マンション防災対策、災害用トイレとして代用できる「大人用おむつ」徹底検証!【総括編】

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前回の記事を通じて、マンションの災害用トイレとして、大人用おむつがどのように活用できるかを考えてみました。

マンション室内では「災害用トイレ」、外での活動時に「大人用おむつ」で使い分ける

大人用オムツは使い慣れるまでにコツが必要かもしれません。

大人用おむつは使い慣れるまでにコツが必要かもしれません。

大人用おむつには、寝たきりで排泄介助が必要な方向け、寝たきりでなく歩き回れる方向けのものなど、いくつかの種類に分かれます。使用テストで紹介したように、パンツタイプのものの方が災害時のマンションの外での活動向きです。

実際に着用試験を行った編集部員からは、座って使用していたために漏れてしまって失敗したという報告もありました。私の場合は、被災地で動き回って使っていたので失敗したことはありません。動いて漏れないかどうか、失敗しないかどうかは一番気になるところです。使い慣れていない方には事前に体験してみることをおすすめします。

マンション内被災生活では固定式の災害用トイレを使い、被災時の戸外での活動や出先で大人用おむつを使用するという併用で考える方がよいでしょう。水が使えない被災時は、下着の洗濯もままなりません。大人用おむつは、災害時の下着替わりにも使えます。

ご自宅に大人用おむつを使っている方がいれば、そのストックが災害時にも使えるということがおわかりいただければよいかと思います。

大人用おむつも災害用トイレも、使用後の置き場所まで考えておくことが重要

ご夫婦2人・お子さん1人の3人家族が、大人用おむつを2個使ったとして、1日分の使用後のゴミの量はこの位のサイズとなります。

ご夫婦2人・お子さん1人の3人家族が、大人用おむつを2個使ったとして、1日分の使用後のゴミの量はこの位のサイズとなります。

使用テストでわかったように、大人用おむつや災害用トイレは使用後にかさばることがデメリットです。大人用おむつは、防災備蓄品としてはかなりかさばりますが、戸外での活動時には役立ちます。TPOを考えて検討してみてもよいでしょう。

またマンションのルールにもよりますが、基本的に災害時にはマンションのゴミ置き場に使用後のトイレのゴミを出すことができない場合が多いです。大人用おむつにせよ災害用トイレにせよ、使用後は消臭袋に入れて、専有部のどこかに置いておく必要があるかもしれません。

バルコニーに置いておけばよいと思われるかもしれませんが、バルコニーが非常時の避難経路ということを考えると、ゴミを積み上げておくこともできません。浴室などに保管することを考えないといけないでしょう。
そんなときには、赤ちゃん用おむつなどを入れる消臭袋があると役立ちます。最近の消臭袋は高機能なものがありますので、災害用トイレや大人用おむつの備蓄と合わせて、消臭袋も用意しておくとよいでしょう。

災害時に数日食べられなくてもなんとかなりますが、半日もトイレを我慢することはできません。災害時のトイレ問題やゴミ処理については、マンション全体でどのように考えるのか、最後の処理問題に至るまでしっかりと考えておきたいものです。

この大人用おむつの使用テスト記事をきっかけに、マンションの災害用トイレとしての大人用おむつの活用についても、ご家族や管理組合で一度話し合ってみてください。

こちらも参考にしてみて下さい。
マンション防災対策、災害用トイレとして代用できる「大人用おむつ」を徹底検証!【試験編】
災害用トイレはどれが使いやすい?災害用簡易トイレの使用テスト

2017/02/10

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


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