライン」に目を通し、分譲事業者からの長期修繕計画を読んでみると良さそうです。

見直しありきの長期修繕計画

修繕積立金ガイドラインにも記載がありますが、長期修繕計画は将来実施する修繕工事の内容・時期・費用などを確定するものではなく、一定期間ごとに見直していくことを前提としています。
例えば、修繕工事の内容は計画作成時のマンションの現状や仕様などをもとに設定しています。しかし、修繕工事の目安である12年後や30年後には、技術革新や材料等の変動により異なる点が出てくるのが実情です。
川管ネット専務理事の廣瀬昇さんは、「長期修繕計画はあくまでも目安。5年ごとに見直すつもりで」と言います。居住マンションが5年を超えているようでしたら、まずはマンションをぐるりと回り、共有部分の気になる点を確認し、長期修繕計画内容と見比べてみることが肝心のようです。

右から川管ネット副会長の香川泰男さん、専務理事の廣瀬昇さん、理事の鈴木義昭さん

修繕積立金とは?

「修繕積立金」は分譲事業者が、長期修繕計画策定時にさまざまなマンションの要因によって算出しています。たとえば、超高層マンションでは外壁等の修繕のために、仮設足場やゴンドラなどを使うので当然費用が上がります。最近の新築マンションにみられるラウンジやゲストルーム、スポーツジムなどが併設されているところは、その分修繕費用も上がります。また一般的に建物規模が大きくまとまった工事ほど、施工性が向上し、修繕工事の単価が安くなる傾向があります。
修繕積立金ガイドラインでは、これらの要因で異なる84事例から、積立金の平均値と事例の大部分が収まる費用帯を示しています。もちろん、これらの修繕費用も、時代によって要因が変わるため、長期修繕計画とともに定期的な見直しが必要です。

修繕積立金の積立方法について

修繕積立金の積立方法には、基本的なもので大きく2つあります。
・均等積立方式:長期修繕計画で計画された修繕工事費の累計額を、計画期間中均等に積み立てる方式
・段階増額積立方式:当初の積立額を抑え段階的に積立額を値上げする方式

段階増額積立方式は、入居時の積立金は少ないのですが、修繕時に一時金を徴収したり、将来の負担増を前提とする積立方式であったりしますので、購入時の積立方法がどうなっているのか、よく確認が必要です。また均等積立方式であっても、修繕計画の見直しによって増額する場合もありますので、個人的にも修繕積立金の増額を想定しておいた方が良いようです。

川管ネットでは、個別相談のほか、マンション管理についてのセミナー開催や神奈川県のマンション管理についての情報誌の発行も行っています。

川管ネットの理事であり、一級建築士でもある鈴木義昭さんは「ときどき、マンションを上から下まで見て回っておくことが大事」と言います。修繕計画に入っている内容が、本当に自分のマンションに必要なことなのか?自分の目で確かめることが、長期修繕計画の見直しにつながります。そして、長期修繕計画を見たことがない方、まずは資料の確認から始めてみましょう!

修繕については以下の記事でも詳しくまとめていますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
マンションには必須!修繕に関する記事まとめ

(文:Loco共感編集部 衣笠可奈子)

2017/02/13

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