阪神・淡路大震災直後の様子と、マンション修復への道のりとは

今回は、兵庫県のマンションにお住まいの阪神・淡路大震災で被災された居住者の方のお話を紹介いたします。震災直後の被害の様子や、その後マンション全体で対峙した問題は、すべてのマンション居住者の方々の参考になるにちがいありません。

平成7年1月17日の朝、阪神・淡路を襲った大地震

Yさん(仮名)は、マンションのご自宅で阪神・淡路大震災に遭遇され、その後、当時の体験を知人に伝えるメールとして手記をまとめられました。今回はその手記の一部を抜粋しながら、マンションで震災に遭った際に、何が起こり、何が必要なのか、検証していきたいと思います。

家族3人がそれぞれの寝室で被災

震災が発生した当時、Yさん一家は、お母さん、奥さんの3人がマンションにいて、それぞれの部屋で眠っていました。お子さんたちは、すでに成長して東京に住んでいました。明け方、3人それぞれの部屋で眠っていたところに、震災が発生しました。このときの描写は、非常に恐ろしいものです。

Yさん「あの日、突然、異様な振動に泰平の夢を破られ、目を覚ましたときはそれほどの揺れではなかったのですが、やがてその揺れの振幅が大海のうねりのように大きくなり、また始末の悪いことに揺れのスピードが猛烈に早くなってきました。

建物全体が『ゴオーッ』というものすごい重低音(この不気味な恐怖の音は生涯忘れ得ません)を発し今にも倒壊しそうで、そのときにはわが家の家具という家具はすべて音を立てて倒れ、真っ暗な中何かが胸の上に落ちてきたりしました。」

【地震への対策】家具固定や配置で、寝室を安全な場所に!

地震はいついかなるときにも起こり得ます。無防備な睡眠中でさえ。家具の配置替えや固定などの対策が必要です。

Yさん「揺れは随分長く感じました。実際には十数秒だったようですが。やっと揺れがやんだとき、“助かった”と思い、“まだ生きている”と思いました。しかし、咄嗟に別の部屋に寝ている家内と母親は無事だろうかと、倒れた家具を乗り越え乗り越え、それぞれの部屋に行きますと、二人とも危うく整理箪笥や洋服箪笥の下敷きになるところをわずか数センチのところでかわし、助かっており、私を含めて3人とも怪我もなくホッとしました。」

【地震への対策】特に枕元の安全が大切!

「母の寝室では、ベッドのヘッドボードがあったため、すんでのところで家具が止まり、幸い怪我はありませんでした」とYさん。阪神・淡路大震災では、家の倒壊や家具が倒れた事による怪我や死亡が多く発生しました。眠っているときは特に無防備な状態ですので、寝室はベッドまわりに物や家具を置かない、安全な状態にすることが非常に大切です。

マンションでの避難と安全確認

夜が明けると次第に、まわりがどんな状況なのかがわかり始めました。Yさんのマンションは見晴らしのいい場所にあるだけに、その被害が広大で甚大なことが一目瞭然だったといいます。ではマンション内はどのような状態だったのでしょうか。

Yさん「外の階段が何かざわつくのでドアを開けると上の方からゾロゾロと住人が布団をかぶって下りてきます。地震発生と同時にすべてのライフラインが機能を停止したので、エレベーターも動かず、最上階の人も1階まで階段を下りてきます。

“どこへ行くの?”
“近くの小学校へ避難しに行く”
そこへまた余震が。
“キャーッ”

余り動かない方がいいみたいです。階段室のコンクリート片が雨あられと降ってくるのですから。」

【地震への対策】被災直後は、安全が確保できるまで動かない

寒い冬の朝だったから布団をかぶって出てきた人が多かったのでしょう。布団をかぶることで落下物などから頭や体を守ることもできますが、万一火災が発生した際には、身軽に動けない上に、布団に火が付く可能性もあります。マンションからの避難時には注意したい点ですね。

マンションでは、よほどの場合でなければ、構造的に安全が確保されています。周辺の安全が確保できているか、状況を確認するまではむやみに移動しないことが肝要だといえます。

Yさん「マンションの住民の大半が近くの小学校と中学校に避難しました。私は母親が病身で動けなかったことと、不運?にも管理組合の理事という役目上、逃げ出すわけにもいかず、ええいままよ、と覚悟を決めたというよりも半分フテくされて家の中で片づけものをしておりました。しかし、その家の中も大変です。まるでテロリストに爆弾を投げ込まれたような状態。なんとか家の中を普通に歩けるようになったときはもう夕方になっていました。」

お母さんが動けなかったことで、マンション内被災生活を過ごすことになったYさん。のちに東京から駆けつけた息子さんに「怪我がなかっただけ、ぼろもうけやで」と励まされたそうです。とはいえ、3人の寝床と、少しでも座ることが出来る場所を確保するために、部屋を片付けるのはかなり大変だったそうです。危険物も散乱しており、室内はスリッパをはかないと、とても歩けない状態でした。

【地震への対策】被災後の室内の片付けを安全に

被災後のマンションの室内はまさにYさんの描写通りの状態になるはず。ガラス片が散乱していて大変危険な状態です。軍手やビニールシート、麻袋などを防災用品と一緒に取り出しやすい場所に置いておきたいですね。

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2015/01/13

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