家庭でできる防災訓練、マンション内被災生活をしてみよう

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防災訓練は、マンション住民全員で行うもののほかに、ご家庭でも実施できます。実際に家庭で行ったご家族の防災訓練記事へのレビューを行ってみます。ぜひ参考になさってください。

家庭で行われた一日防災訓練のレビュー

ご家族で一日防災訓練を行った、マンション・ラボの記事「あなたの防災備蓄品、災害時に本当に役立つのか?~子どものいる家庭で試してみました~」を拝見しました。
これは、マンションのお部屋でライフラインを使わずに防災訓練を行ってみたお母さんの事例記事です。

あなたの防災備蓄品、災害時に本当に役立つのか? ~子どものいる家庭で試してみました~

その防災訓練の内容を、こちらでレビューしてみます。あらかじめ上記の記事をご覧ください。

【よかった点】

・母子でのライフラインなしの生活体験は、必ず役立つはず

夏休みにお母さんが小さいお子さん二人と一緒に、自宅マンションで被災してライフラインがすべてストップしたという想定で行われた防災訓練の試み、とても素晴らしいと思いました。

日中に大地震が起こった場合、マンションにいるのはお母さまとお子さんという可能性が高いので、家族全員が揃っていなくても、それぞれが自助行動をとれるようにしておくのがとても大切です。ぜひ今後も継続的に続けていただければと思います。

お母さんとお子さんとで、どうやってライフラインなしで乗り切ればいいのか体験したことが、お子さんにとっては自信になるでしょう。

他にもこの連載記事で、マンションの玄関や廊下を使った、「親子で災害体験」のアイデアをお話していますので参考にしていただければと思います。

玄関や廊下で眠ってみる。親子で「災害体験」のすすめ

【検討してほしい点】

・災害時でも、子どもの不安を取り除いてあげる配慮が必要

マンションで行った避難所での生活想定ということで、「一畳だけのスペースで過ごす」「おもちゃを使用禁止」という厳しいルールでしたが、お子さんには少し酷だったかもしれません。
実際の避難所生活では、大きなストレスを受けているお子さんたちには、なるべく不安を取り除いてあげるために、空間や物が限られた中でも集中してできる取り組み(読書やものづくり、絵描きなど)を年齢に合わせて考えてあげましょう。地震の揺れで心が不安になっていますから、できるだけそばにいて一緒に遊ぶと、お子さんも安心します。

・ライフラインなしのマンション内被災生活を体験してみる

前提として都市部のマンション居住者は、大災害時の避難所の不足から避難所には入れない確率が高いとお考えください(自治体もマンション居住者には、自宅避難を勧めている場合があります)。

『マンション内被災生活』という考え方(外部サイト)

次回は、「自室でマンション内避難生活を過ごす」という前提で訓練をやってみてください。その際も、ライフラインをすべて使うことなく、朝から夕方まで、なるべくふだん通りの生活を過ごすようにしてみましょう。何が代用できて、何が必要なのか、ほんとうに必要なものが見えてくるはずです。そして、体験して必要だと痛感したものを備蓄するようにしましょう。

・持ちだし用防災品と、マンション内被災生活に必要な防災品を分けて考える

防災備蓄品は、状況に応じて分けて揃えましょう。
1 いますぐ安全な場所へ逃げる
2 避難所に持参するもの
3 マンション内避難生活で使うもの
と分けてみます。

訓練体験後に揃えようと思った備蓄品リストについても、避難所に持参するものか、自宅での避難生活で使うものなのか、分けてお考えになった方がよいと思います。

・ほんとうに必要な備蓄品なのかどうかを再検証する

また、今回自分でリストアップしたものが、ほんとうに必要な物なのか、再度検証してみましょう。
たとえば、
・ロープは何のために必要なのか?
・作業中にすぐ消えるマッチは本当に使えるものか?
→チャッカマンなどの点火用ライターの方が安全

など、実際に使う視点に立って用途を考えてみてください。

「防災訓練」ではなく、「防災シミュレーション」だと考えてみませんか?

「防災訓練」というと、なんとなく堅苦しいイメージになって、義務感もつきまとってくるようです。今回のように家庭で行う「防災シミュレーション」や「防災トレーニング」だと考えてみてはいかがでしょうか? 体験したことは深く人の心に刻み込まれます。ご家族やお友達家族と一緒に、マンションのお部屋でできる「防災シミュレーション」や「防災トレーニング」をぜひみなさんもやってみてください。

また、近隣の防災センターに出かけて体験するのもおすすめです。防災センターは全国にありますので、親子でお出かけがてら行ってみてください。

阿倍野防災センターで倒壊した町や震度7の揺れを実体験!

2016/10/07

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


株式会社危機管理教育研究所

一般社団法人危機管理教育研究所


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