地震速報「ゆれくるコール」の誤報問題〜なぜ誤報で怒ってしまうのか?

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8月に配信された「東京湾マグニチュード9.1」という地震速報の誤報は、人々を震撼させました。誤報に対して怒った方々も多くいたようですが、これを戒めとして、ご自分の避難行動を見直してみませんか?

「東京湾が震源のマグニチュード9.1の地震発生」8月1日の誤報の理由

8月1日17時過ぎ頃に配信された、地震速報アプリ「ゆれくるコール」や「ウェザーニュース タッチ」の地震速報「東京湾でマグニチュード9の地震発生」の誤報は、多くの人々を驚かせました。

8月1日に受信した地震速報アプリ「ゆれくるコール」の画面(その後、誤報として取り消されました)。

8月1日に受信した地震速報アプリ「ゆれくるコール」の画面(その後、誤報として取り消されました)。

その後、気象庁により、地震が発生していないにもかかわらず1つの観測点での大きな信号を観測したため、一部事業者に誤情報が発信された旨の訂正と説明が行われ、さらに8月26日には、技術的対処や事業者への周知徹底を行うことを定めたという今後の対処策について発表されました。

気象庁

平成28年8月1日17時09分頃に発表した緊急地震速報(予報)について(平成28年8月1日) (外部サイト)

緊急地震速報(予報)の誤情報の発表への対処策について(平成28年8月26日)(外部サイト)

怒ったのは、緊急地震速報への信頼性や期待度の高さの裏返し!?

日本の最先端技術を以てしても、地震という自然現象の予測はできません。こうした誤報の可能性もあり得ます。受信した皆さんが怒ったというのも、緊急地震速報への信頼性や期待度の高さの裏返しなのかもしれません。

ここで問題なのは、誤報であったとしても、この緊急地震速報を受信したときに、ご自身がどのような避難行動をとったのかということです。

この機会に、もし緊急地震速報が誤報でなかったら、どんな防災行動をとるべきだったのか?ご自身がそのとき置かれていた状況に照らし合わせて考えてみませんか?

緊急地震速報を受け取ったら? 次の行動を常に頭に入れておく

皆さんは、この地震速報を受け取ったとき、どんな場所で、どんな行動をとりましたか?夕方17時頃ということもあり、電車に乗っていた、勤務先にいた、という人も多かったのではないでしょうか?そのときどのような行動をとりましたか?ただ愕然として速報を見ていた、という人もいたはず。
緊急地震速報が流れて強い揺れを感じるまでには、数秒〜数十秒あります。そのあいだに安全な場所へ避難することは可能です。

電車に乗っていた場合

ドア付近にあるタテ型ポールのしっかりした手すりにつかまりましょう。もし連結部分近くにいたら危険ですので移動しましょう。駅に停車していたら、ホーム内の安全な場所に避難します。
車内や会社、外にいたとき、大切なのは、まわりが誰も避難行動をとっていなくても、自分だけでも迅速に避難行動をとって動くことです。命の危険があることです。まわりの様子を伺っていたり、まわりに合わせて行動したりする必要はありません。まず「自助」の行動がたい説です。

自宅マンションにいた場合

マンションの部屋にいた場合は、家具やモノが倒れてくる可能性の低い、より安全な場所に避難します。マンションの場合は、家具やモノを置いていない廊下などが、比較的安全です。
・火元確認
・玄関のドアを開けて避難経路確保する
・子どもや家族を安全な部屋や場所まで誘導する
・携帯などの通信ツールを手に持つ
・ペットをゲージに入れる
・すぐに避難できるように靴を履く
5秒程度でも、いずれかひとつの行動はできます。

以下の部屋別の行動も参考にしてください。
緊急地震速報サービスSCOOP「大きな揺れが来る前にできること」(株式会社つなぐネットコミュニケーションズ)(外部サイト)

携帯やスマホで緊急地震速報を受け取る設定にしていますか?

最近の携帯キャリアは、緊急地震速報が自動的に受信できる設定になっていると思いますが、古い携帯などで、緊急地震速報を受け取る設定にしていない・アプリを入れていない人もいるかもしれません。いま一度、緊急地震速報の設定を確認してみましょう。

主な防災アプリ
ゆれくる(外部サイト)
Yahoo!防災速報(外部サイト)
全国避難所ガイド(外部サイト)

私がふだんスマートフォンに入れている防災関係のアプリは以下の記事で公開していますので、参考になさってください。

危機管理アドバイザー・国崎信江が普段から使っているスマホの防災アプリ

そして何より大切なのは、情報収集や家族との連絡の命綱とも呼べる携帯電話がいつでも使える状態にしておくということです。誤報を受け取ったとき、あなたの携帯電話の充電状態はどのくらいでしたか? 常にこまめな充電でいつも100%状態を目指していましょう。

熊本・大分地震への支援と、いますぐできる防災習慣を身につける!


「東京湾が震源のマグニチュード9.1」という緊急地震速報は、できれば受け取りたくないものです。しかし、今後30年にマグニチュード7の地震が発生する確率は70%と言われているいま、ふだんから安全な避難行動をとって身を守るという意識が求められているのです。この誤報でのご自身の反省を、次に緊急地震速報を受け取ったときに生かすように考えてみてください。

2016/09/15

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


株式会社危機管理教育研究所

一般社団法人危機管理教育研究所


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