実践的な内容が好評!「マンション防災対策入門」講座レポート

自分のマンションの防災レベルを知る「マンション防災対策入門」集中講座

あなたのマンションでは、マンション全体で防災対策に取り組んでいますか? 「備蓄くらいはと思うけれど、なにもできていない」「どこから手を付けたらいいのかわからない」という声をよく伺います。また、すでに着手しているマンションでも、「現状の対策で本当に大丈夫か」という不安の声もあります。

そんな悩みに答えるべく実施された、マンション防災を基礎から説明する講座の参加レポートをお伝えします。マンション防災の基本とはどういうものか、その内容を見てみましょう。

防災訓練のアイデアや具体的な救護方法を知りたい参加者

講座は「マンション防災対策入門」のテキストに沿って進められます。

「マンション防災対策入門」講座は、2014年3月に大手町において半日集中型で開催されました。

講師は、マンションの防災支援を積極的に行っている(株)つなぐネットコミュニケーションズの防災担当チーム。

2013年グッドデザイン賞を受賞した「『マンション内被災生活』実現支援プログラム」に沿った、マンションならではの防災対策の進め方を、事例を交えながら解説していきます。

講座の受講風景。参加者の皆さんは防災意識が高く、とても熱心な様子でした。

集まった25名の参加者の皆さんは、管理組合の理事や防災担当の方々。「防災会を立ち上げたばかりなので運営方法を知りたい」「防災備品の種類や購入方法について学びたい」「情報収集のため」「現在の防災対策の方向性と立ち位置を確認したい」など、参加理由もさまざま。住民を巻き込むための、防災訓練のアイデアがほしいという方もいらっしゃいました。皆さん共通して知りたいことは、やはり具体的なアイデアや実践で役立つ手法でした。

震災が起きたら?「マンション内被災生活」という考え方の徹底を

講座ではまず、「マンション内被災生活」の考え方について紹介しました。
構造のしっかりしたマンションでは、事前に防災対策を行っておけば、いざという時でも自宅で生活を継続する「マンション内被災生活」が実現できます。

そのためにはマンションで起きうる被害想定を知ることや、必要な対策を行うことが重要です。自分たちで命を守る「自助」、マンション全体で助け合う「共助」、そして、行政機関による「公助」、これら3つの力が連携することが災害時には不可欠です。

しかし震災直後には、公助がすぐ差し伸べられるかどうかはわかりません。そのためにも、マンションでの「自助」と「共助」が密接に連携して働くことが求められます。

「自助」はすべての対策の基本になるもの。各家庭での取り組みが重要です。マンション内の「自助」を推進するために、告知紙を各戸に配布するという方法があります。講座では、すぐに使える告知ツールとして、各家庭で取り組んで欲しい防災対策の情報が掲載された「防災新聞」の見本紙が配られました。すぐに使える防災知識を、住民みんなで共有しておくことは、いざというときに役立ちそうです。

住民に防災知識を知らせる「防災新聞」。「マンションでゴミが出せなくなったときの対策」「1家族に必要な飲料水の備蓄量」「震度5以上の地震の場合のトイレ問題」など、実用的な防災知識を1テーマで紹介。そのままマンションで配布できる体裁となっています。

「共助」は、「知る・備える・試す」のフレームワークで進めるのが効果的

次に「自助」と「共助」のフレームワークの説明を行い、具体的な施策内容について紹介されました。

マンションの戸数や規模によって、取り組むべき防災対策は異なりますが、各マンションの取り組み状況に応じて、以下のように「知る」「備える」「試す」の3ステップをベースに対策を行っていくと、個々のマンションの特性にあわせた防災対策ができます。

知 る:設備、戸数、立地条件、世帯層などのマンション情報を「知る」ステップ。
備える:防災備品の購入や災害時のルールづくりを行う「備える」ステップ。
試 す:「備える」ステップの施策を、実際に「試す」ステップ。施策の有効性を確認し、さらなる改善~防災力向上~につなげるためのステップ。

