築約40年の賃貸マンションが、DIYでオシャレな“レトロナチュラル”インテリアに大変身!

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「傷つけてはいけない」など制限のある賃貸マンションは、自分たちの思い描く空間をつくろうとDIYするにもやりにくさがあります。それをセンスとアイディアを生かし、自分なりの空間を生み出しているのが深澤朋実さん。
部屋のあちこちに手作りのものがありますが、その空間は生活感を感じさせない洗練されたもの。それでいて、思わず寝そべってのんびりしたくなるような、落ち着いたステキな場所になっています。
どうやったらこんな部屋づくりができるのか? 話を伺いました。

【取材者・住環境紹介】

家族構成:夫婦2人暮らし
~賃貸公営マンション~
築年:1980年前後
転居年月:2013年
間取り:2LDK
広さ:55平米
階数:14階建て高層階

賃貸契約前に念入りに内観チェックを!

朋実さんのマンションは大型団地の一室。築年数約40年のため外観や間取りには古さがありますが、ターミナル駅近くの好立地ながらも、手頃な家賃設定から人気があり競争率が高い物件でした。
「駅近で高層階」を絶対条件としていた朋実さん夫婦は、内覧では壁の色やキッチンの仕様・色・質感など、DIYでは変えることのできない部分に対しては妥協せず念入りに見定めました。「多少気になるところがあってもDIYでどうにか出来るから大丈夫! と思っていた」朋実さんは言います。
管理機関から「木の部分には釘を打って良い」との言質も得て、DIYの腕をふるえる幅の広がりを感じ、賃貸契約を決めました。

DIYを始めたきっかけは必要に迫られて

朋実さんがのDIYを始めたきっかけは、以前住んでいた築40年の社宅があまりにも古く、工夫して手を加えないとどうにも住みづらいかったことが発端。言わば必要に迫られてのことでした。しかし手がけてみると、自分好みのものを作ることが面白く、今ではDIYは自然なこととして朋実さんの中に根付いています。

一般的にDIYというと、「使い勝手重視で、便利グッズもあらわな手作り感のあるもの」が思い浮かんでしまいますが、朋実さんの場合は一線を画しています。生活動線も確保した機能性抜群なのはもちろんのこと、見た目もオシャレで“理想の形”といっても過言ではないのです。
また、業者に作業を依頼したなら大変な価格になるようなことを、よほど力が要る作業の時以外ほぼ朋実さん一人でこなしています。作業前にはご主人に意見を聞きますが、基本的に信頼してくれていて、NGが出たことは今のところありません。

朋実さんの愛読書「FLAT HOUSE」。これを参考にDIYしたり、センスを刺激されたりしています。

朋実さんの愛読書「FLAT HOUSE」。これを参考にDIYしたり、センスを刺激されたりしています。

“レトロナチュラル”の部屋のつくり方

朋実さんのDIYの最大の軸は、「生活感を出さない」ことと「動線を重視する」こと。この2点を大切にしています。現在の部屋のテーマは“レトロナチュラル”で、古道具をポイントにベースカラーを白・黒・茶で統一。アクセントにシルバーや植物のグリーンを足し、ご主人にホッとしてもらえる居心地の良い空間を演出しています。

材料は特にお金をかけているわけではなく、できるだけ抑えるようにしています。祖母や友人から譲り受けたものやアンティークショップ、のみの市で見つけた味わいのあるものが中心――これらが朋実さんのテーマ、“レトロナチュラル”な部屋の雰囲気を形づくっています。
支える部品や塗料などはホームセンター、そして賃貸DIYに必須のつっぱり棒は主に100円ショップで手に入れます。ただ同じ100円ショップのつっぱり棒でも、クリーム系や真っ白系など店ごとに色合いが異なるのだとか。これは目からウロコ! ぜひ参考にしたい豆知識です。朋実さんは、設置場所に合わせてつっぱり棒をセレクトしています。そのhow toを紹介してもらいました。

好みの味わいにモノを合わせる方法

ふすまがないリビング(入居前より)は、広々と使えるダイニングスペースになっています。
パッと目に入ってくる大型の食器棚は結婚時に購入したもの。大きいだけに部屋の雰囲気を邪魔しがちですが、それがありません。ツルツルピカピカのウレタン塗装だったものを、塗装剥離剤で丁寧に剥がし素朴な風合いにし、アンティーク調に仕上げることで周りになじませています。

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食器棚内部にも工夫がされています。
上部は扉がガラスになっていましたが、食器が丸見えだと生活感が出ると感じ、中扉を設置して目隠しをしました。中扉は蝶番で取り付けてあるので開閉ができます。ガラスに直接貼らないので、中扉を替えたい時や他のアイテムとして使いたい時には取替可能。朋実さんの発想力と応用力の高さが感じられます。

食器が見えると見えないとでは、大きく部屋の印象が変わります。

食器が見えると見えないとでは、大きく部屋の印象が変わります。

見た目の良さと使いやすさのつくり方

リビングから見えるキッチンスペースは、開放的な空間が広がります。キッチングッズなどは中にしまってあり、見た目スッキリ。そのヒミツは、シンクからくるりと振り向けばモノが取り出せる、動線を意識した棚にあります。
元はシューズボックスだったものを、しっかり掃除してから白くペイントし、スライドレールをつけて引き出しを自作。ごちゃつくお玉やヘラなどを一括収納しました。また調味料を入れた瓶が収納できる棚も自作し、二つ並べた収納棚はスッキリしながらも便利さのある、まるで「魔法の箱」です!

