防災訓練アイデア集!家庭で「マンション内被災生活」のシミュレーションを

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もし大震災が起こっても避難所に入れず、マンションで被災生活を過ごすことになったら? 「マンション内被災生活」をシミュレーションする防災訓練のアイデアをご紹介します。

「マンション内被災生活」体験シミュレーションを行ってみましょう

前回の記事では、ご自宅で防災訓練を行った母子の訓練内容をレビューしました。大地震が起こった場合、マンション居住者は避難所に入れず「マンション内被災生活」をおくる可能性があります。その時に備えて、ご家庭でもライフラインが使えない「マンション内被災生活」を家族でシミュレーションしてみてください。何が必要で、何が必要でないのか?防災備蓄品の見直しにも役立ちます。今回は、「マンション内被災生活」の体験シミュレーションのアイデアについてご紹介します。

時間を区切って、電気・ガス・水道の使えない状態を体験する

朝9時から夕方5時まで、などのように時間を区切って、その時間内は、電気・ガス・水道がすべて使えないというルールで、ふだんの生活を過ごしてみてください。
ただし冷蔵庫の電源まで切ってしまうとあとが大変なので、冷蔵庫以外はすべてコンセントから外して使えないようにする、または、冷蔵庫以外のブレーカーを落とす、などしてください。気をつけていてもうっかり使ってしまうことが多々あります。それほど、電気・ガス・水道のライフラインは私達の生活の中に、空気のようにあたりまえのものになっているのです。

訓練でやることは、いつも通りの生活

上記のライフラインを使わないというルールで、いつも通りの生活を行ってみてください。
掃除をする、読書する、勉強する、ふだんよくやっていることを、電気・ガス・水道のない状態でやってみます。そして、どんな不自由が生まれるのか、それをどうやって解決するのかを、頭を使って家族で考えてみましょう。

洗い物をしない・火を使わない工夫で食事づくり

訓練中は、お腹が空いたら、家の中にあるもので工夫して食べてください。
カセットコンロがあるなら使います。お皿を使うと洗えないので、ラップを敷いて食器を使うなど工夫してください。お皿もキッチンペーパーと除菌剤で拭き取りしてなんとかしましょう。ラップでお皿を包んで、食後に捨てれば、洗い物をしないで済みます。こんな風にいろいろなことを工夫します。

こちらの記事では、火を使わないで作れる防災ごはんを紹介しています。
マンションで、子どもたちが楽しみながら学べる防災イベントを実施しよう!

冷蔵庫の中身はすべて防災備蓄食だと考える

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災害時は電源が切れて使えなくなる冷蔵庫の中身から食べていきます。すぐに食べないといけない生鮮食料品・冷凍食品は先に、日持ちしそうなものは後で食べるように、食べる順番を考えて献立づくりをします。
冷蔵庫の中身がそのまま3〜4日分の家族の食事に使えれば、防災備蓄食は残りの日数分揃えれば、10日分の食糧が確保できます。意外に、冷蔵庫も備蓄食だと考えている人は少ないようですが、食材もドリンクも詰まっている冷蔵庫は十分「流通備蓄」のひとつなのです。

国崎流「流通備蓄のススメ」まとめ

マンションでは、災害時にトイレの水を流せない可能性がある!

マンションでは、災害時にトイレを流せない可能性があります。もし配管が損傷していたら、流した汚水が逆流することも考えられるからです。

震度5強以上の地震が起こったら、マンションのトイレが危ない?

では、水を流さないでトイレを使用するためにはどうするか? 流せる場合でもお風呂の残り湯もなければ、その場合どうするのか? この機会に頭を使って考えてみてください。
少し勇気がいりますが、防災トイレを備蓄して入れば実際に使ってみることも必要です。排泄物の臭いが気になるならば、家にあるハイターを垂らして消臭するなど、いろいろ工夫してみてください。その上で、やはり大変だということがわかったら、防災トイレをいろいろ試してみて、よいと思ったものを備蓄するようにしましょう。

災害用トイレはどれが使いやすい? 災害用簡易トイレの使用テスト

水の備蓄以外にも、家庭にはジュース、お茶、氷も使える!

防災備蓄としての水以外にも、冷蔵庫や家庭内には、ジュース、お茶、アイスキャンデー、氷など、さまざまな水分があります。製氷室の氷はコップに入れておけば飲み水になります。ふだんから氷のストックをたくさん作っておくと役立ちます。また、お子さんの好きなジュースを箱買いでストックしている家庭も多いでしょう。
国崎家では、毎日果物を欠かさないようにしていて、災害時の水分補給にしようと考えています。
非常時の水分補給の方法は、探せばいろいろあるはずです。この機会に、家中の水分補給できるものを発掘してみましょう。

[地震対策・水の備え]マンションで1家族に必要な飲料水の備蓄量は?


この訓練では、家にあるもので非常時を乗り切ってみることをコンセプトに、頭をやわらかくして何が家であるもので代用できるのかを常に考えてみましょう。実際に不自由な体験をすることが、家庭の防災力を高めてくれます。
私は、防災用品がなくても、「家にあるものでなんとか生きていけるよ」といつも家族にいっています。まず災害用品や防災備蓄品がなかったら何もできないという固定観念を捨ててみましょう。また、ふだんの生活でも環境面からゴミを減らす、電気・ガス・水道を無駄に使いすぎない、という習慣を身につけておくと災害時にも役に立ちます。

2016/10/27

プロフィール

国崎 信江

防災関連専門委員会所属。危機管理アドバイザーとして、全国で防災・防犯対策の講演を行う傍ら、NHKなどのメディアに多数出演し、広く防災・防犯情報を提供している。『マンション・地震に備えた暮らし方』(つなぐネットコミュニケーションズ)、『狙われない子どもにする!親がすべきこと39』(扶桑社)など、著書も多数。

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「減災:3月の議論」で減災コメンテーターとして参加しています。


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