高層タワーマンションの住民が育む地域コミュニティ~芝浦アイランド自治会の取り組み事例~

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港区最大規模、4棟の高層タワーマンションによって構成されている芝浦アイランド自治会では、マンション住民が地域コミュニティづくりに大活躍しています。新時代のマンションと自治会の可能性についてお話を伺いました。

地域を暮らしやすく!芝浦アイランド自治会の取り組み

マンションの管理組合と自治会。管理組合は建物の維持管理を主に行い、自治会は同じ地域に住む住民同士の交流や地域の暮らしの向上を行います。管理組合はマンションの内側、自治会はマンションの外側に向かって活動をすると考えるとわかりやすいかもしれません。マンションコミュニティだけでなく、マンションの外の人たちとも連携した地域コミュニティづくりにまで広がれば、暮らしやすさは倍増するはず。

「自分達が住んでいる地域を、楽しく暮らしやすく場所にしたい!」そんな思いを抱いて、自治会活動に積極的に参加している人たちが最近増えているようです。芝浦アイランド自治会もそのひとつです。

 芝浦アイランド自治会会長 栗山由美さん(写真右から)、小西貴彦さん、榮田宏光さんの3名にお話を伺いました。

芝浦アイランド自治会会長 栗山由美さん(写真右から)、小西貴彦さん、榮田宏光さんの3名にお話を伺いました。

芝浦アイランドは、港区・芝浦エリアにある48〜49階建てのタワーマンション4棟に約3,800世帯が暮らす一大コミュニティです。分譲棟2棟の各管理組合と、賃貸棟2棟を運営管理する三井不動産投資顧問の3者とで、芝浦アイランド自治会を2009年に設立。港区最大規模の自治会が誕生しました。

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まわりを水辺に囲まれた4棟の高層マンションを中心に、高齢者向け住宅や児童高齢者交流施設が整備されたエリアは、まさしく“島”!

現在の自治会役員・監事は、14名。メンバーは、バックグラウンドも年代も多種多様。現在の自治会長の栗山さんは、社会に積極的に関わる社会貢献活動を担いたくて、自治会に参加されました。

——栗山さんは地域の美化防犯活動に興味があって自治会に参加されたそうですね?

自治会長 栗山さん「社会貢献活動に興味があったのです。長くアメリカに住んでいて、その時社会貢献活動もしていました。アメリカでは、貢献活動は特別なものではなく、社会に興味がある人誰もが、ごく自然に行うこと。人的ネットワークも広がるし、いろいろな経験から学ぶことも多かったです。日本に帰国してからも、社会貢献をしたいなと考えていました。そして、自治会役員募集の張り紙をマンション内掲示板で見て、美化防犯担当役員に立候補しました」

榮田さん「美化担当に立候補する人ってめずらしいですよ(笑)。栗山さんは、地元の商店会の人にも人気で、近隣の町会・自治会の皆さんの誰とでも仲良くなるキーパーソン。当自治会には貴重な存在です」

栗山さん「もう一つのきっかけは、東日本大震災の時の経験です。まだ自治会に参加する前、たまたま自宅マンションにいたとき震災が起こりました。レインボーブリッジは揺れ、お台場では煙が上がっていました。これは大変だ!と思って廊下に出ても誰もいなくて、もっとご近所の方と知り合わないといけないなと痛感しました」

——自治会活動というと少し面倒なものだとか思いがちなものですが、芝浦アイランド自治会は、HPやFacebookページ、自治会広報誌などで、積極的に情報発信をしていて、その様子のどれもが楽しそうです。特に参加者が楽しそうだなと感じたのがクリーンコミュニティ(自治会清掃活動)の活動でした。

栗山さん「年4〜5回のペースで、近隣の清掃をするクリーンコミュニティを行っていますが、毎回参加者数が右肩上がりに増えてきているのが嬉しいですね。なによりやっている我々もきれいになるのが楽しいですし、参加者の皆さんも同じ気持ちだと思いますよ」

8月のクリーンコミュニティには、122名参加。ゴミ袋やゴムばさみ、軍手を手にして、地域を巡回し、70リットルのゴミバケツ19個分の清掃ができました。11月は116名。ごみ拾いのあと、みんなでパンや飲み物を手に、近隣の住民と交流するのも楽しみのひとつだとか。

8月のクリーンコミュニティには、122名参加。ゴミ袋やゴムばさみ、軍手を手にして、地域を巡回し、70リットルのゴミバケツ19個分の清掃ができました。11月は116名。ごみ拾いのあと、みんなでパンや飲み物を手に、近隣の住民と交流するのも楽しみのひとつだとか。

小西さん「クリーンコミュニティのポスターは、近くのスーパーや商店街、JR田町駅にも貼っていただいていて、11月にはスーパーの店員さんもたくさん参加してくださいました。新しくマンションに引っ越してきた人が参加して、ご近所さんと交流するという、出会いの場になっている部分もあります。一緒に清掃したあとだと、会話も弾みやすいですし」

1224_24栗山さん「参加する方々も、ご家族、お一人、外国の方など、さまざま。年代も幅広いです。なにかしらのかたちで社会貢献をしたいという気持ちの方々が増えてきている気がします。私たちも含めて、皆さんが、なにか人のために役立ちたいという気持ちを抱いているのですよね」

3.11以降、日本にもようやくボランティア意識が根付いたと言われていますが、地元で自然にできるボランティアの機会が用意されているのがいいですね。参加者の写真を見ていても、皆さん笑顔で楽しそう。清掃は、きれいになったという達成感が得られて清々しい気持ちになれます。それに自分が住んでいるエリアの清掃に関わることで、「自分の町」意識が高まります。

また、芝浦アイランド自治会は、芝浦三・四丁目町会主催の防犯パトロール「青パト活動」にも協力。青ランプを灯した車と徒歩隊とで、夜の町をパトロールして、事故や火災などの危険がないか確認します。近隣町会との助け合いや交流を積み重ねることで、みんなの町、みんなの島を一緒に守っている意識が芽生えるにちがいありません。

芝浦アイランド自治会が主催、参加者151名を記録した防災ワークショップ「イザ!カエルキャラバンin芝浦」の様子。

芝浦アイランド自治会が主催、参加者151名を記録した防災ワークショップ「イザ!カエルキャラバンin芝浦」の様子。

榮田さん「私は今自治会の防災会長を務めていますが、防災も自治会設立趣旨のひとつです。毎年数回、専門家を招いた防災講義やワークショップなどの防災イベントを実施して、地域の防災力を高める活動を行っています。おもちゃの交換会と防災プログラムが一体化した『イザ!カエルキャラバンin芝浦』を開催して、楽しみながら防災を学べる工夫も行っています」

——イザ!カエルキャラバンは、マンション・ラボでも以前の記事でご紹介しました。自治会では、このようにお子さんとご両親が遊びながら防災を学ぶ場を設けたり、実際の防災訓練を行ったりして、自治会としての防災活動に尽力されています。

榮田さん「防災委員会には、4棟のマンションの管理組合理事の方々にも参加いただき、それぞれの情報交換をする場にもなっています。他の棟の管理組合がどんな防災活動を行っているのか知ることもできるので、自治会は各棟を縦断する交流の場としても活用できています」

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2016/01/26

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