「要援護者情報取得用アンケート」「周辺施設一覧表」「構造・設備一覧」などの、マンション情報を「知る」ためのサンプルテンプレート。記入すればそのまま使えます。

被害を知るために「震災被害想定トレーニング」をワークショップ形式で実施

講座では、講義だけでなく参加者によるワークショップも行われました。あらかじめ想定された戸数・状況など条件を限定した上でそのマンションに住んでいる住民が、「夜の20時に震度6強の地震が起こったらどうなるか」という課題に、それぞれの部屋や共用部などの場所別・時間別に、マンションの被害を想像して話し合っていくというものです。

「高齢者の安否確認」「寒さによる体調不良者続出」など、発災直後から3日後までの時間軸で、自分が想像した起こりうる被害を付箋にどんどん書いていきます。

皆が想定した被害の付箋を、「情報」「救助・救護」「施設」「生活」「その他」のカテゴリーごとに分類して貼っていきます。こうすることで、どんな被害が同時に起こっていくのか、時系列で捉えることができ、その対策を考えることができます。

実際にマンションで災害に遭ったら?という意識で一緒に考えていくと、防災対策を考える視点の抜け落ちや、自分では想定できなかった被害の気付きに役立つことが実感できます。ひとりひとりが、自分の立場で考えて意見を交わすことの大切さも見えてきました。

こうしたワークショップを、マンションの管理組合で実施すると、より具体的な気付きになるかもしれません。ワークショップに手応えを感じた参加者も多かったようでした。

「共助」を「備える」「試す」ステップ

「備える」ステップでは、「防災備品購入検討リスト」で必要な備品を検討したり、災害時のルールづくりを行います。防災備品は、発災時に活動する班ごとに分けて必要なものを洗い出していくなど、具体的なリストづくりが有効で、自分のマンションの規模にあわせて、リストから必要・不必要なものを判断していくといいようです。「備蓄も何から手を付けていいかわからない」という方にも、こうしたリストがあると判断しやすいですね。

会場には、参考としてマンション全体で備蓄していくと便利な防災用品が展示されていました。展示用品を熱心にチェックする参加者の方々。

「試す」ステップでは、防災訓練を通して「備える」ステップで進めてきた対策を検証するアイデアや告知を工夫するアイデアなどが説明されました。「試す」ことにプラスして、マンションの防災力を強化するためにコミュニティイベントなどの実施について事例紹介やアドバイスなどもあり、防災訓練とコミュニティイベントを絡めて考えていくことが効果的だということでした。

どんなスケジュールで動くのか?「アクションプラン」を作成する

最後に、「アクションプラン」を配布して、講座の総仕上げを行いました。今回説明したステップに沿って、自分のマンションの防災対策として起こすべきアクションをいつ頃行うか、年間スケジュールに記入していきます。

「震災時ルール」や「防災備品」など、取り組むテーマ毎に、年間スケジュールを策定していきます。あくまで目安ですが、こうしてスケジューリングすることで、次の行動に移しやすくなります。事前に優先順位をつけて整理することで、自分のマンションに持ち帰って検討するのに役立ちますね。

参加者の約92%が満足!

集中講座に参加した声を伺ってみました。

・提供いただいた資料が具体的で「使える予感」がする!
・内容が幅広くてよかった。
・何をすべきか具体的にわかった。
・具体的にアクションプランを作成するための資料がいただけてよかった。

講座終了後のアンケートでは、満足度約92%という好反応。内容も「ちょうどよかった」という方が約80%。
他事例を交えて「マンション防災」の全体像を把握してもらった上で、個々のマンションの規模や環境に応じて、自分のマンションにおける「マンション防災対策」を具体的に考えることができたようでした。


「マンション防災対策入門」は、まだまだ始まったばかりです。こうした体験できる講座に参加して、積極的に新しい防災知識や情報を学び、災害に強い安心・安全なマンションづくりをみんなの力で推進していきたいものですね。

なお、同講座は10月4日(土)にも開催予定です。講座の詳細やお申込み方法などは下記の画像をクリックしてご確認ください。

2014/08/15

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