災害時の車中泊避難に向いている人と向いていない人、メリットとデメリット

pixta_22329044_s

災害時の車中泊避難には、向いている人・向いていない人、メリット・デメリットがあります。その点についてご説明します。

車中泊避難に向いている人・向いていない人

車中泊避難は、避難所での団体生活に比べると、気が楽でプライベートを確保できます。しかし、人によって向き不向きがあります。その点をきちんと理解しましょう。

・車中泊避難に向いていない人:高齢者、大家族、病人、女性単身者

気温の変化に弱く、脱水症状になりやすい高齢者の方は車中泊避難には向いていません。熊本地震で多くの高齢者の方々が車中泊をされていましたが、1週間ほどで足がパンパンにむくみ、限界を感じて避難所に入った方もいらっしゃいました。高齢者には、車中泊避難はお勧めできません。
家族の人数が多い方の場合は、お子さんが小さければまだよいのですか、大きいお子さんがいるご家族は1台の車ではスペース的に無理があります。また、持病がある方も車中泊避難には向いていません。女性の単身者の車中泊避難も、防犯面に不安があるのでお勧めしません。

・車中泊避難に向いている人:男性単身者、ペットを飼っている人

熊本地震では、単身者の男性が車中泊避難をしているケースが多く見られました。日中は職場に仕事に行き、寝るときだけ車中泊にするという使い方であれば、エコノミークラス症候群の心配もありません。日中に役割があって外出していることが多い単身者には向いているといえるでしょう。
単身者の中には、ペットを飼っていて避難所には一緒に入れないからと言う理由で車中泊避難している方がおられました。ペットがいる場合は、トランクが独立しているセダンタイプではなくワゴン車が役立ちます。

車中泊避難のメリット・デメリット

・メリット:プライバシー、エアコン、情報入手、充電

車中泊避難は、プライバシーの確保、エアコン完備、ラジオからの情報入手がいつでも可能、携帯電話やスマホの充電ができる、といった面でメリットがあります。
セキュリティ面では、窃盗の心配がなく(避難所では充電中の携帯電話が盗まれるという被害もありました)、身辺を安全に保てるため、精神的なストレスを軽減できます。
性格的に避難所という団体生活に向いていないという方には、自分のライフスタイルを確保できるという点において、メリットが大きいでしょう。移動が簡単なので、避難所へ行って救援物資や食事を受け取ることもできます。

・デメリット:ガソリン代、エコノミークラス症候群、不眠、虫、トイレ、防犯

車中泊避難での大きな問題は、ガソリン代がかかるということでしょう。虫や暑さ対策、プライバシー確保のために閉め切っていることも多く、常時エアコンを点けている必要があります。
前の記事でご紹介したように、「エコノミークラス症候群、不眠、虫、トイレ、防犯」という5つの問題があることを念頭に入れておく必要があります。

熊本地震の調査から考える、マンション敷地内での車中泊避難の注意点と必要装備

車中泊避難で注意すべき点、運転前の足元確認、火気厳禁、防犯対策

車中泊避難が長期化すると、車内に細々した生活雑貨が増えます。
小物が転がってブレーキの邪魔をする可能性があります。運転前には、運転席の足元に子どものおもちゃや小物などが転げ落ちていないか、必ず確認してから発進させてください。

また、車内での火気厳禁を徹底しましょう。シガーソケットからの携帯の充電やバッテリートラブルから起こる電気火災にも注意が必要です。こまめな換気を欠かさずに。

防犯面を意識して、いかにも若い女性が好みそうな車種・カラーの車で車中泊をする場合は、あえて男性も一緒にいる雰囲気を演出してください。近くにテントがあったらわざと男性ものの下着や靴下を干す、男性用バッグを見えるところに置く、男性が好みそうなステッカーを車体に貼るといったことも有効です。マンション敷地内での車中泊避難は、住民同士で呼びかけてコミュニティの連帯感をアピールすることが効果的です。

災害時、機械式立体駐車場は絶対に使用しない

これは大切なことですが、災害発生時や発生後しばらくは、安全が確認できるまでマンション内の機械式立体駐車場を操作することは止めてください。停電時に使用できないのはもちろんですが、電気が開通した際に安全確認なしに作動するのは危険です。

もし、車の運転中に地震が起きたら?車の避難行動

車中泊避難のメリット・デメリットをよく考えた上で、マンション全体で車中泊避難をどのように取り扱うのか、この機会にぜひ検討してみてください。

マンション・ラボ関連サイトでも車中泊避難について役立つ防災グッズを紹介していますので、あわせてご覧ください。
つなぐネットコミュニケーションズ マンション防災支援(外部サイト)
e-mansion life(外部サイト)

2016/12/27

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


株式会社危機管理教育研究所

一般社団法人危機管理教育研究所


↑ page top