同じ瓶に塩や砂糖など調味料を入れ統一感を演出し、収まりやすくしています。また、中のスプーンの色を変えることで調味料の見分けがつくようになっています。朋実さんの何気ないアイディアが私たちの暮らしのヒントになりそうです。

同じ瓶に塩や砂糖など調味料を入れ統一感を演出し、収まりやすくしています。また、中のスプーンの色を変えることで調味料の見分けがつくようになっています。朋実さんの何気ないアイディアが私たちの暮らしのヒントになりそうです。

上部空間利用の仕方

ソファを置いている天井までの空間には、横長の棚を設けCDを収納しています。
長押(なげし=柱を水平方向につなぐ横材。和室の名残り)に棚受けを釘打ちし、あらかじめ作ったBOXを設置しました。「木の部分なら釘を打っても良い」との条件を大いに活かしたものです。見逃しがちな空間も眠らせておかない収納アイディアに驚きます。

CD棚は淡いグレーのペインティングが部屋にマッチ。ディスプレイもステキ!

CD棚は淡いグレーのペインティングが部屋にマッチ。ディスプレイもステキ!

キッチン奥の和室はタンスやハンガーラックなどを置いた身支度エリア。
板チョコレートみたいな可愛い扉を取り付けた手作り棚の他、窓上には「棚受けレール」と呼ばれる高さを調節できる棚柱とカーテンレールを上手に組み合わせ、紙BOXを置いています。こちらは現在進行中のミッションで、箱の中はまだ空っぽ。近々靴を収納し、写真を貼って分かりやすく収納する予定です。

「同じもので揃える」のも見た目スッキリのコツ。

「同じもので揃える」のも見た目スッキリのコツ。

まず木材を天地に渡し、その上から棚受けレールをつける一手間かけた仕事です。

まず木材を天地に渡し、その上から棚受けレールをつける一手間かけた仕事です。

トイレ内も、空間を利用してしっかりとした収納とディスプレイができる場所をこしらえています。床から天井につっぱりパーテーションを設置し、香りのスプレーや小物をセット。生活感を感じさせる配管から目をそらせる効果も生み出しています。またタンクと壁の間にはミニミニつっぱり棒を渡し、上から板を置いて小物が飾れるようにしています。
トイレは必ず利用するスペース。だからこそ、手洗いに必要なグッズが置ける他、清潔感と快適な使い心地にしたいものです。このトイレにはそれがかなえられていて、「トイレの神様」がいそうな気がしてきます。

必要なものをさりげなく。

必要なものをさりげなく。

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センス良く見せる方法

朋実さんは最近「金継ぎ」の仕事をスタートさせたばかり。「金継ぎ」とは、器の割れや欠け漆と金で美しく修繕する伝統技法(http://dropwork.petit.cc/(外部リンク))です。朋実さんの、モノに新たな輝きを加える技とセンスの良さは、知人を中心に徐々にオーダーを増やすほどで、それがDIYにも生かされているようです。
玄関の床は、DIYで出る端材にステインのこげ茶を施し、きれいに敷き詰めたもの。落ち着いたエントランスを作り出しています。来た人に「部屋はどうなっているんだろう?」そんなワクワク感を抱かせてくれます。正面の手作りのコート掛けは、木の部分にだけ釘を打ってこしらえましたが、重い服もバッグでもびくともしない頑丈な作りで心配なく使えます。

やさりげないディスプレーは、来客者を迎えてくれている気持ちが伝わってきます。

さりげないディスプレイは、来客者を迎えてくれている気持ちが伝わってきます。

リビングダイニングの一角の朋実さんのワーキングスペースは、自分仕様に作った道具棚で仕事がしやすい作りになっています。どんな部分でも雑にせず、丁寧に動線を考えた心地良さと使いやすさ――そこかしこに工夫と技、朋実マジックでセンスにあふれています。

手を伸ばせば道具に届く仕事しやすいワーキングスペース。修繕途中の器を収めている茶箱にはキャスターも付け、引き出しやすくさせています。

手を伸ばせば道具に届く仕事しやすいワーキングスペース。修繕途中の器を収めている茶箱にはキャスターも付け、引き出しやすくさせています。

思い描いた雰囲気の部屋を自分で作り出してしまう朋実さんは、部屋の見直し・改善・DIYはまだまだ進行中、常にどうしたら暮らしやすくなるかを考えています。
「『毎日おいしいごはんを作りたい』と思う気持ちと、同じレベルでDIYがあるだけかな」――こうと語る朋実さんがつくり出すものは、どこを見ても「すごーい、ステキ!」と歓声をあげてしまいます。
ステキな感性とセンスは真似できないかもしれないけど、動線の考え方やデッドスペースの利用方、つっぱり棒豆知識などなら、私たちにも実現できそうです。
(文:Loco共感編集部 谷﨑彩子)

2017/01/11

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